今週のポイント
RBNZ(NZ中銀)が14日、TCMB(トルコ中銀)が15日に政策会合を開きます。いずれも金融政策の現状維持を決定するとみられ、声明における金融政策に関する文言が焦点になりそうです。TCMBについては早期に利下げに転じるとの観測があり、声明がその観測を強める内容になれば、トルコリラは下押ししそうです。
15日、豪州の3月雇用統計が発表されます。RBA(豪中銀)は金融政策運営において雇用情勢を注視する姿勢を示しているため、豪経済指標の中で雇用統計は特に重要と考えられます。
市場では、RBAは22年終盤にも利上げを行うとの観測があります。雇用統計が良好な結果になれば、その観測は一段と強まるかもしれません。その場合、豪ドルが堅調に推移しそうです。本稿執筆時点で雇用統計の市場予想は失業率が5.7%、雇用者数は前月比3.50万人増です。
今週の注目通貨ペア①:<NZドル/円 予想レンジ:75.500円~78.000円>
RBNZ(NZ中銀)が14日に政策会合を開きます。その結果がNZドルの相場材料になりそうです。
会合では、政策金利(現在0.25%)と大規模資産買い入れプログラム(同1000億NZドル)のいずれも据え置かれそうです。
その通りの結果になれば、声明における金融政策に関する文言に注目です。2月の前回会合時の声明では、「CPI(消費者物価指数)上昇率が2%の目標中央値に維持され、また雇用が最大の持続可能水準に達するかそれを上回ると確信できるまで、現在の景気刺激的な金融状況を維持する」と表明。「これら(CPI上昇率と雇用の目標達成)の要件を満たすには、かなりの時間と忍耐が必要だ」と指摘し、「必要に応じて追加の金融刺激策を提供する用意がある」としました。
“かなりの時間と忍耐”という表現が変化するか否かが今回の焦点になりそうです。この表現に変化がなければ、RBNZは現在の金融緩和策を当面維持するとの観測が市場で強まるとみられ、NZドルは上値が重い展開になるかもしれません。NZドル/円は目先、75.524円(3/25安値)が下値メド、77.886円(4/5高値)が上値メドになりそうです。
今週の注目通貨ペア➁:<トルコリラ/円 予想レンジ:12.500円~14.100円>
15日、TCMB(トルコ中銀)の政策会合があります。今回は、3月20日に就任したカブジュオール新総裁のもとで行われる初めての会合です。
政策金利は現行の19.00%に据え置かれそうです。トルコの3月CPI(消費者物価指数)は前年比16.19%と、2019年7月以来の高水準でし。また、カブジュオール新総裁は3月30日、「インフレ率が高い状況では、引き締め的な金融政策を維持する必要がある」と語ったからです。
政策金利が据え置かれた場合、声明の内容に注目。とりわけ、3月の前回会合時に示された「インフレ率の持続的な低下や物価安定が強く示されるまで、金融引き締めスタンスを断固維持する」、「必要に応じて追加の金融引き締めを実施する」との方針に変化がみられるのかが焦点になりそうです。
市場では、TCMBが早期に利下げに転じるとの観測があります。声明でTCMBのタカ派的な姿勢の後退が示唆されれば、早期利下げ観測は一段と強まり、トルコリラに対して下押し圧力が加わるとみられます。トルコリラ/円は3月22日安値の12.975円を割り込むかもしれません。
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