想定以上に“下値が堅い”が露見する可能性…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/07/16 10:10

◆ 続落だが… - 109円後半


「米早期テーパリング観測後退」を背景に、“109円台”へ値を落としたドル円。
NYタイム序盤には“110.088円”へ値を戻す場面も見られましたが、長くは続きませんでした。
「米10年債利回り」は1週間ぶりとなる“1.30%割れ”へと低下し、そしてドル円は“109.714円”への続落を見せました。

一方で昨日発表された米経済指標は、“すこぶる好内容(NY連銀製造業景気指数の43.0は過去最高/新規失業保険申請件数の36.0万件はパンデミック以来最小)”が含まれました。
このため「米10年債利回り」が一時“1.35%”付近へ切り返す場面を見せるなど、まだ一方向に傾斜しているというわけではなさそうです。

◆ ズラッと並ぶドル買いオーダーをこなし切れるか…?


「米早期テーパリング観測後退」は、今日も“金利選好→ドル売り”を促しやすいと見られます。
しかし“日足・一目均衡表先行スパン上限(109.547円)”にかけては、ズラッとドル買いオーダーが並んでいると聞き及びます。
明確に割り込めれば“さらなる下値追い”の可能性は否めませんが、そうでなければ“ポジション調整(買い戻し)”が勝る…?

後は本日予定される「日銀金融政策決定会合」や「米小売売上高」の結果次第ということになりますが、想定以上に“下値が堅い”が露見する展開は十分可能と考えます。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:110.478(日足・一目均衡表基準線、7/14~7/15の76.4%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:110.321(7/14~7/15の61.8%戻し)
上値3:110.205(7/14~7/15の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:110.088(7/15高値、7/14~7/15の38.2%戻し、-1σ、ピボット1stレジスタンス)
上値1:109.911(50日移動平均線)
前営業日終値:109.830(7/8~7/14の76.4%押し、月足・一目均衡表先行スパン下限)
下値1:109.699(7/9安値、7/15安値、ピボット1stサポート)
下値2:109.532(7/8安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、-2σ、100月/20週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値3:109.402(100日移動平均線)
下値4:109.297(6/11安値、ピボットローブレークアウト)
下値5:109.193(6/7~9安値、日足・一目均衡表先行スパン下限)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想