豪ドル
RBA(豪中銀)は6日、金融政策の現状維持を発表。政策金利と3年物豪国債の利回り目標をいずれも0.25%に据え置きました。その一方で、声明は「失業率の高止まりへの対応が優先事項だ」と強調。声明の最後に「経済の再開が進む中で、追加の金融緩和がどのように雇用を支えることができるかを引き続き検討している」との文言を追加しました。
声明を受けて市場では「RBAは11月3日の次回会合で利下げを行う」との観測が高まりました。ロウRBA総裁の講演が10月15日にあります。そこで11月の利下げが示唆された場合、豪ドルは下押す可能性があります。
一方で、「米国で追加経済対策の一部が実施される」との期待が市場にはあります。航空業界向け支援について米国の与野党が合意すれば、リスクオフが後退しそうです。豪ドルは投資家のリスク意識の変化(リスクオン/リスクオフ)を反映しやすいという特徴があるため、リスクオフの後退は豪ドルにとってプラス材料です。
NZドル
ホークスビーRBNZ(NZ中銀)総裁補は8日、「NZのインフレ率は今後3年間、目標を大幅に下回る可能性がある」と指摘。「RBNZはマイナス金利について積極的に検証している」と語りました。
RBNZは将来的にマイナス金利を導入する可能性をこれまで示しており、ホークスビー総裁補の発言に目新しさはありません。ただ、他の中銀とは異なり、RBNZはマイナス金利の導入に前向きな姿勢を示しています。そのことはNZドルにとってマイナス材料と考えられ、NZドルは独自材料で上昇しにくいとみられます。
一方で、豪ドルと同様にNZドルは投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。リスクオフが後退すれば、NZドルは下値がしっかりとした展開になりそうです。
カナダドル
カナダドルは今週(10/5- )、対米ドルで約2週間ぶり、対円で約3週間ぶりの高値を記録しました。足もとのカナダドル上昇の背景として、原油価格の上昇が挙げられます。米WTI原油先物(原油価格の代表的な指標)は8日、一時1バレル=41.33ドルへと上昇。9月18日以来、約3週間ぶりの高値をつけました。
WTI原油先物が一段と上昇すれば、カナダドルは上値を試す展開が想定されます。一方で、WTI原油先物のここ数日間の上昇の一因は、ハリケーンの影響によってメキシコ湾岸の石油施設が操業を停止したこと。石油施設の操業が再開されれば、WTI原油先物は反落する可能性があり、その場合にはカナダドルは軟調に推移しそうです。
トルコリラ
トルコリラは今週(10/5- )、対米ドルで過去最安値を更新。対円も最安値(9/28の13.213円)に接近しています。
足もとのリラ安の一因として、米国による対トルコ制裁への懸念が挙げられます。「トルコが来週(10/12- )、S400(ロシア製地対空ミサイルシステム)の試験運用の開始を計画している」との報道があり、その報道について米国務省当局者は「深く懸念している」と発言。米上院の与野党議員は7日、トルコに制裁を科すようトランプ大統領に要請しました。
トルコが実際にS400の試験運用を開始した場合、米国との関係が一段と悪化するとみられるとともに、米国の対トルコ制裁の可能性が高まります。
その他、外貨準備をめぐる懸念やマイナスの実質金利、アゼルバイジャンとアルメニアの軍事衝突(トルコが関与か)など、トルコリラにはマイナス材料が目立つ状況です。リラは一段と下落する可能性があり、要注意です。
アゼルバイジャンとアルメニアの軍事衝突については、停戦へ向けてロシアが仲介へと動くようです。ロシア大統領府は8日、「両国の外相を9日にモスクワに招待して協議する」と発表しました。アゼルバイジャンとアルメニアが停戦に合意した場合、リラに対する下押し圧力は弱まる可能性があります。
南アフリカランド
来週(10/12- )、南アフリカの経済指標が多く発表されます。主なものとして、8月製造業生産(12日)、8月鉱業生産(13日)、8月小売売上高(14日)が挙げられます。それらで南アフリカ景気の低迷が再確認されれば、ランドが軟調に推移する可能性があります。
一方で最近のランドは、南アフリカの経済情勢以上に投資家のリスク意識の変化の影響を受けやすい地合いです。米国の追加経済対策(一部?)が実施される可能性が高まるなどしてリスクオフが後退すれば、経済指標が弱い結果になったとしても、ランドはそれほど下がらないかもしれません。
メキシコペソ
BOM(メキシコ中銀)は9月の会合で0.25%の利下げを実施。政策金利を4.50%から4.25%へ引き下げました。
「BOMの利下げ局面は9月で休止になる可能性がある」との見方が市場にはあります。BOMの利下げ幅がこれまでの0.50%から縮小したことや、0.25%の利下げを行うとの決定が5人の政策メンバー全員一致で下されたためです。
メキシコの9月CPI(消費者物価指数)が10月8日に発表され、結果は前年比4.01%でした。上昇率は8月の4.05%から若干鈍化したものの、BOMのインフレ目標である3%(その上下1%が許容レンジ)を4カ月連続で上回りました。利下げ休止観測がメキシコペソを下支えしそうです。
一方でペソは、原油価格の影響を受けやすいという特徴があります。米WTI原油先物(原油価格の代表的な指標)が上昇すれば、ペソは上値を試す展開になりそうです。ただ、足もとのWTI原油先物上昇の一因には、ハリケーンの影響があります(*カナダドル参照)。
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