本日は“動きづらい”と見るのが無難…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/08/02 10:34

◆ “巻き戻し”先行


「月末のポートフォリオ調整/週末のポジション調整」の影響から、先週末は“ドル買い戻し”が目立ちました。
さらにユーロ主導の“ドル売り”が止まった影響も大きく、ドルは“堅調推移”を見せました。
このため「米PCEコア・デフレータ(前年比+3.5%)」は事前予想を下回ったものの、影響は軽微に留まり、“109.678円”へ押し戻されて、ドル円は先週の取引を終えています。

◆ 米テーパリングのカギは「雇用」…!


『米テーパリングは急がない』理由について、FRB関係者は『労働市場の改善が不十分』との認識を示しています。
そうした状況下、今週末には「米雇用統計」が予定されています。
当然、それまでには「前哨戦」も数多く控えていますので、思惑にて“揺れ動く”との期待は否めないところです。
一方ではっきりするまでは“動きづらい”と見るのが自然ですので、どこまで動けるかは“微妙”ともいえます。

◆ テクニカル的には“押し目買い”が入りやすいとなるが…?


“100日移動平均線(本日は109.604円)”で下げ渋った格好となるだけに、テクニカル的には“押し目買い”が入りやすい…。
一方で“日足・一目均衡表先行スパンの雲(同109.295-110.125円)”内での推移となるだけに、超える/割るまでは“動きづらい(方向感定まらず)”となりやすい…。

前哨戦の一つ「ISM製造業景況指数」が予定されることから、本日は“揺れ動く”を期待したいところではあります。
しかし“(109円後半で)動きづらい”と見ておくのが、無難かもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:110.280(7/28高値)
上値4:110.125(日足・一目均衡表先行スパン上限、50日移動平均線、7/23~7/30の61.8%戻し)
上値3:110.053(20日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:109.955(7/29高値、7/23~7/30の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、大台)
上値1:109.824(7/30高値、7/23~7/30の38.2%戻し、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:109.678(-1σ、100日移動平均線、20週移動平均線、100月移動平均線、月足・一目均衡表先行スパン下限)
下値1:109.539(7/30安値後の61.8%押し)
下値2:109.419(ピボット1stサポート、7/30安値)
下値3:109.295(日足・一目均衡表先行スパン下限、7/20高値、-2σ)
下値4:109.161(ピボット2ndサポート)
下値5:109.036(5/27安値、7/19安値、50月移動平均線、大台)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想