nms、前期最終を赤字拡大に下方修正、対純資産で42%の赤字

配信元:株探
投稿:2022/05/02 15:30
 nms ホールディングス <2162> [東証S] が5月2日大引け後(15:30)に業績修正を発表。22年3月期の連結最終損益を従来予想の7.3億円の赤字→19.8億円の赤字(前の期は7.3億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する見通しとなった。赤字額は前の期末の純資産を42.1%毀損する規模となった。ただ、通期の連結経常損益は従来予想の0.5億円の赤字→1.2億円の黒字(前の期は1.5億円の黒字)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなった。

 会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終損益も従来予想の4.5億円の赤字→16.9億円の赤字(前年同期は2.3億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する計算になる。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
 1.営業外収益(為替差益)の計上 当第4四半期連結会計期間において、為替差益247百万円を計上いたします。これにより、当連結会計年度における為替差益計上額は697百万円となります。これは、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替え及び海外子会社間の取引等によるものです。2.減損損失の計上及びその内容 当社グループの北米EMS事業における固定資産に関し、現在の事業環境を踏まえ、将来キャッシュ・フローによる回収可能価額を慎重に検討した結果、想定していた収益の実現時期が当初より遅れる見通しであり、当連結会計年度において1,433百万円の減損損失を計上いたします。対象となる固定資産の主なものは、建物及び機械装置、無形固定資産となります。 北米EMS事業は、北中米市場における車載関連分野の事業拡大を目的に、設備投資を行ってまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の急拡大に伴う現地ロックダウンによる影響が継続したことに加え、当連結会計年度に入り、部材不足に起因するお客様の稼働停止や生産計画後ろ倒し等による影響が顕著となり、事業全体の停滞を余儀なくされていました。また、予定していた必要設備の追加導入も延期せざるを得ず、想定していた売上規模拡大に時間を要す状況にありました。 なお、今後も北米EMS事業の拡大をめざすことに変わりはありません。ポートフォリオの見直しを行い、車載関連分野だけでなく、市場規模が大きく、かつ、安定した市場であるエンジニアリングツール分野をターゲットとした顧客開拓を行っており、本年5月から北米顧客向けの量産を開始し、順次、新規量産プログラムを立ち上げていくことが決まっています。引き続き、事業の成長に注力してまいります。3.通期業績予想修正の理由 営業利益は、賞与引当金の減少や固定費削減施策の効果もあり前回予想に対し改善する見込みです。経常利益は、営業利益の改善に加え、為替相場の変動による為替差益が発生し、前回予想から黒字となる見込みです。親会社株主に帰属する当期純利益は、上記2.に記載のとおり、減損損失を特別損失に計上することにより、前回予想を下回る見込みです。4.2022年3月期期末配当について 期末配当につきましては、2021年5月14日公表のとおり、前期に対し1円増配の1株当たり5円に変更ありません。上記2.に記載のとおり、減損損失の計上により、2022年3月期の当期純損失は前回予想を下回る見込みですが、事業構造改革の実行により業績は次期からの回復を見通せる状況となっており、継続的な株主還元の実施及び経営環境を総合的に勘案し、1株あたり5円の期末配当を行うこととしております。5.次期(2023年3月期)の見通し 先行き不透明な事業環境が続いているものの、各事業セグメントとも2022年度から始まる新規受注の獲得や量産プログラムの立ち上げ等、需要は旺盛な状況が続いています。部材不足の解消には一定の期間を要すると見ているものの、後ろ倒しとなっていた生産の挽回もあり、すべての事業セグメントで増収増益となる見込みです。 通期連結業績につきましても、これまで行った事業構造改革の効果を創出させ、黒字転換を計画しています。2023年3月期業績予想詳細については、2022年3月期通期決算発表(5月13日予定)にて改めて開示いたします。また、2024年度までの中期経営計画につきましても、今後時機を得て開示する予定です。
配信元: 株探

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