ウクライナ情勢とロシアデフォルト懸念には要注意・警戒!
【注目ポイント】「114.600円」で下値サポートされるか否か
【見通し①】同レート下値サポートなら、「116.300円」付近までの上昇も
【見通し②】同レート割れなら、「114.000円」付近までの下押しも想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「114.000~116.300円」
ウクライナ情勢を巡る緊張状態が継続する中、米ドル/円は「有事の米ドル買い・円買い」に伴う方向性の相殺もあり、ここもとは上下往って来いの相場付きが継続しています。
上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が若干右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、3) ローソク足の下方に薄い形状の青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で、-DI>+DIの乖離が拡大し、ADXが右肩上がり推移となっている(上図青色点線丸印)ことから、米ドル/円・日足チャートは、上下圧力の拮抗するレンジ相場継続を示唆するチャート形状であると判断します。
足もとでの注目ポイントは、昨年11月後半のいわゆる「オミクロン・ショック」後に付けた安値である「112.499円」(21/11/30)を起点とし、下値切り上げポイントを結んだ線(=下値支持線)の直近レートを基準とする「114.600円」(上図黄色矢印)でローソク足が下値サポートされるか否か。
筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)
[見通し①]
これからの時間にかけて、「114.600円」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、上述した「112.499円」(21/11/30)を起点とする下値支持線と、直近高値水準(「116.319円」[21/1/4]、「116.299円」[21/2/10])を基準とする「116.300円」処である上値抵抗線が構成する「三角保ち合い・上昇三角形型」(上図黒色線)枠内での推移が継続しそうです。
[見通し②]
一方で、「114.600円」を終値ベースで下回った場合は、「下値支持線割れ」→「もう一段の下押しフロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの逆転」や「-DI>+DIの乖離拡大」も伴いながら、心理的な重要ポイントである「114.000円」(上図水色線)付近までの下押しを想定すべきでしょう。
現況では、軍事的な緊張状態が続いていること、また、世界的な対ロシア経済制裁に伴う同国のデフォルト懸念も取り沙汰されていることから、瞬間風速的な円高主体の下落フローには十分注意・警戒すべきでしょう。ただし、米ドル/円の週足および月足チャートでは依然下値しっかりのチャート形状となっていることから、その下値余地は基本限定的と見て良さそうです。
上記見通し①および②を概括すると、当面の米ドル/円はレンジワーク主体の相場付きが継続し、その“主戦場”(コアレンジ)は「114.000~116.300円」(上図黄色四角枠)であると予想します。よって、当該レンジに「買い・トラリピ」を仕掛けるのも一案と言えるでしょう。
足もとでは、日本時間本日22時30分に発表される米2月雇用統計結果が米ドル/円の動意となりそうです。
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