■要約
ステップ<9795>は神奈川県内で小学5~高校3年生を対象とした学習塾「STEP」を展開している。教師のプロ化による質の高い学習指導力に定評があり、高校受験においては「トップ校」と呼ばれる県内公立進学校(19校)の合格者数で、2位の学習塾を2倍以上引き離し独走状態となっている。2021年10月末の校舎数は小中学生部門が135スクール、高校生部門が15校、個別指導部門が1校のほか、2016年3月より開始した学童保育部門「STEPキッズ」3校の計154校(前期末比3校増)となっている。2021年10月末時点の在籍生徒数は3.1万人を超え、学習塾業界のなかではトップクラスの収益性と安定性を誇る。
1. 2021年9月期の業績概要
2021年9月期業績は売上高で前期比19.3%増の13,036百万円、営業利益で同81.9%増の3,509百万円となり、2期ぶりに過去最高を更新した。期中平均生徒数が前期比6.6%増となったほか、前期における新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響による反動増により大幅増収となった。営業利益は増収効果に加えて、教室当たり生徒数の増加による固定費率の低下や広告宣伝費の減少等が増益要因となった。コロナ禍での対応※1が生徒や保護者から高く支持され信頼感を高めたこと、同社が3年前から取り組んできた「翠嵐プロジェクト」「横浜プロジェクト」※2を3年連続で達成し、神奈川県内の難関公立高校向け進学塾としてのブランド力が一層強化されたことが生徒数の増加につながっていると見られる。生徒数が定員に達し募集を打ち切っているスクール数も増えており、年々人気が高まっている状況にある。
※1 2020年3月に約2週間休講した期間についての授業料金を返還したほか、同年4~5月に緊急事態宣言下でオンライン授業に切り替えたことによる特別授業料を適用(通常料金から約60~80%値下げ)した。こうした対応により2020年9月期は11億円強の減収減益要因となった。オンライン授業では、同年4月~5月の2ヶ月間で4万本を超える動画を配信し、さらに双方向のオンラインホームルームやオンライン授業、オンライン模試等の対応を進めた。
※2 神奈川県で湘南高校と並んで最難関の公立高校である横浜翠嵐高校、並びに横浜市内「トップ校」合計それぞれの合格者数において、塾別実績のトップを目指すプロジェクト。
2. 2022年9月期業績見通し
2022年9月期の業績は売上高で13,644百万円、営業利益で3,644百万円を計画している。前期から伸びが大幅に鈍化するように見えるが、これは「収益認識に関する会計基準」を適用することにより、売上高・営業利益でそれぞれ316百万円の目減り要因となるためだ。教材費等の諸費用について、各学期の初月に一括して売上計上していたものを月按分することになり、2022年9月期は従来基準よりも3ヶ月分少なく計上されることになる。2021年9月期も収益認識基準等を適用したと仮定した場合の増減率を見ると、売上高で7.1%増、営業利益で13.6%増となる。生徒数伸び率の前提は、2021年10月末時点で前年同期比10.0%増(学童含む)とし好調に推移していることから、上期は同10%弱の増加を見込み、下期は過去平均並みの4%強の伸びを見込んでいる。また、新スクールについては小中学生部門で川崎市内に3校を計画している。神奈川県内最大のマンモス公立中学校があるエリアへの進出となる。そのほか、定員に達しているスクールの増床移転なども物件が見つかり次第、進めていきたい考えだ。
3. 今後の成長戦略
今後も神奈川県内に特化した事業展開を進めていく方針に変わりはない。スクールの新設については、講師や教室長の育成に合わせて、教務力の品質を落とすことなく拡大していく。特に開校余地の大きい川崎・横浜エリアに注力していく方針で、両エリアだけで50スクール以上は展開余地があると見ている。また、現在3校開設している学童部門については、同社の多彩なオリジナルプログラムが好評を得ている。現在は多校舎展開するための組織体制の構築と人材の採用・育成に注力中であり、4校目の開設時期としては2023年以降となる見通しだ。
4. 株主還元策
株主還元策として、配当性向30%を目安に安定配当を行うことを基本方針としており、2022年9月期は前期比1.0円増配の46.0円(配当性向30.4%)を予定している。また、株主優待制度も導入しており、毎年9月末の株主に対して保有株式数と継続保有期間に応じてオリジナルQUOカード(500~4,000円分)を贈呈している。
■Key Points
・2021年9月期は生徒数が想定以上に伸長し、大幅増収増益を達成
・2022年9月期も会計基準の影響を除けば2ケタ増益が続く見通し
・川崎・横浜エリアでの校舎展開余地は依然大きく、今後も安定成長が続く見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
