東邦鉛、今期最終を赤字拡大に下方修正、配当も無配転落

配信元:株探
投稿:2020/03/23 16:00
 東邦亜鉛 <5707> が3月23日大引け後(16:00)に業績・配当修正を発表。20年3月期の連結最終損益を従来予想の160億円の赤字→194億円の赤字(前期は25.5億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する見通しとなった。赤字額は前期末の純資産を35.0%毀損する規模となった。

 会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終損益も従来予想の92.9億円の赤字→126億円の赤字(前年同期は12.9億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する計算になる。

 業績悪化に伴い、従来50円を計画していた期末一括配当を見送り、31期ぶりに無配転落(前期は70円)とする方針とした。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
 (1)営業利益2020年1月下旬には亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)相場が2,300ドル超、鉛の相場が2,000ドル弱の水準にありましたが、その後は新型コロナウィルスの世界的な感染拡大と、これに伴う世界経済の混乱から、亜鉛・鉛相場はそれぞれ1,800ドル、1,600ドル付近まで急落いたしました。また、銀相場も2020年1月下旬には18ドル付近にありましたが、現在は12ドル台へと急落いたしました。これに伴い、今後も金属相場が引き続き足元水準で低迷するとの前提で期末の低価法評価損を見直した結果、低価法評価損が前回予想から41億円程度拡大し、製錬セグメントの業績が大きく下振れる見込みです。(2)経常利益及び当期純利益営業利益の減少に伴い減益となる見込みです。

 昨今の新型コロナウィルスの世界的な感染拡大に起因する世界経済の混乱から、市況が急速に悪化し業績予想の下方修正を余儀なくされました。これにより、利益剰余金が10億円を割り、株主資本が250億円近辺まで減少する見込みであります。今後は経営の安定確保のため自己資本の一定の確保が重要となります。市況に影響を受ける損益構造ゆえ、従来から業績に関わらず安定配当を株主還元方針として参りましたが、上述のような状況を鑑み、2019年度決算においては、誠に遺憾ながら、無配とさせていただきます。2020年2月10日の減配予想から短期間での更なる減配となりますが、新型コロナウィルスとこれに伴う世界経済の混乱及び非鉄市況のここまでの急速な下落を予見することは難しく、株主の皆様には申し訳ございませんが、ご理解を賜りたくお願い申し上げます。2020年度以降は、早期の業績回復に努めるとともに、財務状況の安定化をはかり、従来の安定配当方針への回帰を目指して参ります。
配信元: 株探

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