■日本ピストンリング<6461>の事業概要
1. 事業概要
セグメント区分は自動車関連製品事業、舶用・その他の製品事業、その他(商品販売など)としている。また、主要製品は自動車エンジンの重要機能部品であるピストンリング、バルブシート、組立式焼結カムシャフトなどである。
セグメント別売上高については、自動車関連製品事業が売上高の大半を占めている※。また、製品別売上高構成比については、おおむねピストンリングが5割、バルブシートが2割を占めており、過去5期間で大きな変動はない。
※コロナ禍の影響により、特に2021年3月期上期の自動車生産台数が世界的に大きく落ち込んだため、同社の売上高についても同様に落ち込んでいる。
2. 特徴・強み
主要製品であるピストンリングやバルブシートは自動車エンジン性能に関わる重要機能部品であり、その耐熱性や耐摩耗性の向上によってエンジン燃費効率向上にも貢献している。
ピストンリングの主な役割には、エンジン燃焼室で燃焼ガスの漏れを封じるシール機能、潤滑油(エンジンオイル)のコントロール機能、燃焼熱を逃がす伝熱機能、ピストンの摩耗を抑えるサポート機能などがある。300℃という過酷な条件の燃焼室内で使用され、エンジン性能に直接関わる重要機能部品である。このため、高品質のピストンリングを供給できるメーカーは、世界でも同社を含む5社(米国1社、独1社、日本3社)に実質的に限定されている。技術動向としては、低フリクション化や耐摩耗性向上、高性能・高品質の材料と表面処理などが求められ、同社は会社設立以来約90年の歴史のなかで培ってきた高度な精密加工・表面処理・材料・粉末冶金技術などに強みを持っている。
バルブシートは、吸気弁(バルブ)及び排気弁の着座として使用され、燃焼室の気密性を保つ役割を果たしている。高温で叩かれても劣化しない耐久性や、燃焼ガスを確実にシールする高い気密性が求められるため、耐熱・耐摩耗性の高い材料として焼結合金が使用される。同社は焼結合金の粉末配合のノウハウを強みとして、日系自動車メーカー向けでは約4割とトップシェアを誇っている。
3. 主要取引先
同社は、トヨタ自動車<7203>をはじめとする世界の主要な自動車メーカーに幅広く製品を供給しており、売上高の10%を超える特定の自動車メーカーに依存していないことが特徴だ。また、欧米の大手自動車メーカーや中国のローカル自動車メーカーへの供給も増加基調である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NB>
1. 事業概要
セグメント区分は自動車関連製品事業、舶用・その他の製品事業、その他(商品販売など)としている。また、主要製品は自動車エンジンの重要機能部品であるピストンリング、バルブシート、組立式焼結カムシャフトなどである。
セグメント別売上高については、自動車関連製品事業が売上高の大半を占めている※。また、製品別売上高構成比については、おおむねピストンリングが5割、バルブシートが2割を占めており、過去5期間で大きな変動はない。
※コロナ禍の影響により、特に2021年3月期上期の自動車生産台数が世界的に大きく落ち込んだため、同社の売上高についても同様に落ち込んでいる。
2. 特徴・強み
主要製品であるピストンリングやバルブシートは自動車エンジン性能に関わる重要機能部品であり、その耐熱性や耐摩耗性の向上によってエンジン燃費効率向上にも貢献している。
ピストンリングの主な役割には、エンジン燃焼室で燃焼ガスの漏れを封じるシール機能、潤滑油(エンジンオイル)のコントロール機能、燃焼熱を逃がす伝熱機能、ピストンの摩耗を抑えるサポート機能などがある。300℃という過酷な条件の燃焼室内で使用され、エンジン性能に直接関わる重要機能部品である。このため、高品質のピストンリングを供給できるメーカーは、世界でも同社を含む5社(米国1社、独1社、日本3社)に実質的に限定されている。技術動向としては、低フリクション化や耐摩耗性向上、高性能・高品質の材料と表面処理などが求められ、同社は会社設立以来約90年の歴史のなかで培ってきた高度な精密加工・表面処理・材料・粉末冶金技術などに強みを持っている。
バルブシートは、吸気弁(バルブ)及び排気弁の着座として使用され、燃焼室の気密性を保つ役割を果たしている。高温で叩かれても劣化しない耐久性や、燃焼ガスを確実にシールする高い気密性が求められるため、耐熱・耐摩耗性の高い材料として焼結合金が使用される。同社は焼結合金の粉末配合のノウハウを強みとして、日系自動車メーカー向けでは約4割とトップシェアを誇っている。
3. 主要取引先
同社は、トヨタ自動車<7203>をはじめとする世界の主要な自動車メーカーに幅広く製品を供給しており、売上高の10%を超える特定の自動車メーカーに依存していないことが特徴だ。また、欧米の大手自動車メーカーや中国のローカル自動車メーカーへの供給も増加基調である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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