レンジ上限だが、“戻り売り”は手控えたい…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/10/15 11:03

◆ 再び“上値追い”… - 113円後半


世界的な株高を背景にした“リスク選好→円売り”もありますが、昨日は野口日銀審議委員発言の影響が大きかったと見られます。

 『日本の金融緩和解除は当面選択肢にならない』

このため円は“連日の最弱通貨”となり、米10年債利回りが“さらに低下(→1.50%)”しても、ドル円は緩やかに値を戻していきました。
“113.205円”で下値を支えられた後は“年初来高値(13日:113.800円)”に向けて押し戻され、そして本日東京タイムに入って“更新(本稿執筆時の高値は113.926円)”する動きを見せています。

◆ “さらなる上値追い”への期待は高まる…?


こうして年初来高値を更新したことから、“さらなる上値追い”への期待も高まろうかといったところです。
しかしその更新時が“仲値絡み(ドル不足+5・10日)”だったことを踏まえれば、“一時的”との疑念も拭えないところがあるのも、事実です。
さらに相関関係は薄れてきたように見えるものの、「米10年債利回り低下」という逆風も吹いています。

オーダー状況を見ると、“113.20-00円のドル買い/113.00円割れにドル売り”と“113.80-114.00円にドル売り/114.00円超にドル買い”に挟まれている状況は続いています。
「一気に突破できれば…?」との期待が募るところもありますが、本日は「重要な米経済指標」も数多く予定されています。
引き続き「どちらに抜けるか…?」を鑑みつつ、目先は「当該レンジ内での揺れ動き」と想定するのが妥当なように感じるところです。
ただしレンジ上限には近づいているものの、昨日とは異なり“戻り売り”はちょっと…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:114.202(18/11/12高値)
上値4:114.144(18/11/13高値)
上値3:114.033(18/11/28高値、ピボット2ndレジスタンス、大台)
上値2:113.949(+2σ)
上値1:113.818(18/12/3高値、10/13高値《年初来高値》、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:113.679
下値1:113.566(10/14安値後の50%押し)
下値2:113.480(10/14安値後の61.8%押し)
下値3:113.351(ピボット1stサポート)
下値4:113.205(10/14安値)
下値5:112.996(10/12安値、大台、ピボット2ndサポート)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想