~第31回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)横浜本大会~ シワ予防で新発見!最新の肌とタンパク質・アミノ酸研究から新スキンケアアプローチを発表!
味の素(株) 肌とアミノ酸研究 IFSCC学会発表
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、2020年10月21日~10月30日にオンライン開催された化粧品分野の世界最大の技術発表会「第31回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)横浜本大会」にて、肌のエイジングに関して(角層水分量、シワ面積率、メラニン量、粘弾性などの)肌状態と角層内成分の分析を総合的に行い、アミノ酸と肌状態が相関関係にあることを確認したことと、最新の肌とタンパク質・アミノ酸研究により、特に“「加齢に伴う浅いシワ・深いシワ」と「タンパク質・アミノ酸」との関係”に関する新たな研究成果について発表いたしました。 本成果を用いて、エイジングケアの代表格である“抗シワ”対策を可能とする化粧品開発への応用など、更なる探索を行っていく予定です。
【発表タイトル】
A novel Anti-Wrinkle skincare approach for woman in their 20s:
Comprehensive analysis of the conditions and proteins of the Skin surface.
【日本名】
20代からの新しい抗シワアプローチ
ー網羅的な肌データからスキンケアを考えるー
【発表者】
味の素株式会社 アミノサイエンス事業本部 バイオ・ファイン研究所
大倉 冬美恵

【研究コンセプト】
1. 研究のコンセプトと実験内容(図1に示す)
皮膚は、角層、表皮層、真皮層の層構造となっている。真皮層には血管系があり、表皮層では、真皮層からの栄養素を基に、表皮細胞が形や役割を変化させて、角層となり、最終的に垢となり排泄される。この過程で様々な物質が角層の中に蓄積されていく。また、乾燥や紫外線など環境からの影響も、代謝等を変化させ、角層内成分(アミノ酸、タンパク質など)を変化させる。すなわち、角層内の成分は、皮膚全体の状態を反映した結果と考えられる。角層内成分と肌状態を同時に測定し、その関連性を探り、肌状態にとって重要な角層内成分や働きを明らかにすることを試みた。
【図1】

【発表内容の概要、結果、今後の取組み】
1. IFSCC発表内容
1)シワやハリなどエイジングに関連する8種類の肌状態と角層内成分の総合的な分析・解析により、肌状態の変化と角層内のアミノ酸やタンパク質の変化との関連性を確認した。(図2に示す)
【図2】
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2)「浅いシワ(比較的若い頃に増えやすい)・深いシワ(40代から増え始める)」の生成する過程(図3に示す)とそれに関連する角層内成分について20代~50代の女性の肌を分析・解析した。
●「浅いシワ」と関連性が示唆されたタンパク質としては、コルネオデスモシン(細胞接着)、セルピンB12(酵素阻害)、グルタレドキシン-1(抗酸化)などが確認された。(図4に示す)これらのタンパク質は、L-リジン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-スレオニンといったL-アミノ酸と関連性が高いことを見出した。(図5に示す)
●「深いシワ」と関連性が示唆されたタンパク質としては、デスモコリン-1(細胞接着)、エピプラキン(細胞の内部強化)などが確認された。これらのタンパク質は、L-フェニルアラニン、L-メチオニンといったL-アミノ酸と関連性が高いことを見出した。
3)今後は、今回の研究で発見したアミノ酸による、(今回確認したタンパク質の増加と)シワ軽減に向けた新しい仮説をさらに検証し、総合的な肌改善をコンセプトにした化粧品やサプリメントの開発を目指し、健康で健やかな肌づくりへ貢献していく。
