■要約
E・Jホールディングス<2153>は、総合建設コンサルタントの大手である。子会社の(株)エイト日本技術開発を中核会社として、公共事業等における企画から計画策定、調査、施工管理や運営管理まですべての工程においてサービスを提供できることを強みとする。官公庁向けの受注構成比が8~9割を占め、海外ではアフリカや東南アジアで実績を持つ。地方創生プロジェクトの企画・運営などにも携わっている。2018年7月に東証第2部から第1部に市場変更した。
1. 2020年5月期の業績概要
2020年5月期の連結業績は、売上高で前期比16.1%増の30,394百万円、営業利益で同74.4%増の2,984百万円、経常利益で同87.4%増の3,203百万円と2ケタ増収増益となり、過去最高業績を大幅に更新した。国土強靭化施策や防災・減災対策を中心とした公共事業の拡大が背景にある。結果、建設コンサルタント業務の売上が好調に推移し、作業効率の向上によって売上原価率も改善したことが大幅増益につながった。また、受注高についても公共事業分野を中心に前期比16.8%増の35,492百万円となった。同社が重点事業分野と位置付ける5分野※の受注高は同24.6%増の18,271百万円、うち自然災害リスク軽減分野で同26.0%増の7,262百万円となった。なお、2020年5月期より重要性の観点から新たに持分法適用関連会社として(株)演算工房(出資比率30%強)を加えており、持分法による投資利益145百万円を営業外収益として計上している。演算工房の山岳トンネル掘削ガイダンスシステムがリニア中央新幹線のトンネル工事向けに伸長したようだ。
※重点的に取り組む分野として、環境・エネルギー、自然災害リスク軽減、都市・地域再生、インフラマネジメント、情報・通信の5分野を掲げている。
2. 2021年5月期の業績見通し
2021年5月期は売上高で前期比8.6%増の33,000百万円、営業利益で同0.5%増の3,000百万円、経常利益で同3.2%減の3,100百万円を見込む。前期末の受注残高が24,399百万円と豊富に抱えていることから、売上高については十分達成が可能と見られる。営業利益についても売上原価率を保守的に見ており、計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。また、前期に計上した持分法による投資利益も計画に織り込んでいない。なお、同社は2019年11月に(株)二神建築事務所(兵庫県)、(株)ダイミック(栃木県)の2社を子会社化した。両社を2021年5月期より連結対象に組み込む予定となっている。
3. 中期経営計画の進捗状況
2018年5月期からスタートした第4次中期経営計画は、2021年5月期が最終年度となる。経営数値目標として、連結売上高300億円以上、経常利益21億円以上、ROE8%以上の水準を掲げていたが、いずれも1年前倒しで達成した。成長戦略として掲げていた、国内建設コンサルタント領域やインフラマネジメント領域の拡大が公共投資拡大もあって順調に進んだためである。一方で、海外でのコンサルタント事業拡大については新型コロナウイルス感染症の影響でブレーキがかかった。しかし、2020年8月にタイに現地法人を設立する予定としており、今後、現地での受注獲得を積極推進していく方針となっている。また、シェア拡大戦略としてM&Aについても継続して検討していく予定だ。
4. 株主還元策
株主還元としては安定配当を基本に、業績動向や配当性向、株主資本配当率等を勘案して、配当を実施していく方針となっている。2021年5月期の1株当たり配当金は前期比3.0円増配の53.0円(配当性向18.0%)と4期連続増配を予定している。また、株主優待制度も導入している。毎年11月末の株主に対して保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している(100株以上1,000株未満の場合は1,000円分)。
■Key Points
・2020年5月期は売上拡大と原価低減が進み、会社計画を大きく上回る増収増益を達成
・2021年5月期業績も利益面では保守的な印象が強く、会社計画を上回る可能性が高い
・M&Aを活用しながら国内トップクラスのインフラソリューション・コンサルタントグループを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
