■会社概要
Orchestra Holdings<6533>は企業ビジョンに「創造の連鎖」を掲げている。企業のDX推進を支援するサービスを展開しており、デジタルマーケティング領域におけるマーケティング戦略の立案からMAやCRM等をワンストップで提供するクラウドインテグレーションを、成長ドライバーとしている。
同社は2009年6月に設立し、2016年9月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに新規上場した。2017年7月に持株会社体制に移行し商号を(株)デジタルアイデンティティから(株)Orchestra Holdingsに変更、2018年12月に東証1部に市場変更した。
2020年12月期第3四半期末時点の資本金は189百万円、自己資本比率は40.3%、発行済株式数は9,157,200株(自己株式97株含む)となっている。なお、グループは同社及び連結子会社11社で構成されている。
1. 事業概要
セグメント区分は、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業、デジタルマーケティング事業、その他(プラットフォーム事業、新規事業等)となっており、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業のクラウドインテグレーションを成長ドライバーとしている。
(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)事業
デジタルトランスフォーメーション(DX)事業は、大手企業等を対象として、クラウドインテグレーション、Webシステム開発、スマートフォンアプリ開発、IT人材サービス等を展開している。米国Salesforce.comのMA・CRM製品の導入支援・保守・運用等をワンストップで提供するクラウドインテグレーションを主力としている。
2018年2月にSalesforce.comのコンサルティングパートナーに認定された後、ワンストップサービス提供が可能な体制と導入支援実績が高く評価されて、2019年9月にはSilver Partner、2020年3月にはGold Partnerに認定されている。また2020年8月には子会社(株)Sharing Innovationsが、Salesforce.comの子会社でBI(Business Intelligence)分析プラットフォームのリーディングカンパニーである米国Tableau Software とパートナー契約を締結している。
(2)デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業は、インターネット広告に関するサービスとして、強みを持つ運用型広告サービスを主力に、SEO(Search Engine Optimization)コンサルティングサービス、クリエイティブサービスなど、企業のデジタルマーケティング施策に関するトータルソリューションを提供している。
2020年11月には、専門的な運用知識、運用実績、高品質な広告運用が評価され、子会社(株)デジタルアイデンティティが「Yahoo!マーケティングソリューションパートナー」において広告運用パートナーの特別認定パートナーに4期連続で認定された。
(3)その他
プラットフォーム事業は、2014年にサービスを開始した「チャットで話せる占いアプリ ウラーラ」(以下、「ウラーラ」)を主力として、占いを主要カテゴリーとするスマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営を展開している。このアプリは、時間課金制ではなく、1文字3円からの文字課金制としている。2020年6月には「ウラーラ」のチャット鑑定数が累計100万件を突破しており、月間チャット鑑定数は1.5万件以上、鑑定士(占い師)登録数は850名以上の規模に拡大している。
新規事業等は、成長性・収益性の高い新事業領域への展開に向けて、タレントマネジメントシステム(人材管理システム)「ESI」の開発・販売、M&Aマッチングプラットフォーム「Concerto」の開発・運営などに取り組んでいる。タレントマネジメントシステム「ESI」は(株)セブン&アイ・フードシステムズ、ベルク<9974>、ソフトバンク<9434>、横河ソリューションサービス(株)のほか、大手鉄鋼系システム会社、大手信託銀行、大手総合印刷会社、大手電機メーカー、大手銀行系システム会社などに導入実績を持ち、大手企業を中心に導入企業数が順調に増加している。
また企業ビジョンである「創造の連鎖」を実現すべく、投資事業を通じてベンチャービジネスをサポートしている。出資先のIPO例としては、2020年7月にBranding Engineer<7352>が東証マザーズ、2020年11月にジオコード<7357>が東証JASDAQ、2020年12月にかっこ<4166>が東証マザーズに新規上場した。
2. セグメント別売上高・営業利益の推移
セグメント別の売上高構成比及び営業利益構成比については、デジタルマーケティング事業が売上高構成比で67.0%、営業利益構成比で70.8%と過半を占めている。一方で、クラウドインテグレーションがけん引、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業が急成長していることにも注目したい。
3. 特徴・強み
同社の特徴・強みとしては、M&Aを積極活用してIT・DXやデジタルマーケティングといった成長分野にビジネス展開していること、成長ドライバーと位置付けるDX支援のクラウドインテグレーションを中心に、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業とデジタルマーケティング事業のシナジーを創出していることである。
M&Aの一例を挙げると、2020年5月に、Sharing Innovationsがオフショア開発体制強化に向けてMulodo Vietnam(ベトナム)を子会社化した。また、2020年10月にはAWS(アマゾンウェブサービス)認定アドバンスドコンサルティングパートナーである(株)スカイアーチネットワークスと合弁で、クラウド型コンタクトセンターを提供する子会社(株)クラウドアーチを設立した。
