ドル/円、下値メドが見えにくい展開に
昨日のドル/円は終値ベースで約0.5%下落。NY市場では110円台を割り込み109.89円前後まで下落する場面もあった。新型コロナウイルスのパンデミック・リスクが高まり、世界的に株価が続落。米10年債利回りが一時1.30%台まで低下して過去最低水準を更新した事でドル売り・円買いが活発化した。新型ウイルスを巡っては、アジアから中東、欧州へと感染が拡大しており、米疾病対策センター(CDC)は「米国でもいずれ継続的な感染が起きる」と警告した。米国は新型ウイルスの影響を最も受けにくいとの評価でドルが買われてきただけに、足元ではその反動が出ている模様で、ドル/円は本日も下値リスクを意識した展開となりそうだ。新型ウイルス禍の収束時期はおろか感染拡大の深度も見通せない中、ドル/円の下値メドも見通しにくくなっている。昨日の下落を止めた20日移動平均線が本日は110.01円前後に位置しているが、下値支持としての信頼性はやや不透明だろう。109円台には、下値支持候補として、今月中旬に下値支持として機能していた109.50-60円前後や、日足一目均衡表の雲上限(109.42円前後)などがある。