[資源・新興国通貨11/23~27の展望] トルコ中銀が4.75%の利上げ決定、リラへの影響は!?

著者:八代和也
投稿:2020/11/20 13:42

豪ドル

ロウRBA(豪中銀)総裁は16日、「豪州でマイナス金利を導入する可能性は非常に低い」と改めて表明。「マイナス金利の唯一のメリットは、豪ドルに対して下押し圧力をかけることだ」と述べ、「全ての主要中銀がマイナス金利を導入した場合にのみ、(RBAは)マイナス金利を検討するだろう」と語りました。

RBAは3日の会合で0.15%の利下げを行い、現在の政策金利は0.10%です。市場では、RBAは当面政策金利を据え置くとの見方が有力。ロウ総裁の発言はその見方を補強するものと言え、豪ドルにとってプラス材料と考えられます。

一方で、豪ドルは投資家のリスク意識の変化(リスクオン/リスクオフ)を反映しやすいという特徴があります。コロナのワクチン開発に進展がみられる一方、欧米を中心にコロナの感染が拡大しており、世界景気は今後下押す可能性があります。後者が市場でより強く意識される場合、豪ドルは上値が重くなりそうです。

NZドル

NZドルは今週(11/16- )、対米ドルや対円で比較的落ち着いた値動きになっています。RBNZ(NZ中銀)がマイナス金利を導入する可能性が低下したとみられることは、NZドルのサポート要因となり得ます。一方で市場の関心は、RBNZの金融政策からコロナのワクチン開発の動向や欧米でのコロナの感染状況へと移りつつあるようです。

来週(11/23- )は、NZの10月貿易収支が26日に発表されるものの、材料としては力不足でしょう。投資家のリスク意識の変化にNZドルは反応しやすい地合いになりそうです。NZドルにとってリスクオンはプラス材料、リスクオフはマイナス材料です。

カナダドル

最近のカナダドルは独自材料よりも、米WTI原油先物(原油価格の代表的な指標)や米国株の動向に影響を受けやすい地合いです。来週(11/16- )はカナダの主要経済指標の発表がないため、カナダドルがWTI原油先物などに反応しやすい状況は当面続きそうです。

市場では、コロナのワクチン開発進展への期待がある一方、欧米でのコロナの感染拡大を受けて世界景気の先行きへの懸念が高まりつつあります。こうした状況では、WTI原油先物や米国株は上昇しにくいかもしれません。その場合、カナダドルは対米ドルや対円で上値が重い展開になりそうです。

トルコリラ

TCMB(トルコ中銀)は19日、4.75%の利上げを決定。主要政策金利である1週間物レポ金利を10.25%から15.00%へと引き上げました。

TCMBはまた、「すべての資金供給を、1週間物レポ金利を通じて行う」と発表。TCMBはこれまでリラ安に対し、金融機関への資金供給の手段を1週間物レポ金利から、より金利水準の高い後期流動性貸出金利などへと変更することで対応。1週間物レポ金利の引き上げを見送りながら、金融機関の資金調達金利を押し上げることで事実上の金融引き締めを行ってきました。市場はこの方法を「裏口の利上げ」と呼び、TCMBの金融政策をわかりにくくしていました。

今回の決定は、TCMBに対する市場の信頼を回復する第1歩になりそうです。アーバル総裁が7日の就任後すぐに大幅な利上げに踏み切ったことで、市場は「今後必要になれば、TCMBは利上げする」と期待するとみられます。また、資金供給の手段が1週間物レポ金利に一本化されることにより、金融政策のわかりにくさも解消へと向かうでしょう。トルコリラは目先堅調に推移しそうです。

南アフリカランド

SARB(南アフリカ中銀)は19日、政策金利を3.50%に据え置くことを決定。据え置きは2会合連続です。会合では5人の政策メンバーのうち2人が0.25%の利下げを主張、据え置きの決定は3対2の賛成多数でした。据え置きは市場予想通りだったため、南アフリカランドに大きな反応はみられませんでした。

20日、格付け会社のS&Pとムーディーズが南アフリカの格付けを発表する予定。本稿執筆時点で結果は判明していないものの、両社の決定がランドの動向に影響を及ぼす可能性があります。

南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)は、現時点で以下の通り。
・S&P:BBマイナス。格付け見通し「安定的」
・ムーディーズ:Ba1:格付け見通し「ネガティブ(弱含み)」

市場では、S&Pは格付けを据え置いて見通しを「ネガティブ」へと下方修正する、ムーディーズは格付けを引き下げるとの見方があります。その通りの結果になれば、ランドは上値が重い展開になりそうです。S&Pが格下げした場合にはサプライズとなり、ランドに対して下押し圧力が加わるとみられます。

メキシコペソ

来週(11/23- )は、24日に11月前半のCPI(消費者物価指数)、26日に7-9月期GDP確定値が発表されます。それらの結果に注目です。

市場では、BOM(メキシコ中銀)の利下げは9月で終了したとの観測があります。CPIが10月前半の4.09%から上昇率が加速した場合、その観測は一段と高まるとみられます。BOMの政策金利は4.25%と、主要国の中銀と比べて高い状況。そのうえ、利下げ終了との観測が高まれば、メキシコペソにとってサポート要因になりそうです。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想
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