【IRアナリストレポート】カーブスホールディングス(7085)

著者:鈴木 行生
投稿:2020/05/12 11:28

~初のスピンオフで分離独立、企業価値は一段と向上へ~

【ポイント】
・新型コロナウイルスの影響が直撃し、難しい経営の舵取りを余儀なくされているものの、増本社長は中長期の視点を重視して手を打っている。ビジネスとしての持続性には全く問題ないので、コロナショックに対応した戦略遂行で、次の成長に備えようとしている。

・カーブスの店舗は3月、4月、5月と、1ヶ月のうち休業に入る日数が増加している。月額課金の仕組みではあるが、休業期間の会費は返還する。FC店への休業補償も行っている。これによって、この期間の月次収支は厳しいものとなる。

・しかし、会員にはいずれ戻ってもらえるように、FC店には経営が継続できるように、8000人のトレーナー人材も保持できるようにしっかり目配りしている。カーブスは高収益で、FC店もしっかり収益を上げてきた。資金繰り面での心配もない。来2021年8月期の下期から業績は好転してこよう。

・カーブスHDは、コシダカHDからスピンオフし、3月2日に東証1部に上場した。日本初のスピンオフ税制を使った事業の独立である。分割前の株主に何ら不利益はない。2社に分割されても、カーブスの株を1:1で同数付与された。

・コシダカの腰髙社長は、経営を分けた方が互いの成長力を高められると判断した。新しく独立会社したカーブスは、これまでの成長を牽引してきた増本社長のリーダーシップのもと、主力事業を軸に、メンズ・カーブスや海外展開で第2の成長を目指す。

・昨年、メンズ・カーブスを見学した。長野県のメンズ・カーブスオギノ茅野店は2018年11月にオープンしたが、会員も400名を超え順調である。1店目が黒字化したので、2店目を昨年12月に大分市に出店した。メンズでビジネスの展開力は大きく高まろう。

・カーブスは、日本の2000店を含めて、世界の4000店をフランチャイジーとする。日本の会員は現在83.2万人であるが、130万人を超えて拡大しよう。フィットネスの新たなビジネスモデルを構築し、パイはかなり大きくなるので、中長期的に営業利益100億円を目指すことができよう。まずはコロナショックの克服に注目したい。

目 次
1.特色 女性専用フィットネスが圧倒的キャッシュカウに成長
2.強み 米国カーブス総本部の買収でブランドの確保し、周辺ビジネスへ展開
3.スピンオフ スピンオフして分離独立
4.中期経営方針 メンズ・カーブスへ多様化し、グローバル市場へ挑戦
5.当面の業績 コロナショックをいかに克服するか
6.企業評価 株主にとっての企業価値は一段と向上

カーブスホールディングス <7085>
企業レーティング
株価
(2020年5月11日)
613円
時価総額 575億円
(93.8百万株)
PBR 6.32倍
ROE 7.5%
PER 95.8倍
配当利回り 0.8%
総資産 32839百万円
純資産 7985百万円
自己資本比率 24.3%
BPS 97.0円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2018.8 27937 5095 5293 3488 37.4 32.0
2019.8 28036 5436 5242 3706 39.5 31.8
2020.8(予) 22000 1000 900 600 6.4 5.0
2021.8(予) 23000 2500 2400 1550 16.5 10.0

(2020.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2020年2月末にコシダカHDよりスピンオフし、3月2日に上場。2019.8期以前のEPS、配当は修正ベース。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/ka-busu202005.pdf
 
(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら
 

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配信元: みんかぶ株式コラム

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