週末にメジャーSQを控えており上昇しても27000円水準でのもみあいとなる場合も

著者:出島 昇
投稿:2020/12/07 18:06

先週は、NYダウの高値警戒で、日経平均も27000円を前にもみあいへ

 先週の予測では、翌週にメジャーSQを控え、先週末は26644円で引けていることで、NYダウが堅調であれば、27000円を睨んだ展開が想定されるとしました。そのNYダウは、S&Pやナスダックが史上最高値更新しているにもかかわらず、ザラ場では3万ドル台に乗せるものの、終値では回復できず高値警戒感の強い展開となりました。これを受けて日経平均は、12月1日(火)から3日間は、小幅続伸して年初来高値を更新するものの、26800円水準での方向感のない動きに終始し、高値はザラ場で26889円、終値で26809円となって27000円に到達できませんでした。

 11月30日(月)の日経平均は、朝方は前週末の米株高を受けて、△185円の26830円と5日続伸で始まりました。しかし、後場になると利益確定売りが先行し、時間外の米株先物安に日経先物売りが加わり、為替も1ドル=103円台の後半の円高となったことで、一時▲238円の26405円と大幅下落となり、終値は26433円でした。出来高は24億8779万株、売買代金4兆7669億円と大きく膨らみました。これはMSCI日本指数の銘柄入替などの需給イベントによるものです。日足をみると26433円から26830円と大陰線となっており、高値水準での大陰線は調整前の徴候という場合があります。

 12月1日(火)は、前日の週明けての米国市場は、感染拡大が続く中で、トランプ大統領が中国の半導体企業のいくつかをブラックリストに加えると発言したことで、NYダウは一時▲446ドルとなり、終値では▲271ドルの29638ドルとなりましたが、日経平均は前日大きく下げていた反動で米株先物の上昇とワクチンの早期実現期待で△190円の26624円で寄り付きました。後場には米バイオ製造モデルナがワクチンの緊急使用許可申請をしたことで、一時△418円の26852円まで上昇し、終値は△353円の26787円と再び年初来高値を更新しました。

 2日(水)は、前日の米国市場では、ファイザーやモデルナのワクチン使用許可申請、追加経済対策の期待、イエレン前FRB議長の財務長官就任予定を受け、3指標そろって上昇し、S&Pとナスダックは史上最高値を更新したことで、日経平均は△97円の26884円で寄り付きました。しかし、その後は上下動を繰り返す方向感のない展開となり、終値は△13円の26800円と小幅続伸で引けました。

 3日(木)は、前日の米国市場は、S&Pは連日の最高値更新でしたが、NYダウは一時▲224ドルまで下げて△59ドルというように方向感に欠ける展開で、日経平均は▲60円の26740円で寄り付き、前日の終値をはさんだもみあいとなりました。後場には△67円の26868円まで上昇したあと下げに転じて方向感に欠ける展開となり、終値は△8円の26809円と小幅ながら終値では3日連続の年初来高値更新となりました。

 4日(金)は、前日の米国市場はマチマチだったものの、ファイザーがワクチンの今年の出荷量を当初計画の半分にするという報道で、NYダウが△227ドルから△85ドルまで上げ幅を縮小して引けたことで、日経平均は▲112円の26697円で寄り付き、▲163円の26646円まで下げました。しかし、売り一巡後は押し目買いで下げ渋り、終値は▲58円の26751円と4日ぶりの反落となりました。

12月4日(金)の米国市場は、3指標そろって最高値を更新し、高値引けで終りました。11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が5ヶ月連続の減速に加え、伸びが予想を大きく下回り、ドルが一時103.83円まで売られました。この発表を受け、追加経済対策への期待が高まり、ドルが買われ株価は最高値更新となりました。追加経済対策がかなり短い時間のうちに実施される可能性が高まっています。

