医療・医薬品データのネットワーク化を構築
メディカル・データ・ビジョン(3902)は病院や製薬会社向けに医療・医薬品データのネットワーク化を進めている。患者が自分のカルテをスマホで気軽にみられるようにするものだ。データベース化した患者数は右肩上がりをたどり、3月末時点で3098万人と大台突破となっている。
【時流に乗った材料】
コロナ禍で注目されるオンライン診療に関する2つのリリースが注目される。
先ずは4月8日付で「ポケットカルテとオンライン診療の推進で連携強化」。
「ポケットカルテ」とは、独立行政法人国立病院機構京都医療センター医療情報部長の北岡有喜博士が考案・開発した個人向け健康情報管理サービスのことで、特定非営利活動法人日本サスティナブル・コミュニティ・センターが運営している。
受診歴のない患者をオンライン診療するのは医療者、患者ともに不安なので、両者が連携することで、医療者がエビデンスのある患者情報を入手する最適なツールを作ろうというもの。メディカル・データ・ビジョンが蓄積してきたデータベースが真価を発揮することになる。
次に4月13日付では、「【MDV調査】オンライン診療、2割弱の病院で実施へ」。
政府の規制緩和方針を受けて、同社の経営支援システムを活用している約900の病院に緊急アンケート調査を行ったもので、メディアでも取り上げられている。調査自体は中立的なものだが、「初診患者は情報が少ない」といった声を紹介しており、前述のサービスの有効性を補強する材料にもなっている。また、オンライン診療に関して、すぐさまアンケート調査ができる(900もの病院とネットワークを持つ)ことも大きくアピールした格好。
【テクニカル】
株価は、2018年4月最高値2,370円を天井に、基本的に右肩下がりトレンドを続けてきたが、今年3月23日安値418円で大底形成。先の4月8日付のリリース発行を受けて9日にストップ高。翌10日にはザラバ高値810円まで買われたが、その後は三角もち合いが続き、現在も700円台前半にとどまる。大底から先の高値まで93.7%高したとはいえ、高値からの下げ幅(1,952円)に対する戻り(392円)率は未だ20%に過ぎない。
業績は前12月期は計画線を上回っての着地。各利益とも倍増以上となっており、いずれも過去最高を記録している。今期も連続2ケタ増収・増益に加え、初の3円配当実施を打ち出しており、2月10日の決算発表時には初の自社株買いも発表。PERは49倍だが、成長性を踏まえれば割高観は乏しい。
【筆頭株主は富士フイルム】
また、「アビガン」で脚光を浴び、4月6日に最高値を付けた富士フイルムHDが19.4%保有する筆頭株主となっており、この先、富士フイルムとの連携強化などが思惑視されてくる可能性も。本格的な人気化の余地は十分と思われる。
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
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3902
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383.0
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