今後も、M&Aを積極活用して、クラウドインテグレーションを中心に、開発体制の強化、新たな柱となる事業の育成、事業間のシナジー創出を推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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Orchestra Holdings<6533>は企業ビジョンに「創造の連鎖」を掲げている。企業のDX推進を支援するサービスを展開しており、デジタルマーケティング領域におけるマーケティング戦略の立案からMAやCRM等をワンストップで提供するクラウドインテグレーションを、成長ドライバーとしている。
同社は2009年6月に設立し、2016年9月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに新規上場した。2017年7月に持株会社体制に移行し商号を(株)デジタルアイデンティティから(株)Orchestra Holdingsに変更、2018年12月に東証1部に市場変更した。
2020年12月期第3四半期末時点の資本金は189百万円、自己資本比率は40.3%、発行済株式数は9,157,200株(自己株式97株含む)となっている。なお、グループは同社及び連結子会社11社で構成されている。
1. 事業概要
セグメント区分は、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業、デジタルマーケティング事業、その他(プラットフォーム事業、新規事業等)となっており、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業のクラウドインテグレーションを成長ドライバーとしている。
(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)事業
デジタルトランスフォーメーション(DX)事業は、大手企業等を対象として、クラウドインテグレーション、Webシステム開発、スマートフォンアプリ開発、IT人材サービス等を展開している。米国Salesforce.com
2018年2月にSalesforce.comのコンサルティングパートナーに認定された後、ワンストップサービス提供が可能な体制と導入支援実績が高く評価されて、2019年9月にはSilver Partner、2020年3月にはGold Partnerに認定されている。また2020年8月には子会社(株)Sharing Innovationsが、Salesforce.comの子会社でBI(Business Intelligence)分析プラットフォームのリーディングカンパニーである米国Tableau Software とパートナー契約を締結している。
(2)デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業は、インターネット広告に関するサービスとして、強みを持つ運用型広告サービスを主力に、SEO(Search Engine Optimization)コンサルティングサービス、クリエイティブサービスなど、企業のデジタルマーケティング施策に関するトータルソリューションを提供している。
2020年11月には、専門的な運用知識、運用実績、高品質な広告運用が評価され、子会社(株)デジタルアイデンティティが「Yahoo!マーケティングソリューションパートナー」において広告運用パートナーの特別認定パートナーに4期連続で認定された。
(3)その他
プラットフォーム事業は、2014年にサービスを開始した「チャットで話せる占いアプリ ウラーラ」(以下、「ウラーラ」)を主力として、占いを主要カテゴリーとするスマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営を展開している。このアプリは、時間課金制ではなく、1文字3円からの文字課金制としている。2020年6月には「ウラーラ」のチャット鑑定数が累計100万件を突破しており、月間チャット鑑定数は1.5万件以上、鑑定士(占い師)登録数は850名以上の規模に拡大している。
新規事業等は、成長性・収益性の高い新事業領域への展開に向けて、タレントマネジメントシステム(人材管理システム)「ESI」の開発・販売、M&Aマッチングプラットフォーム「Concerto」の開発・運営などに取り組んでいる。タレントマネジメントシステム「ESI」は(株)セブン&アイ・フードシステムズ、ベルク<9974>、ソフトバンク<9434>、横河ソリューションサービス(株)のほか、大手鉄鋼系システム会社、大手信託銀行、大手総合印刷会社、大手電機メーカー、大手銀行系システム会社などに導入実績を持ち、大手企業を中心に導入企業数が順調に増加している。
また企業ビジョンである「創造の連鎖」を実現すべく、投資事業を通じてベンチャービジネスをサポートしている。出資先のIPO例としては、2020年7月にBranding Engineer<7352>が東証マザーズ、2020年11月にジオコード<7357>が東証JASDAQ、2020年12月にかっこ<4166>が東証マザーズに新規上場した。
2. セグメント別売上高・営業利益の推移
セグメント別の売上高構成比及び営業利益構成比については、デジタルマーケティング事業が売上高構成比で67.0%、営業利益構成比で70.8%と過半を占めている。一方で、クラウドインテグレーションがけん引、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業が急成長していることにも注目したい。
3. 特徴・強み
同社の特徴・強みとしては、M&Aを積極活用してIT・DXやデジタルマーケティングといった成長分野にビジネス展開していること、成長ドライバーと位置付けるDX支援のクラウドインテグレーションを中心に、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業とデジタルマーケティング事業のシナジーを創出していることである。
M&Aの一例を挙げると、2020年5月に、Sharing Innovationsがオフショア開発体制強化に向けてMulodo Vietnam(ベトナム)を子会社化した。また、2020年10月にはAWS(アマゾンウェブサービス)認定アドバンスドコンサルティングパートナーである(株)スカイアーチネットワークスと合弁で、クラウド型コンタクトセンターを提供する子会社(株)クラウドアーチを設立した。
今後も、M&Aを積極活用して、クラウドインテグレーションを中心に、開発体制の強化、新たな柱となる事業の育成、事業間のシナジー創出を推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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