豪ドル
豪ドルは今週(2/15- )、対円で2018年12月以来の高値を記録。対米ドルでは2018年3月以来の高値圏で推移しています。
豪ドルが堅調な背景として、米追加経済策やワクチン普及への期待、そして米国など主要国株価の上昇が挙げられます。市場ではリスクオンの流れが強まっており、投資家のリスク意識の変化を反映しやすい豪ドルの支援材料となっています。
主要国株価が一段と上昇するなどしてリスクオンの流れが継続すれば、豪ドルは引き続き上値を試す展開になりそうです。豪ドル/米ドルは0.78149米ドル(1/6高値)を上回り、豪ドル/円は83.830円(2018/12高値)に向かって上昇する可能性があります。
ただし、米国の長期金利(10年債利回り)の動向には注意が必要です。長期金利の上昇が経済に与える悪影響を市場が強く意識した場合、米国など主要国の株価は下押しするかもしれません。
NZドル
24日、RBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれます。その結果がNZドルの動向に影響を与える可能性があります。
政策金利(現行0.25%)と大規模資産購入プログラムの規模(同1000億NZドル)は、いずれも据え置かれそうです。その通りの結果になれば、声明や金融政策報告、オアRBNZ総裁の会見で金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されるかに注目です。
NZの経済指標はRBNZの昨年11月時点の見通しよりも強めであり、声明やオア総裁の会見では、NZ景気について楽観的な見方が示される可能性があります。
昨年7-9月期GDP成長率は前期比14.0%(RBNZの予測:13.4%)、10-12月期CPI(消費者物価指数)は前年比1.4%(同1.1%)、10-12月期失業率は4.9%(同5.6%)でした。
市場では、「RBNZは2022年にも利上げを開始する」との観測があります。オア総裁の会見などが利上げ観測を強める内容になれば、NZドルは堅調に推移しそうです。ただし、RBNZはNZドル高に対して懸念を示す可能性があり、その場合にはNZドルは伸び悩むかもしれません。
目先の上値メドとして、NZドル/米ドルは0.73099米ドル(1/6高値)、NZドル/円は78.810円(2018/12高値)が挙げられます。
カナダドル
カナダドルは今週(2/15- )、対米ドルで4週間ぶり、対円で昨年2月以来の高値をつけました。
足もとのカナダドル上昇の要因として、原油価格の上昇が挙げられます。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物の3月物は18日に一時1バレル=62.26ドルへと上昇し、期近物としては昨年1月以来の高値を記録。米追加経済対策やコロナのワクチン普及への期待、寒波の影響で米国の原油生産が減少するとの観測が、WTI原油先物を押し上げています。
WTI原油先物が一段と上昇すれば、カナダドルは堅調に推移しそうです。
23日、BOC(カナダ中銀)のマックレム総裁が講演します。それも材料になる可能性があります。
BOCは1月20日の会合時の声明で、カナダ経済について「今年第1四半期(1-3月期)は現時点でマイナス成長になると予想される」とする一方、「第2四半期(4-6月期)には力強く回復する」と指摘。景気の先行きについて楽観的な見方を示しました、
マックレム総裁が景気の先行きについてさらに楽観的な見方を示せば、カナダドルは底堅さを増すとみられます。
トルコリラ
TCMB(トルコ中銀)は18日、政策金利(1週間物レポ金利)を17.00%に据え置くことを決定。据え置きは1月に続いて2会合連続です。
声明では、「インフレの恒久的な低下や物価安定が強く示されるまで、長期にわたって金融政策の引き締めスタンスを断固維持する」と表明。また、「必要に応じて追加の金融引き締めを行う」としました。
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トルコの1月CPI(消費者物価指数)は前年比14.97%と、2019年8月以来の高い伸びを記録しました。ただ、これまでの利上げ(※1)の効果が今後も出てくるとみられることや、対米ドルでのトルコリラ上昇の影響、そしてベース効果(※2)もあり、CPI上昇率は今年後半には低下傾向になりそうです。TCMBはいずれ利下げに転じると考えられます。
※1:TCMBは昨年11月と12月に合計6.75%の利上げを実施
※2:比較対象である前年の水準が高い(低い)ために、CPI上昇率が低下(上昇)すること
市場では、TCMBの次の一手は「利下げ」との見方が有力。利下げ開始の時期については、早ければ今年7-9月期との観測があります。
ただ、今回の声明で金融政策の引き締めスタンスを断固維持し、また必要なら追加利上げを行うとの方針が示されたことで、早期の利下げ観測が高まることはなさそうです。トルコリラは引き続き堅調に推移する可能性があります。リラ/円の目先の上値メドとして、15.724円(2020/7高値)が挙げられます。
南アフリカランド
南アフリカランドは今週(2/15- )、対米ドルで昨年1月以来、対円で昨年2月以来の高値を記録。米追加経済対策への期待などでリスクオンが強まったことや、前週発表された鉱業生産や製造業生産の良好な結果が、ランドの支援材料となりました。リスクオンの流れが継続すれば、ランドは引き続き堅調に推移しそうです。
また、ムボウェニ南アフリカ財務相が24日に「2021/22年度の予算案」を発表します。予算案で財政再建に向けて具体的かつ実行可能な策が示されれば、ランドは一段と上昇する可能性があります。その場合、ランド/円は7.450円(2020/2高値)がメドになりそうです。
メキシコペソ
原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物の3月物は18日に一時1バレル=62.26ドルへと上昇。期近物としては、昨年1月以来の高値を記録しました。
原油価格の上昇はメキシコペソの支援材料となる一方、米テキサス州の天然ガスの出荷制限によってメキシコ経済が下押しされるとの懸念がペソの上値を抑えています。
テキサス州は17日、「21日まで天然ガスの州外への出荷を制限する」と発表。寒波の影響によってテキサス州では電力の供給がひっ迫しています。
それを受けて、GM(ゼネラル・モーターズ)やフォルクスワーゲンはメキシコ工場の操業を一時停止。出荷制限のメキシコ経済への影響を市場は懸念しています。
出荷制限が解除されれば、メキシコ経済に対する市場の懸念は後退するとみられます。メキシコペソ/円は5.287円(1/19高値)より上の水準で推移し始める可能性があります。
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