NYコラム(13日)ダウ平均は買い先行スタートへ–ファイザー/バイオンテックのワクチン候補がファストトラックに指定

著者:加藤裕一
投稿:2020/07/13 21:00

NY株式市場(13日)フロリダ州でコロナ感染者数が過去最多を記録–JPモルガンなど明日から決算発表が本格化へ

13日のニューヨーク株式市場でダウ平均は買い先行スタートとなりそうだ。

先週末のアメリカ株式市場は新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」の臨床試験で良好な成果が確認されたことから治療薬開発に対する期待感が相場を押し上げた。13日にはファイザーとドイツ・バイオンテックが共同開発する新型コロナウイルス感染症の2つのワクチン候補がFDA=アメリカ食品医薬品局からファスト・トラック指定を受領したことが分かっており、ワクチン開発の進展を買い手掛かりとした地合いの好転が週明けも続きそうだ。

13日のアジア株や日本時間の夕方から始まったヨーロッパ株も軒並み高となっており世界的な株価の上昇トレンドが途切れていない。ダウ平均は寄り付きで買いが先行する局面で200日移動平均線(2万6229ドル)に再び接近する場面が見られそうだ。

アメリカ半導体メーカーのアナログ・デバイセズによる同業のマキシム・インテグレーテッド買収協議が報じられている。実現すれば今年最大級規模の買収案件となり、アメリカ株式市場では週明け月曜日に大型買収が発表される、いわゆるマージャー・マンデーに発展すれば、IT・ハイテク株には追い風となる。

ただ、週末に発表されたアリゾナ州のコロナ感染者数は1万5000人を超えて過去最多を更新しており、相場の上値は押さえられそうだ。明日から本格化する主力企業の決算発表を前に様子見姿勢も根強いとみる。明日はJPモルガン・チェースやシティグループなどの大手銀行が決算発表を予定しており、業績動向に応じた個別選別物色が商いの中心となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想