株価指数先物【寄り前コメント】 権利行使価格の2万7750円~2万8000円のレンジが意識される可能性

配信元:株探
投稿:2022/06/03 08:22

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27740 +280 (+1.01%)
TOPIX先物 1944.5 +16.5 (+0.85%)
シカゴ日経平均先物 27775 +315
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 2日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。朝方はマイクロソフトの下方修正が嫌気され売り先行で始まったが、マイクロソフトが上昇に転じたことがセンチメントの改善につながった。また、5月ADP雇用統計が予想を下回り、3日に発表される5月雇用統計が強い内容になるとの見方が薄れる格好となった。これにより、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めへの懸念が後退。長期金利が落ち着いた動きを見せたことで、半導体株を中心に幅広く買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇する一方、エネルギー、電気通信サービスの2セクターが下落した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比315円高の2万7775円で終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比70円高の2万7530円で始まり、2万7500円~2万7560円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に2万7420円と弱含む場面も見られたものの、その後はリバウンド基調が強まり、終盤にかけて上げ幅を広げた。一時2万7780円まで買われ、2万7740円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、ギャップアップで始まることになりそうだ。ナイトセッションの開始時点から2万7500円での底堅い値動きを見せており、いったんは下げに転じたものの、その後の切り返しによってオプション権利行使価格の2万7500円から2万7750円へ一気にレンジを切り上げてきた。ヘッジ対応の動きが強まりやすく、朝方はインデックスに絡んだ資金流入が集中することになりそうだ。

 買い一巡後は雇用統計の結果待ちにより売り買いが交錯する可能性はあるが、ナイトセッションでは一時2万7780円まで買われ、4月22日の戻り高値である2万7760円を突破してきた。戻り高値を捉えたことで短期筋では達成感も意識される可能性もあるが、来週にメジャーSQを控えるなか、急ピッチでレンジを切り上げてきている状況であり、3月のメジャーSQ時と同様にヘッジ対応に伴う買いが強まりやすい。

 VIX指数は24.72と強弱感の分かれ目となる25.00を下回ってきた。雇用統計を控えているものの、リスク選好に向かいやすい状況のなかではショート筋にとってはややニュートラルに近づけておきたいところだろう。また、フラットにしていた投資家も、若干ながらロングに傾けてくる可能性がありそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。前日に14.15倍と支持線として意識される75日移動平均線水準まで下げていたこともあり、想定内の動きではある。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均をけん引する格好でNT倍率は上昇すると見られ、心理的な抵抗となる14.30倍辺りが意識されてくる。

 なお、日経225先物はオプション権利行使価格の2万7500円~2万7750円のレンジを超えてくるようだと、2万7750円~2万8000円のレンジに移行する可能性がある。その場合には日経平均型のインデックス買いによるインパクトが大きくなると考えられる。NT倍率は14.30倍を超えて75日線が位置する14.35倍を捉えてくる可能性も想定されてくることから、NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりそうだ。

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