今週も23000円台を守れるかは米国株次第

著者:出島 昇
投稿:2020/09/28 18:16

先週は、4連休明けの3日間は、欧米株安にかかわらず23300円台を守る

 先週の予測は、日本が4連休中の21日(月)、22日(火)に欧米株安となったことで、4連休明けの日本市場は売り先行となり、米株、為替を睨みながらの展開になるものの、今週は9月末の配当取りを控え、先週の3営業日は下値は堅いとしました。ただし、NYダウは21日(月)に柴田罫線で売転換となっており、今後のNYダウの動きによっては23000円を切る場面も考えられるとしました。

 結果的には、連休明けの23日(水)は、▲205円の23154円まで下げるものの、日銀のETF買い観測もあり、下値は堅く終値は▲13円の23346」円、24日(木)は前日のNYダウの▲525ドルを受けて、日経平均は一時▲307円の23039円と23000円に接近するも、やはりETF買いにサポートされて、終値は▲258円の23087円となりました。週末は前日の米国市場がしっかりしていたことで△116円の23204円と23000円を守って引けました。

 より詳しく書くと4連休明けの23日(水)は、NYダウが21日(月)に▲509ドルの27147ドルとなって柴田罫線では売転換が出現したものの、22日(火)は、NYダウが△140ドルの27288ドルと反発したことで、▲114円の23245円で寄り付くと▲205円の23154円まで下げたあとは、下げ渋り売り一巡後は持ち直して、日銀のETF買い観測もあって後場には切り返し、▲13円の23346円と小幅反落で引けました。

 24日(木)は、前日の米国株式は主力ハイテク株が再び大きく売られ、NYダウは▲525ドルの26763ドルの下落となったことで▲131円で寄り付き、後場には▲307円の23039円まで下げましたが、23000円を守り、▲258円の23087円で取引を終えました。この日の日足は、25日移動平均線を陰線で切っており、柴田罫線でも売転換となっていますので、このまま23000円を守り続けることができるのか注目となります。

 25日(金)は、前日のアメリカ市場で3指標そろって小幅反発したことで、△129円の23217円で寄り付き、一時△185円の23272円まで上昇し、後場には△66円の23154円まで上げ幅を縮小するものの、その後は9月末配当や優待権利取りの買い、ETF買い期待もあり、持ち直して△116円の23204円で引けました。

 25日(金)の米国市場は、予想を下回る8月耐久財受注を嫌気し、下落スタートとなったが、ムニューシン財務長官とペロシ下院議長が追加経済対策を巡る交渉の再開が合意されたとの報道で、早期の成立期待が再燃し、又、主力ハイテク株も買われたことで、NYダウは△358ドルの27173ドルと大幅続伸(3指標そろって大幅続伸)となりました。為替も1ドル=105円半ばまでドルが買われ、シカゴの日経先物は△135円の23165円でした。

今週も23000円台を守れるかは米国株次第

 今週も上値の重い展開が想定されますが、29日(火)の9月末決算が終われば権利落ちで需給の下支えが1つなくなることになります。先週は、NYダウの急落にもかかわらず、日経平均が予想よりもしっかりしていたのは、9月末の権利取りの買いや機関投資家の配当分の再投資への期待、日銀のETF買いが下値を支えていたからです。

 当面は、NYダウの動きには注意する必要があります。日経平均は単独では動けず、基本的にNYダウに連動するからです。そのNYダウですが、柴田罫線のチャートをみてわかるように先週の21日(月)に27147ドルで売転換が出現しました。これを2016年2月11日の15503ドルの安値からみると上昇トレンド(A)を切っており、この中で今年のコロナ暴落の3月23日の18213ドルの安値からの上昇トレンド(B)も切っての売転換となっています。早い段階で28000ドルを回復し、9月16日の28364ドルを上回れば別ですが、そうでなければ調整が続くとみた方がよいでしょう。NYダウの調整が続くと日経平均はいつまでも23000円を守ることはできません。すでに日経平均は24日に柴田罫線で23087円で売転換が出現し、日足チャートでは25日移動平均線を下回ってきました。目先は22880円(先週末75日移動平均線22789円)を切ってくると、もう一段下がでてきます。

