カナダドル/円、もう一段の上値トライも

著者:津田隆光
投稿:2021/05/28 10:12

3年4カ月ぶりの高値を更新!

カナダドル/円・日足・複合チャート
カナダドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】BB・±2σラインの“エクスパンション”成否
【見通し1】“エクスパンション”示現なら、「93.966円」に向けた上値トライへの起点となりそう
【見通し2】“スクイーズ”継続なら、一旦「90.000円」付近までの下押しも想定

今月19日にローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインを割り込んだことで、「上昇トレンド一服」→「一旦ガス抜き/反省相場の時間帯」となっていたカナダドル/円。足もとでは、昨日27日の段階で、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(移動平均線)に近接した後、原油価格の上昇や円安フローの“追い風”もあり、同日中にBB・+1σラインを上抜け突破する動きとなっています。

上述したローソク足の動きとともに、1) 21日MAが右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、カナダドル/円・日足チャートでは、上昇トレンド再開を示すチャート形状であると判断します。

その他メルクマールでは、a) ローソク足がBB・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”になりつつあること、また、b) BB・±2σラインが21日MAに向かって収縮する“スクイーズとなっていることを合わせると、足もとにおけるカナダドル/円は、もう一段の上値トライに向けて力を溜め込む時間帯であると想定します。

目先の注目ポイントは・・・BB・±2σラインの拡張を示す“エクスパンション”の成否。

これからの時間にかけて、仮に両ラインの“エクスパンション”が示現した場合は、「相場の力の放出/拡散」→「上昇モメンタムの強まり」となりそうです。そのケースでは、月足チャートレベルでの高安レート(高値:106.490円[2014/12]、安値:73.704円[2020/3])を結んだFR(フィボナッチ・リトレースメント)・61.8%戻し水準を基準とする「93.966円」に向けた上値トライへの起点となりそうです。

一方で、両ラインの“スクイーズ”が継続した場合は、ローソク足のBB・+1σライン(≒90.550円)割れとなる“上昇バンドウォーク崩れ”を伴いつつ、一旦の下押しフローとなる可能性も。そのケースでは、再度21日MA(≒90.000円)付近までの下押しも想定すべきでしょう。ただし、現状では、ローソク足の下方に比較的分厚い青色雲が構えていることもあり、その下値は限定的となりそうです。よって、これからの時間にかけての下押しについては、積極的/攻撃的な押し目買いがワークしそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想