「嵐の前の静けさ」を想定すべき局面…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/01/25 11:19

◆ “リスク回避”先行も、その後は“巻き戻し”優勢… - 114円回復


昨日は「FOMC」に向けた思惑と、そして「ウクライナ情勢緊迫化」を背景にした思惑が入り混じる展開でした。
このためNYダウは“1000ドル超”の急落を一時見せるなど、“リスク回避姿勢”が先行する場面も見られました。
この影響もあって“114円手前”へ押し戻されていたドル円は、再び“113円半ば”へと押し戻されました。

もっとも新年4日に史上最高値をつけたNYダウは、すでに“10%弱”を下げています。
このため“一旦の下値達成感”が台頭しやすく、米主要3指数は急速に切り返しに転じました。
また米10年国債利回りは“1.70割れ回避”をしたことで、“目先の底入れ感”も台頭しやすくなっています。
そうなるとドル円にも“調整フロー(円売り戻し)”が入りやすく、本日東京タイムに入ってから“114円台”へと上値を伸ばす場面を見せています。

◆ "達成感/底入れ感/調整フロー"を踏まえれば、ではあるが… ?


「今週最大のビッグイベント(FOMC)」を明日に控えるスケジュール感を考えれば、“方向感を伴う動意”は期待薄といわざるを得ないところがあります。
一方で「地政学的リスク(ウクライナ情勢)」はすぐに払拭される類のものではありませんので、“リスク回避→円買い”がいつ蠢き出してもおかしくないところといえます。
ただしすでに進行した後という状況を踏まえれば、“ポジション調整”は入りやすいと見るのが自然です。

オーダー状況を見ると、“113.60-50円”のドル買いオーダーはそのままに、ドル売りオーダーは“114.20-30円”に切り上がっていると聞き及びます。
幾分“上方向”へと傾斜しつつある状況とは考えつつも、まだ“当該レンジ内での揺れ動き”と見ておくべきかもしれません。
“放れた方についていく”との期待を、静かに忍ばせながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:114.543(1/20高値)
上値4:114.450(1/18~1/21の61.8%戻し、週足・一目均衡表転換線)
上値3:114.343(ピボット2ndレジスタンス、50日移動平均線)
上値2:114.263(1/18~1/24の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値1:114.136(1/21高値、1/18~1/24の38.2%戻し、-1σ、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:113.973(大台)
下値1:113.847(日足・一目均衡表先行スパン上限/下限)
下値2:113.629(ピボット1stサポート)
下値3:113.470(1/24安値、-2σ)
下値4:113.328(12/20安値、100日/20週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:113.139(12/17安値、ピボットローブレイクアウト)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想