【図3】
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【図3の説明】加齢と浅いシワ・深いシワ
浅いシワ(目には見えない深さのシワを含む)の加齢に伴う増加を確認したところ、年配女性よりも若い女性で増えやすいことがわかった。一方、深いシワ(浅いシワが集まって深くなったシワ)は、年配女性で増えやすいことがわかった。このことから、若い女性にも多い浅いシワを改善することが、抗シワのキーポイントの1つであると考えた。
【図4】
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【図4の説明】浅いシワの形成
状態の良い肌では適度な接着タンパク質の分解が、正常なターンオーバーに繋がると考えられている。私たちの解析結果からは、浅いシワの始まりは角層のケラチン同士の接着の過度な壊れが原因の1つと推定された。コルネオデスモシンはケラチン同士を繋ぐタンパク質の1つであり、セルピンB12はその繋がりを壊す酵素(カリクレイン-5)を阻害する働きを持つ。すなわち、浅いシワが多い肌ではケラチン同士の繋がりが弱くなっていると推測した。皮膚を横(断面)からみると、弱くなった繋ぎ目が壊れ、それが徐々に広がり浅いシワになる、と推察された。
更に、深いシワもまた皮膚構造の弱さがその要因の1つである、と深いシワに関連するタンパク質の働きから推察した。
【図5】
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【図5の説明】アミノ酸とタンパク質
浅いシワに関連するタンパク質の1つ、コルネオデスモシンは、L-HisやL-Lysと相関が確認された。これらのアミノ酸はコルネオデスモシンを構成するアミノ酸であり、体内で合成されない必須アミノ酸である。特定された必須アミノ酸のタンパク質合成への十分な供給が、加齢、外的ストレスなどにより阻害されたことでその産生効率が低下した可能性が考えられた。従って、これらのアミノ酸を肌に与えることは、シワに関与すると推定されたタンパク質の産生促進、さらに、シワ改善効果につながる可能性が考えられる。今回発表したタンパク質はそれぞれ相関のあるアミノ酸を含んでおり、皮膚でのこれらのアミノ酸の増減が、タンパク質の産生に関与する可能性がある。
【IFSCC(学会)について】
国際化粧品技術者連盟(略称 IFSCC、The International The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists)は1959年に設立され約1万6千人の会員を持ち、各国・各地域の化粧品技術者会から結成される国際機関で、最新の研究成果を発表・討議する国際学術大会を開催しています。
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、2020年10月21日~10月30日にオンライン開催された化粧品分野の世界最大の技術発表会「第31回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)横浜本大会」にて、肌のエイジングに関して(角層水分量、シワ面積率、メラニン量、粘弾性などの)肌状態と角層内成分の分析を総合的に行い、アミノ酸と肌状態が相関関係にあることを確認したことと、最新の肌とタンパク質・アミノ酸研究により、特に“「加齢に伴う浅いシワ・深いシワ」と「タンパク質・アミノ酸」との関係”に関する新たな研究成果について発表いたしました。 本成果を用いて、エイジングケアの代表格である“抗シワ”対策を可能とする化粧品開発への応用など、更なる探索を行っていく予定です。
【発表タイトル】
A novel Anti-Wrinkle skincare approach for woman in their 20s:
Comprehensive analysis of the conditions and proteins of the Skin surface.