E・Jホールディングス<2153>は、総合建設コンサルタントの大手である。子会社の(株)エイト日本技術開発を中核会社として、公共事業等における企画から計画策定、調査、施工管理や運営管理まですべての工程においてサービスを提供できることを強みとする。官公庁向けの受注構成比が8~9割を占め、海外ではアフリカや東南アジアで実績を持つ。地方創生プロジェクトの企画・運営などにも携わっている。2018年7月に東証第2部から第1部に市場変更した。
1. 2020年5月期の業績概要
2020年5月期の連結業績は、売上高で前期比16.1%増の30,394百万円、営業利益で同74.4%増の2,984百万円、経常利益で同87.4%増の3,203百万円と2ケタ増収増益となり、過去最高業績を大幅に更新した。国土強靭化施策や防災・減災対策を中心とした公共事業の拡大が背景にある。結果、建設コンサルタント業務の売上が好調に推移し、作業効率の向上によって売上原価率も改善したことが大幅増益につながった。また、受注高についても公共事業分野を中心に前期比16.8%増の35,492百万円となった。同社が重点事業分野と位置付ける5分野※の受注高は同24.6%増の18,271百万円、うち自然災害リスク軽減分野で同26.0%増の7,262百万円となった。なお、2020年5月期より重要性の観点から新たに持分法適用関連会社として(株)演算工房(出資比率30%強)を加えており、持分法による投資利益145百万円を営業外収益として計上している。演算工房の山岳トンネル掘削ガイダンスシステムがリニア中央新幹線のトンネル工事向けに伸長したようだ。
※重点的に取り組む分野として、環境・エネルギー、自然災害リスク軽減、都市・地域再生、インフラマネジメント、情報・通信の5分野を掲げている。
2. 2021年5月期の業績見通し
2021年5月期は売上高で前期比8.6%増の33,000百万円、営業利益で同0.5%増の3,000百万円、経常利益で同3.2%減の3,100百万円を見込む。前期末の受注残高が24,399百万円と豊富に抱えていることから、売上高については十分達成が可能と見られる。営業利益についても売上原価率を保守的に見ており、計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。また、前期に計上した持分法による投資利益も計画に織り込んでいない。なお、同社は2019年11月に(株)二神建築事務所(兵庫県)、(株)ダイミック(栃木県)の2社を子会社化した。両社を2021年5月期より連結対象に組み込む予定となっている。
3. 中期経営計画の進捗状況
2018年5月期からスタートした第4次中期経営計画は、2021年5月期が最終年度となる。経営数値目標として、連結売上高300億円以上、経常利益21億円以上、ROE8%以上の水準を掲げていたが、いずれも1年前倒しで達成した。成長戦略として掲げていた、国内建設コンサルタント領域やインフラマネジメント領域の拡大が公共投資拡大もあって順調に進んだためである。一方で、海外でのコンサルタント事業拡大については新型コロナウイルス感染症の影響でブレーキがかかった。しかし、2020年8月にタイに現地法人を設立する予定としており、今後、現地での受注獲得を積極推進していく方針となっている。また、シェア拡大戦略としてM&Aについても継続して検討していく予定だ。
4. 株主還元策
株主還元としては安定配当を基本に、業績動向や配当性向、株主資本配当率等を勘案して、配当を実施していく方針となっている。2021年5月期の1株当たり配当金は前期比3.0円増配の53.0円(配当性向18.0%)と4期連続増配を予定している。また、株主優待制度も導入している。毎年11月末の株主に対して保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している(100株以上1,000株未満の場合は1,000円分)。
■Key Points
・2020年5月期は売上拡大と原価低減が進み、会社計画を大きく上回る増収増益を達成
・2021年5月期業績も利益面では保守的な印象が強く、会社計画を上回る可能性が高い
・M&Aを活用しながら国内トップクラスのインフラソリューション・コンサルタントグループを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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