目先は押し目買いが奏功しそう
【注目メルクマール】DMI(方向性指数)の動向
【見通し①】「+DI>-DI乖離拡大」なら、「131.500円」orそれ以上の水準までの上昇も
【見通し②】「+DI≒-DI継続」or「-DI>+DI乖離拡大」なら、「125.000円」付近までの下押しも視野
【シーズナル・サイクル】米ドル:5-10月末にかけて下値切り下げとなりやすい
米ドル/円は、今月3-4日に開催された米FOMC後のタイミングでいわゆる「セル・ザ・ファクト」(事実売り)となり、4日終値ベースで重要な心理的水準である「130.000円」(上図黒色線)を割り込みました。その後は「往って来い」→「下押し」となり、昨日12日には129円台割れの動きとなっています。
上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に分厚い形状の青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DIと-DIが収斂し、ADXが右肩下がりとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、米ドル/円・日足チャートは、「上昇トレンド一服」→「下値固めの時間帯」を示唆するチャート形状であると判断します。
同時に、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが21日MAに向かって収縮する“スクイーズ”となっていることから、現時点は「相場の力を溜め込む時間帯」と捉えて良いでしょう。
足もとで注目すべきメルクマールは・・・DMI(方向性指数、上図黄色矢印)の動向。
筆者が予想する今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)
[見通し①]
これからの時間にかけて、「+DI>-DIの乖離拡大」となった場合は、「下値固め完了」→「反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサインへの転換」や「BB・±2σラインの拡張(エクスパンション)」も伴いながら、BB・+2σラインを基準とする「131.500円」(上図Ⓐ赤色線)付近、ないしはそれ以上の水準までの上昇もあり得そうです。
[見通し②]
一方で、「+DI≒-DIの継続」ないしは「-DI>+DIの乖離拡大」となった場合は、「BB・-1σライン割れ」→「もう一段の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「BB・-2σライン(≒126.470円)割れ」や「遅行スパンのローソク足接近」も伴いながら、いわゆる“黒田ライン”と見なされる水準である「125.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しも視野に入れるべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、下値余地は限定的と見て良さそうです。
上記見通し①および②を概括すると、今後の米ドル/円は引き続き下値しっかりの相場付きとなることが予想されます。よって、「押し目買い」ないしは「打診買い」が奏功しそうです。
米ドルのシーズナル・サイクルについて
そんな中、今後の米ドル/円の方向性を勘案するために、米ドル(インデックス、指数)の季節的な相場付きの傾向を示すシーズナル・チャート(出所:Equity Clock)を見てみましょう。
上図より、以下のような仮説を立てることが可能です。
ⅰ) 米ドルは年間を通じて、8-10月にボトムを付けやすい傾向がある。
ⅱ) 米ドルは4月から下降局面に入り、5-10月末(上図黄色四角枠)にかけては下値切り下げとなる傾向がある。
ⅲ) ⅱ)の期間のうち、5月中旬にかけて戻り高値を付ける傾向がある。
上記ⅰ)~ⅲ)については、あくまで過去におけるデータ・傾向であり、今後も必ずそうなるという指標ではないものの、今後の米ドルに関するトレード・アイデアとしてご参考にしていただければ幸いです。
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