週末にメジャーSQを控えており上昇しても27000円水準でのもみあいとなる場合も

 先週で日経平均は、5日連続の上昇となりました。先週末もアメリカ株式は、11月雇用統計の結果が予想を大きく下回ることになったことで、追加の経済対策の成立が早期に実演する可能性が高まり、3指標そろって最高値更新となり、CME日経先物も△80円の26860円で引けました。この流れからみると今週、早くにも27000円台乗せの確率は高まってきました。ただし、週末の11月(金)には、メジャーSQを控えて、指数(インデックスなど)に絡んだ売買に左右される展開となります。日経平均は、5日移動平均線がサポート(先週末は一時切りましたがすぐに回復)する強い上昇トレンドは変化は今のところありません。ただ、これまで26800円台では上値が抑えられていますので、ここを突破すると27000円台へとなりそうです。新型コロナウイルスワクチンのニュースが日米に影響を与えており、一喜一憂する流れは続きそうです。メジャーSQに向けてはロールオーバーの商いが中心となり、国内外の投資家が大きく上値を取りにいくような動きにはなりにくく、又、来週にはFOMC(15~16日)や、日銀金融政策決定会合もあることから手控えムードにもなりやすいといえます。

 本日7日(月)は、先週末のNYダウが△248ドルと上昇して終わっていたことで、日経平均は△143円と高寄りして始まりましたが、寄り付き天井からは急速に上げ幅を縮小し、また米株先物安や中国株も冴えない中、ジリジリと下げ幅を広げ、▲203円の26547円と高値から300円以上下げて引けました。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、日経平均は先々週末は終値で26644円と26500円を上回って引けているため、NYダウが堅調であれば27000円を睨んだ展開を想定しました。

 結果的に、S&Pやナスダックは最高値更新を続けているものの、NYダウは高値警戒感から、ザラ場では3万ドル台を回復するものの終値では3万ドル台乗せとはならない状況が続いていました。

 これを受けて日経平均も27000円を前にもみあいが続き、12月2日(水)にザラ場で26889円まで上昇するものの、終値では1日の26787円、2日の26800円、3日の26809円と小幅での3日連続の年初来高値となっています。そして週末は▲58円の26751円と4日ぶりの反落となりました。

 今週は、先週末の米国市場が3指標そろって最高値更新で引けているため、高くスタートしそうです。ただし、週末はメジャーSQとなるため、少し荒れた展開も考えられます。米国株式は11月雇用統計の予想を大きく下回る減速を受けて、早期の追加経済対策の成立の可能性が高まっており、米株式の上昇が続けば今週は27000円乗せの可能性もあります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、コロナ感染拡大や追加経済対策の遅れから消費関連の指数は冴えないが、コロナワクチン開発期待から年末商戦が活発化すれば一段高の期待ができるとしました。

 先週はファーザーやモデルナのワクチン使用許可の申請、追加経済対策が年内成立への期待などがあり、S&Pやナスダックは連日の高値更新となっていましたが、NYダウは高値警戒感から終値では3万ドル台を回復できない状況が続いていました。

 しかし、週末に11月雇用統計が予想を大きく下回ったことで、早期の追加経済対策の成立が現実的なものとなってきて、NYダウは△248ドルの30218ドルと3万ドル台に乗せて引けました。

 今週は、先週末の11月雇用統計の予想を大幅に下回る減少を受けて、早期に追加経済対策が成立する可能性が高まったことで、3指標そろって最高値更新となりました。このまま年末に向かって追加政策の成立が期待できれば、成立するまでの間は、株価は堅調な動きが続くことになりそうです。高値警戒感の中で成立すれば、目先は材料出尽くして大幅下落も想定されます。
 

 

(指標)ドル/円

 先週はコロナウイルス感染拡大を背景とした景気減速で株価が下落し、リスク回避のドル買いが見込まれるとしましたが、ワクチン開発進展を受けたリスク選好の円売りが優勢となり、ドル・円は103.83円から104.75円まで上昇しました。但し、週末の12月4日(金)は、11月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが大きく鈍化したことで、一時103.83円まで売られ、その後、早期の追加経済対策の期待からドルが買われ104.20円で引けました。

 今週は、ドル・円は、伸び悩む展開が想定されます。12月10日の欧州中央銀行(ECB)で追加緩和の発動が予想されており、米国でも12月15~16日のFOMCでの追加緩和観測によるドル売りが予想されています。又、世界的な感染拡大第3波を受けた、リスク回避の円買いでドルの上値は重いという予想です。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム