先週は、週末のメジャーSQに向けて買い戻しで上昇続く
先週の予測では、前週末に予想外の菅首相の総裁選出馬見送り表明を受け、新政権への期待から日経平均は上放れとなりました。チャートは日足、週足ともに目先の上値抵抗線を突破し、テクニカル的には強気転換となったことで、この意味は大きいとしました。
13週移動平均線、26週移動平均線を日経平均は一気に28700円をぬけたことで、目先の上値抵抗ラインを突破し、日経平均は3万円の大台が視野に入ったとしました。柴田罫線のチャート分析では、5月10日の29685円を上にぬければ3万円の大台への期待がもてるとしていました。
今回の上昇は、菅首相の総理大臣辞任をきっかけに、これまで今後のコロナ対策や経済対策への不透明感から先物を売っていた外国人投資家が買い戻しに入ったことで、先物の買い戻しという需給による上昇ということになりました。特に先週はメジャーSQを控えており、先物にショート(カラ売)が積み上がっていたことで、次々に踏み上げられて一気に3万円台にのせてきたということです。
9月6日(月)は、前週末の株価の上昇の流れがそのまま続き、29501円で寄り付くと株価指数先物買いを支えに上げ幅を拡大し、後場には一時△576円の29705円まで上昇して△531円の29659円で引けました。終値ベースで4月19日の29685円以来、約5ヶ月ぶりの高値となりました。トピックスも△25Pの2041Pと31年ぶりの高水準でした。
7日(火)は、この日は前日の米国市場は休場ながら好地合が続き、前場は一時△388円の30048円と3万円台を回復しました。その後は3万円を前に上値が重い展開となり、利益確定売りで上げ幅を縮小しました。しかし、その後の時間外取引で米株先物が高く、また中国株の上昇も支えとなって持ち直す場面もありましたが、戻りは限定的で△256円の29916円で引けました。
8日(水)は、前日のNYダウが▲269ドルの35100ドルと続落したことで、日経平均は朝方は▲129円の29787円まで下落するものの、売り一巡後は買い戻し中心に先物主導で一段高となり、△324円の30241円まで上昇し、終値は△265円の30181円と6ヶ月ぶりに3万円台を回復しました。
9日(木)は、前日の米国市場が3指標そろって続落したことで、▲222円の29959円で寄り付き、一時▲271円の29909円まで下げるものの、終値では下げ幅を縮小し、▲173円の30008円と心理的フシ目の3万円台を守って引けました。
10日(金)の日経平均は、先週はメジャーSQに向けて上昇が続くとみていましたが、その通りの動きとなりました。朝方は、9月SQ絡みの買い先行で始まり、先物買いに上げ幅を拡大し、時間外取引での米株先物、ハンセン株の上昇にサポートされ、上げ幅を拡大して△373円の30381円の高値引けとなりました。9月のSQ値は30085円で、これを大きく上回って引けています。単なるショートカバー(買い戻し)ではなく、個人投資家の売りを外国人が買うというパターンですので、外国人が出遅れ感の強い日本株を買ってきている状況です。
日本市場の引け後の米国市場は、上昇してスタートするものの、インフレ懸念の重しや、早期のテーパリングが懸念され、3指標そろって続落。NYダウは▲271ドルの34607ドルと5日続落となりました。シカゴの日経先物は▲225円の29935円となっています。
今週は、急騰後の利益確定売りを吸収しながら上値を試す可能性
先週は、上述したように日経平均は、4月以来の3万円台を回復し、終値でも3営業日続けて3万円台を維持しました。コロナ感染問題や日米の政局や中国経済に対する不透明感は残るものの、年末高に向けて上昇という見方が増えてきています。
日経平均に先立ちトピックスは高値更新が続いていますので、日経平均は2月16日のザラ場での年初来高値30714円を上にぬく方向にあると思われます。10日(金)の米国市場が続落して、シカゴの日経先物は3万円を割っており、一本調子にはいかないかもしれませんが、一方では、この急騰局面で生じたカラ売りも多く入っており、下値では買い戻しも入りやすく、下値は限定的と思われます。そろそろ調整してもおかしくありませんが、9月末(28日)は配当と株式分割があり、相場が動きだしたところで投資家の物色意欲は強く、調整しても小幅にとどまることになりそうです。半年に渡る調整から上昇に転じた日本株は、新政権やワクチンの接種進展を背景に、これまで手控えていた外国人投資家の日本株の見直しの動きが拡大することになります。2月の高値30714円を超えると31000円台を目指すことになりそうです。
本日13日(月)は、寄り付きは、前週末に大幅反発した反動や米国株安を受け、また利益確定売りも先行しことで、マイナスで始まるものの、その後いったん持ち直して上げに転じましたが買いは続かず再び軟化し、また株価指数先物売りも加わって下げ幅を広げ、一時30229円まで下落しましたが、売り一巡後は下げ渋り、後場終盤には再度プラス圏を回復し、△65円の30447円で引けました。
(指標)日経平均
先週の予測では、前週末の菅首相の辞任表明から新首相のコロナ対策や経済対策への期待で、日本株の先物を売っていた外国人投資家が買い戻しと新規の先物買いで急騰となりました。柴田罫線も5月10日の29685円を上にぬければ3万円台の期待が出てくるとしました。
結果的に、先週は週末にメジャーSQを控えており、先物にショート(カラ売)が積み上がったことで、買い戻しと先物の買いで一気に3万円台のせとなりました。9月8日(水)まで8日続伸となり、△265円の30181円と6ヶ月ぶりの高値水準となり、9日(木)は▲173円の30008円と9日ぶりに反落しましたが、週末は△373円の30381円と大幅反発で高値引けで引けました。
日経平均は、外国人投資家の買いによって回復していますが、ここまでの急騰で3万円台を回復しており、利益確定売りが出てもおかしくないところです。米国株式が一服しそうなところが気にかかるところですが、国内では感染拡大がやや減少し、ワクチン接種率の高まり、又、自民党総裁選による経済対策への期待もあるところから下値は限定的で売りを吸収しながら上昇していく方向にあるといえます。目先は今年の終値での最高値30467円を更新する動きとなります。
(指標)NYダウ
先週の予測では、デルタ変異株による消費への影響は想定以上となっており、一連の失業者緊急支援措置が失効するので、景気循環株は引き続き伸び悩み上値の重い展開となるとしました。
結局、休場明けの9月7日(火)から週末の10日(金)まで続落が続き、前週末からでは5日続落となって▲271ドルの34607ドルで引けました。インフレ懸念が重しとなっています。
今週もデルタ株の感染拡大が消費を圧迫し、景気回復や企業収益の伸びに影響を与えるとの懸念が相場の重しとなりどうです。又、今月末までに債権上限が引き上げられなければ、政府機関閉鎖のリスクに直面する。又。同時多発テロから20年を迎えることで国内の地政学的リスクも懸念されます。
(指標)ドル/円
●先週の動き…米インフレ懸念でドル下げ渋る
9月8日発表の7月求人件数は、過去最高を記録したことを受け、ドルは110.45円まで買われました。しかし、デルタ株の感染拡大で米国経済の減速が警戒されたことから、リスク選好的なドル買いは縮小し、9日には109.62円までドルは売られました。
●今週の見通し…ドルは底堅い動きか
市場参加者の間では、今年の米経済成長見通しを引き下げる動きが広がっており、経済の早期正常化への期待は弱まりつつあります。今月21~22日のFOMCに向けて、インフレ指標が高水準なら量的緩和策の早期縮小観測が広がり、リスク選好的なドル買いが強まりそうです。
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