NYコラム(29日)ダウ平均はもみ合いスタートか⁈ー重要指標の発表を控えポジション調整が続く

著者:加藤裕一
投稿:2021/06/29 22:18

NY株式市場(29日)増配のモルガン・スタンレーが時間外取引で堅調ーS&Pケース・シラー住宅価格指数は市場予想を上回る

29日のニューヨーク株式市場でダウ平均はもみ合いスタートとなりそうだ。

ニューヨーク株式市場は、雇用統計など週後半に重要な経済指標の発表を控えて積極的な売買が見送られやすい相場環境が継続しよう。ダウ平均は、先週末に過去最高値に接近した反動から前日に続いてポジション調整が優勢となりそうなほか、ナスダック総合株価指数は前日に過去最高値を更新した反動から上値の重さが目立つ寄り付きを迎えそうだ。

取引開始前に発表された4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は、前年比で+14.88%と市場予想(+14.7%)を上回ったほか、取引時間中に発表される6月の米消費者信頼感指数(市場予想:119.0)も上振れすれば、インフレ懸念を想起させる局面があることも想定しておきたいタイミングだ。

個別銘柄では、大幅な増配を発表したモルガン・スタンレーの株価動向に注目が集まりそう。モルガン・スタンレーは、前日の夕方に四半期配当を2倍に引き上げると発表したことから、時間外取引で堅調に指数しており、ダウ平均を下支えしそうだ。ダウ平均は、朝方の軟調な局面で前日の日中安値(3万4186ドル)付近で踏みとどまれれば、相場の底固さも徐々に意識されやすい相場の地合いとなりそうな一日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想