「売り先行、とりあえず押し目買い局面だが・・・」~黒岩の眼(朝刊)

著者:黒岩泰
投稿:2021/07/14 08:51

本日は下方の窓埋めへ

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 昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 107.39 ドル安の 34888.79、ナスダック総合指数は 55.59 ポイント安の 14677.65 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28515 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。

 昨日の日経平均は窓を空けて上昇。強気相場が継続しているものの、ローソク足では上ひげが出現している。上値の重さを示唆しており、短期的には下振れしやすい。「窓・ひげ理論」の典型的な動きであり、本日は下方の窓埋めをすることになりそうだ。

 ただ、下方の窓下限(28595.12 円)に到達してしまえば、ちょっとした調整一巡感が出るのも事実。そのとき改めて上値を試しやすくなり、下げ渋る展開も予想される。

 もちろん下方に大きな窓が空いており、株価を引き寄せやすい状態に変化はない。もし、軸が下向き(中長期的な相場の方向性が下向き)であれば、これを素直に埋めることになるだろう。その場合、下方の窓下限をあっさり割り込み、チャートは弱気形状へと変化することになる。そのとき改めて投資家は「売りポジション」に転じなければならない。

 したがって、投資家は現時点では「買いポジション」を維持し、押し目買いに徹する場面だ。ただし、大引けベースで窓を空けてしまったり、窓下限(28595.12 円)を割り込むことになれば、さらに下方の大きな窓を埋めるシナリオが急浮上してくる。将来的に前回の安値(27419.40 円)を割り込むかもしれず、急落のリスクが出てくるのだ。投資家はそういったことも想定し、「本日の引け味」に注目する局面となる。

黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想