 コロナの新規感染者問題も、東京で一時減少してきた感染者数が再び増加傾向となっており、19日から4日間の連休中の人の動きが、今後、感染状況の悪化となってくるのか警戒するところです。米国では、追加の経済政策の期待が出てきましたが、それほどのインパクトは期待できず、11月に迫った大統領選挙に絡むイベントでトランプ有利、不利で米国相場は方向感のない展開となれば、日経平均も連動することになります。

 本日28日(月)は、先週末のNYダウが△307ドルと大きく上昇して終わっていたことや、9月末配当権利取りもあり、△187円の23391円と高寄りし、その後は、横もみしながら推移し、大引け間際に上げ幅を拡大して△307円の23511円と23500円台に乗せて引けました。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、日本の4連休のあとの3営業日は、主力ハイテク株の値動きや為替相場を睨んで様子見が想定され、23000円台での値固めが続くかどうか注目としました。

 4連休の21日(月)、22日(火)は、欧米株安となったことで、23000円を守れるかどうかとなりました。21日(月)のNYダウは▲509ドルの27147ドルとなったものの翌日は△140ドルの27288ドルと反発したことで、23日(水)の日経平均の下げは大きくなく、▲13円の23346円の小反落でした。しかし、24日(木)の米株式が大幅下落となったことで日経平均は23039円まで下げましたが、ETF買い観測に支えられ23000円を守り、週末は米国株式の反発で△116円の23204円で引けました。

 先週の柴田罫線は、9月24日の23087円で売転換が出現し、日足でも25日移動平均線を下回ったことで、目先一段下げとなってもおかしくないところでした。しかし、月末の9月29日に9月権利取りの買いや、ETF買いにサポートされて23000円台を守りました

 今週は、米国株式が上昇すれば23000円を守れる可能性はありますが、柴田罫線をみると今年の3月18日の16358円からの上昇トレンド(A)を切った上での9月24日の売転換ですので、14日の23582円をぬけない限り、調整の可能性を考えたほうがよいでしょう。目先の下値は22880円ですが、ここを終値で切ってくるともう一段下げとなります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予想では、NYダウの上値はますます重くなっており、9月10日の27447ドルを終値で切ってくると久しぶりに売転換となるので要注意としました。

 結果的には、日本が連休中の9月21日(月)に、イギリスの感染拡大によるロックダウン懸念からNYダウが急落し、27147ドルで売転換となり、24日には26537ドルまで下げました。その後、追加経済対策の交渉が再開する期待から、大幅反発となり週末の25日(金)のNYダウは△358ドルの27173ドルで引けました。NYダウが本格的に戻りを試すには28000ドルを回復する必要があります。

 先週のNYダウは、9月21日に売転換が出現し、24日には26537ドルまで下げて反発していますが、ここからの上昇は、基本的に戻り売りが継続することが予想されます。

 NYダウが高値を試すためには、まず28000ドルを回復し、ザラ場高値の28364ドルを終値で上にぬける必要があります。交渉の合意ができた追加経済政策のサプライズ的な内容になれば別ですが、戻りを突破するような勢いはないでしょう。大統領選を控えトランプ再選に向けての情勢でもみあうことになりそうです。

 柴田罫線の形からは、2016年2月11日の15503ドルからの上昇トレンド(A)と今年の3月23日の18213ドルからの上昇トレンド(B)の2つを切っており、調整が長引くことを暗示しています。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、対欧州通貨でのドル買いが活発化し、ドルは底堅い動きとなり、さらに米株式の先高感は消えていないのでドル買い材料となるとしました。

 結果的には、ドル売り圧力が強い状況となりました。日本市場が4連休の間にイギリスの感染拡大でロックダウンも想定され、欧州株式の大幅安をきっかけにNYダウは一時▲942ドルまで下げ、為替は一時104.00円までのドル安・円高となりました。その後は株価の上下動のあと落ち着いてくると為替も1ドル=105円台半ばまで戻してきました。

 今週は、ドル・円はもみあいながらもドル買いの地合いが強い。欧州におけるコロナ感染拡大で世界経済の失速懸念があり、リスク回避のドル選好が続いています。又、米追加経済政策を巡る交渉を再開することで合意ができ、米国の景気回復期待が高まれば、ドル買い優勢が続く。しかし、一方で経済指標の発表で景気の鈍化が示されればドル買いは縮小すると思われます。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム