続報待ちは「レンジ推移+不安定な揺れ動き」…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2020/10/05 10:36

◆ 「米雇用統計」も霞んでしまい - 「トランプ・新型コロナ感染」一色


 『トランプ大統領が新型コロナ感染』

東京タイム終盤に流れた当該報道以降、マーケットテーマはこれ一色に傾斜しました。
東京タイムということもあって“円主導(円買い優勢)”で「リスク回避姿勢」が進行し、ドル円は“104.933円”へと押し下げられました。
しかし欧州タイム以降は“ドル主導(ドル買い優勢)”へと移行したことで、そこからさらに“売り込まれる”には至りませんでした。
注目の米雇用統計も“霞みがち(失業率は7.9%に低下も、それ以外は概ね弱め)”であり、大きな反応を示すことはありませんでした。

◆ “巻き戻し”は先行しているが…?


『トランプ大統領の症状は軽い』との報道をキッカケに、週明けの本日は“巻き戻し”が先行しています。
しかし米大統領の健康状態は“国家機密”となるだけに、「真偽のほどは不明」といわざるを得ず、それを裏付けるように「情報は錯綜」しています。
つまり「鵜呑みにはできない」「次なる続報待ち」になりやすいと見るのが、自然ということになります。

先週末高値水準には“50日移動平均線(本日は105.745円)”が通り、すぐ上には“日足・一目均衡表先行スパン下限(同105.819円)”が控えています。
突破出来れば“さらなる上値追い”への期待は膨らみますが、テクニカル的には“上値が重い”といわざるを得ません。
一方で急激に切り上げる“日足・一目均衡表転換線(104.900円→105.102円→105.313円)”は、“下値を支える”として機能する可能性が高まりつつあります。

オーダー状況も“105.70円超”には「分厚いドル売りオーダー」が並び、“105.30-00円”には「段階的にドル買いオーダー」が控えると聞き及びます。
「続報次第」ということになりますが、跳び出すまでは「当該レンジ内での揺れ動き」を想定し、しかし「不安定に揺れ動く」を基本に対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:106.000(大台、+1σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:105.812(9/15高値、9/30高値、日足・一目均衡表先行スパン下限)
上値3:105.729(10/1-2高値、50日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:105.522(週足・一目均衡表転換線)
上値1:105.446(20日移動平均線)
前営業日終値:105.353(日足・一目均衡表転換線)
下値1:105.272(日足・一目均衡表基準線、10/2安値後の50%押し)
下値2:105.186(10/2安値後の61.8%押し)
下値3:105.000(大台、-1σ)
下値4:104.933(10/2安値、9/21~9/30の50%押し水準、ピボット1stサポート)
下値5:104.825(9/23安値)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想