【IRアナリストレポート】カーブスホールディングス(7085)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/02/05 11:16

~女性専用からメンズやオンラインへ新たなサービスを展開~

【ポイント】
・新型コロナウイルスの影響は大幅に改善しつつある。会員数は戻る方向にある。2021年8月期の1Q(9~11月)は赤字幅が大幅に縮小した。コロナ第3波が来ているが、2Qは黒字が確保できよう。ビジネスとしての持続性には全く問題なく、コロナショックに対応した戦略遂行で、次の成長に備えようとしている。

・カーブスの店舗は、前3Q(3~5月)に休業に入る日数が増加した。月額課金の仕組みではあるが、休業期間の会費は返還した。FC店への休業補償も行った。これによって、この期間の収支は厳しいものとなったが、昨年6月からは順次営業が本格化し、休業補償も11月で終了している。今回の緊急事態宣言も、カーブスへの休業や時短要請はないので、何とか乗り切れよう。

・休会していた会員も戻りつつある。FC店には経営が継続できるように、8000人のトレーナー人材も保持できるように、しっかり目配りしてきた。FC店への経営支援金は、前3Qで10.3億円、前4Qで3.4億円に対して、この1Qで1.6億円にとどまった。今2021年8月期の業績は好転し、慎重な会社計画を上回ってくる公算もあろう。

・カーブスHDは、コシダカHDからスピンオフし、3月に東証1部に上場した。日本初のスピンオフ税制を使った。マネジメントは、経営を分けた方が互いの成長力を高められると判断した。新しく独立したカーブスは、増本社長のリーダーシップのもと、主力事業を軸に、オンラインカーブスやメンズ・カーブスで第2の成長を目指す。

・オンラインの「おうちでカーブス」は昨年9月からトライしており、会員は既に1万人を超えた。今春から本格化してこよう。10月に京都でメンズ・カーブス山科竹鼻がオープン、6店目である。女性向けの立地と連携しているので、立ち上げは順調である。

・カーブスは、日本の2000店を含めて、世界の約3600店をフランチャイジーとする。コロナショックの影響で、ビジネスモデルを見直している。一時的に減少した会員は既に回復に転じ、今後は増大しよう。パイはかなり大きくなるので、中長期的な成長は十分期待できよう。まずはコロナショック克服に注目したい。

目 次
1.特色 女性専用フィットネスがキャッシュカウ
2.強み 米国カーブス総本部の買収後、スピンオフで分離独立
3.中期経営方針 メンズ・カーブスへ多様化し、オンラインサービスも開始
4.当面の業績 コロナショックの克服は十分可能
5.企業評価 新たな会員の獲得に向けて

カーブスホールディングス <7085>
企業レーティング
株価
(2021年2月4日)
913円
時価総額 857億円
(93.85百万株)
PBR 11.7倍
ROE 8.3%
PER 140.5倍
配当利回り 0.3%
総資産 35716百万円
純資産 7309百万円
自己資本比率 20.5%
BPS 77.9円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2018.8 27937 5095 5293 3488 37.4 32.0
2019.8 28036 5436 5242 3706 39.5 31.8
2020.8 25082 1167 1165 764 8.7 5.0
2021.8(予) 23500 1000 940 610 6.5 3.0
2022.8(予) 27000 2500 2400 1550 16.5 8.0

(2020.11ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2020年2月末にコシダカHDよりスピンオフし、3月2日に上場。2019.8期以前のEPS、配当は修正ベース。2020.8期の配当は、上場記念配2.0円を含む。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/ka-busu202102.pdf

(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式1000株を中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則については(こちら)〕

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配信元: みんかぶ株式コラム

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