ステップ<9795>は神奈川県内で小学5~高校3年生を対象とした学習塾「STEP」を展開している。教師のプロ化による質の高い学習指導力に定評があり、高校受験においては「トップ校」と呼ばれる県内公立進学校(19校)の合格者数で、2位の学習塾を2倍以上引き離し独走状態となっている。2021年10月末の校舎数は小中学生部門が135スクール、高校生部門が15校、個別指導部門が1校のほか、2016年3月より開始した学童保育部門「STEPキッズ」3校の計154校(前期末比3校増)となっている。2021年10月末時点の在籍生徒数は3.1万人を超え、学習塾業界のなかではトップクラスの収益性と安定性を誇る。
1. 2021年9月期の業績概要
2021年9月期業績は売上高で前期比19.3%増の13,036百万円、営業利益で同81.9%増の3,509百万円となり、2期ぶりに過去最高を更新した。期中平均生徒数が前期比6.6%増となったほか、前期における新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響による反動増により大幅増収となった。営業利益は増収効果に加えて、教室当たり生徒数の増加による固定費率の低下や広告宣伝費の減少等が増益要因となった。コロナ禍での対応※1が生徒や保護者から高く支持され信頼感を高めたこと、同社が3年前から取り組んできた「翠嵐プロジェクト」「横浜プロジェクト」※2を3年連続で達成し、神奈川県内の難関公立高校向け進学塾としてのブランド力が一層強化されたことが生徒数の増加につながっていると見られる。生徒数が定員に達し募集を打ち切っているスクール数も増えており、年々人気が高まっている状況にある。
※1 2020年3月に約2週間休講した期間についての授業料金を返還したほか、同年4~5月に緊急事態宣言下でオンライン授業に切り替えたことによる特別授業料を適用(通常料金から約60~80%値下げ)した。こうした対応により2020年9月期は11億円強の減収減益要因となった。オンライン授業では、同年4月~5月の2ヶ月間で4万本を超える動画を配信し、さらに双方向のオンラインホームルームやオンライン授業、オンライン模試等の対応を進めた。
※2 神奈川県で湘南高校と並んで最難関の公立高校である横浜翠嵐高校、並びに横浜市内「トップ校」合計それぞれの合格者数において、塾別実績のトップを目指すプロジェクト。
2. 2022年9月期業績見通し
2022年9月期の業績は売上高で13,644百万円、営業利益で3,644百万円を計画している。前期から伸びが大幅に鈍化するように見えるが、これは「収益認識に関する会計基準」を適用することにより、売上高・営業利益でそれぞれ316百万円の目減り要因となるためだ。教材費等の諸費用について、各学期の初月に一括して売上計上していたものを月按分することになり、2022年9月期は従来基準よりも3ヶ月分少なく計上されることになる。2021年9月期も収益認識基準等を適用したと仮定した場合の増減率を見ると、売上高で7.1%増、営業利益で13.6%増となる。生徒数伸び率の前提は、2021年10月末時点で前年同期比10.0%増(学童含む)とし好調に推移していることから、上期は同10%弱の増加を見込み、下期は過去平均並みの4%強の伸びを見込んでいる。また、新スクールについては小中学生部門で川崎市内に3校を計画している。神奈川県内最大のマンモス公立中学校があるエリアへの進出となる。そのほか、定員に達しているスクールの増床移転なども物件が見つかり次第、進めていきたい考えだ。
3. 今後の成長戦略
今後も神奈川県内に特化した事業展開を進めていく方針に変わりはない。スクールの新設については、講師や教室長の育成に合わせて、教務力の品質を落とすことなく拡大していく。特に開校余地の大きい川崎・横浜エリアに注力していく方針で、両エリアだけで50スクール以上は展開余地があると見ている。また、現在3校開設している学童部門については、同社の多彩なオリジナルプログラムが好評を得ている。現在は多校舎展開するための組織体制の構築と人材の採用・育成に注力中であり、4校目の開設時期としては2023年以降となる見通しだ。
4. 株主還元策
株主還元策として、配当性向30%を目安に安定配当を行うことを基本方針としており、2022年9月期は前期比1.0円増配の46.0円(配当性向30.4%)を予定している。また、株主優待制度も導入しており、毎年9月末の株主に対して保有株式数と継続保有期間に応じてオリジナルQUOカード(500~4,000円分)を贈呈している。
■Key Points
・2021年9月期は生徒数が想定以上に伸長し、大幅増収増益を達成
・2022年9月期も会計基準の影響を除けば2ケタ増益が続く見通し
・川崎・横浜エリアでの校舎展開余地は依然大きく、今後も安定成長が続く見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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