【日本名】
20代からの新しい抗シワアプローチ
ー網羅的な肌データからスキンケアを考えるー
【発表者】
味の素株式会社 アミノサイエンス事業本部 バイオ・ファイン研究所
大倉 冬美恵
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【研究コンセプト】
1. 研究のコンセプトと実験内容(図1に示す)
皮膚は、角層、表皮層、真皮層の層構造となっている。真皮層には血管系があり、表皮層では、真皮層からの栄養素を基に、表皮細胞が形や役割を変化させて、角層となり、最終的に垢となり排泄される。この過程で様々な物質が角層の中に蓄積されていく。また、乾燥や紫外線など環境からの影響も、代謝等を変化させ、角層内成分(アミノ酸、タンパク質など)を変化させる。すなわち、角層内の成分は、皮膚全体の状態を反映した結果と考えられる。角層内成分と肌状態を同時に測定し、その関連性を探り、肌状態にとって重要な角層内成分や働きを明らかにすることを試みた。
【図1】
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【発表内容の概要、結果、今後の取組み】
1. IFSCC発表内容
1)シワやハリなどエイジングに関連する8種類の肌状態と角層内成分の総合的な分析・解析により、肌状態の変化と角層内のアミノ酸やタンパク質の変化との関連性を確認した。(図2に示す)
【図2】
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2)「浅いシワ(比較的若い頃に増えやすい)・深いシワ(40代から増え始める)」の生成する過程(図3に示す)とそれに関連する角層内成分について20代~50代の女性の肌を分析・解析した。
●「浅いシワ」と関連性が示唆されたタンパク質としては、コルネオデスモシン(細胞接着)、セルピンB12(酵素阻害)、グルタレドキシン-1(抗酸化)などが確認された。(図4に示す)これらのタンパク質は、L-リジン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-スレオニンといったL-アミノ酸と関連性が高いことを見出した。(図5に示す)
●「深いシワ」と関連性が示唆されたタンパク質としては、デスモコリン-1(細胞接着)、エピプラキン(細胞の内部強化)などが確認された。これらのタンパク質は、L-フェニルアラニン、L-メチオニンといったL-アミノ酸と関連性が高いことを見出した。
3)今後は、今回の研究で発見したアミノ酸による、(今回確認したタンパク質の増加と)シワ軽減に向けた新しい仮説をさらに検証し、総合的な肌改善をコンセプトにした化粧品やサプリメントの開発を目指し、健康で健やかな肌づくりへ貢献していく。
【図3】
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【図3の説明】加齢と浅いシワ・深いシワ
浅いシワ(目には見えない深さのシワを含む)の加齢に伴う増加を確認したところ、年配女性よりも若い女性で増えやすいことがわかった。一方、深いシワ(浅いシワが集まって深くなったシワ)は、年配女性で増えやすいことがわかった。このことから、若い女性にも多い浅いシワを改善することが、抗シワのキーポイントの1つであると考えた。
【図4】
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【図4の説明】浅いシワの形成
状態の良い肌では適度な接着タンパク質の分解が、正常なターンオーバーに繋がると考えられている。私たちの解析結果からは、浅いシワの始まりは角層のケラチン同士の接着の過度な壊れが原因の1つと推定された。コルネオデスモシンはケラチン同士を繋ぐタンパク質の1つであり、セルピンB12はその繋がりを壊す酵素(カリクレイン-5)を阻害する働きを持つ。すなわち、浅いシワが多い肌ではケラチン同士の繋がりが弱くなっていると推測した。皮膚を横(断面)からみると、弱くなった繋ぎ目が壊れ、それが徐々に広がり浅いシワになる、と推察された。
更に、深いシワもまた皮膚構造の弱さがその要因の1つである、と深いシワに関連するタンパク質の働きから推察した。
【図5】
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【図5の説明】アミノ酸とタンパク質
浅いシワに関連するタンパク質の1つ、コルネオデスモシンは、L-HisやL-Lysと相関が確認された。これらのアミノ酸はコルネオデスモシンを構成するアミノ酸であり、体内で合成されない必須アミノ酸である。特定された必須アミノ酸のタンパク質合成への十分な供給が、加齢、外的ストレスなどにより阻害されたことでその産生効率が低下した可能性が考えられた。従って、これらのアミノ酸を肌に与えることは、シワに関与すると推定されたタンパク質の産生促進、さらに、シワ改善効果につながる可能性が考えられる。今回発表したタンパク質はそれぞれ相関のあるアミノ酸を含んでおり、皮膚でのこれらのアミノ酸の増減が、タンパク質の産生に関与する可能性がある。
【IFSCC(学会)について】
国際化粧品技術者連盟(略称 IFSCC、The International The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists)は1959年に設立され約1万6千人の会員を持ち、各国・各地域の化粧品技術者会から結成される国際機関で、最新の研究成果を発表・討議する国際学術大会を開催しています。
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