パーソル総合研究所、はたらく人の幸せに関する調査結果を発表 テレワークは幸福度を高め、はたらく幸せをもたらす結果に

配信元:PR TIMES
投稿:2021/06/08 12:48
20代のみテレワークで幸福度が下がっており、注意が必要。本人や上司などの意識が重要

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渋谷和久)は、はたらく人の幸せに関する調査結果を発表いたします。本調査は2021年2月に実施したもので、2020年2月に実施した初回調査に続き、2回目となります。    なお、パーソル総合研究所は、はたらく人の心理状態を「幸せ」と「不幸せ」の2軸で捉え、「幸せ」や「不幸せ」をもたらす7つの要因を測定する新たな診断ツール「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」を開発し、誰でも無料で利用できるように公開しています(https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/activity/spe/well-being-survey/)。パーソル総合研究所では、こうした診断ツールの提供や調査で得られた定量的なデータの活用などにより、はたらく人一人ひとりの幸せな働き方に貢献していきたいと考えています。



調査結果概要

1. 幸せ・不幸せ実感の変化
 初回調査(2020年2月)と、今回の2回目の調査(2021年2月)を比較すると、はたらく幸せの実感はほぼ変わらないが、不幸せは減少していた。在宅勤務などのテレワークの実施をはじめ、コロナ禍における働き方の変化によって、従来受けていた不快なストレスが低減していることが推察される。

                 図表1.幸せ・不幸せ実感の変化



■調査方法
 以下における調査結果で使用している「はたらく幸せ/不幸せ実感」のポイント(pt)は、5つの設問(総合・頻度・周囲との比較・世間との比較・持続性)の平均得点である。


 以下における調査結果で使用している「はたらく幸せ/不幸せ因子」のポイント(pt)は、下記設問の平均得点である。


2. テレワーカーと出社者のはたらく幸せ・不幸せ
 はたらく幸せについて、テレワーカーと出社者を比較すると、はたらく幸せの実感や、はたらく幸せの要因となる因子のすべてにおいて、テレワーカーの方が良好な状態にあった。テレワーカーは幸福度の高い状態で勤務している傾向にあることが示唆される結果となった。

            図表2.はたらく幸せの状態(テレワーカー・出社者別)


 はたらく不幸せについて、テレワーカーと出社者を比較すると、全般的に大きな差はないものの、オーバーワーク因子については出社者よりもテレワーカーのポイントが高い(不良な状態にある)。

            図表3.はたらく不幸せの状態(テレワーカー・出社者別)


3. テレワークが与えるはたらく幸せへの影響
 偏回帰係数でテレワークが与えるはたらく幸せへの影響をみると、在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークははたらく幸せの実感を上昇させ、不幸せの実感を減少させる傾向にあった。

            図表4.テレワークが与えるはたらく幸せへの影響


4. 20代のはたらく幸せ・不幸せの実感
 20代のはたらく幸せ・不幸せの実感について、テレワーカーと出社者を比較すると、テレワーカーの方がはたらく幸せの実感は低く、不幸せの実感は高いことが確認された。20代のテレワーカーの心理的な状態には注意が必要である。

          図表5.年代別にみるはたらく幸せの実感(テレワーカー・出社者別)


       図表6.年代別にみるはたらく不幸せの実感(テレワーカー・出社者別)



5. テレワーカーにおける不幸せの二極化
 はたらく不幸せの要因となる因子について、テレワーカーと出社者を比較すると、「自己抑圧因子」「オーバーワーク因子」「協働不全因子」「疎外感因子」については、テレワーカーの方が不幸せ度合いが高い層と低い層に二極化する傾向がみられた。年代別にみると、20代は二極化の傾向が特に強い。全体的な傾向としてテレワーカーは幸福度が高く、不幸度が低い傾向にあるが、年代や仕事の習熟状態によっては不幸せを高めてしまうリスクがあり、注意が必要。

          図表7.不幸せ因子の高低群の割合(テレワーカー・出社者別)



 ※調査対象者を各項目得点により3等分し、得点の高い(不幸せ度の高い)順に、高群・中群・低群と定義。

       図表8.20代における不幸せ因子の高低群の割合(テレワーカー・出社者別)




分析コメント~20代のテレワーカーのはたらく不幸せの実感には注意。本人や上司、同僚の意識が重要~(主任研究員・井上亮太郎)



 全体的な傾向として、テレワーカーは出社者に比べてはたらく幸せ実感と7つの要因は総じて良好な状態であった。しかし、不幸せ実感と7つの要因に着目すると、自己抑圧因子、オーバーワーク因子、協働不全因子、および疎外感因子については状態が良好の方と不良の方で二極化する傾向が確認された。特に20代ではこの傾向が顕著であり、注意が必要である。

 20代のテレワーカーは、業務上の不安や悩ましさを感じたときには上司や先輩・同僚にできるだけ素直に自己開示し、知識・スキルの習得方法や仕事の進め方について助言をもらう、会議の前後に少しでも雑談に付き合ってもらう、など主体的に働きかけることをお勧めしたい。また、上司や同僚の方には、仕事の進捗確認だけでなく、メンバーが良好な状態で働けているかにも関心を向け、話に耳を傾ける対話機会を設けることも提案したい。

※本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所・慶應義塾大学」と明記してください。
※調査結果の詳細については下記をご覧ください。
URL:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/activity/data/well-being-telework.html


調査概要




■【株式会社パーソル総合研究所】<http://rc.persol-group.co.jp/>について
 パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

■【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について
 パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも積極的に取り組み、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX組織構築支援を行う「TECH PLAY」、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」などのサービスも展開しています。
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