米ドル/円、「逆ペナント型保ち合い」形成か

著者:津田隆光
投稿:2020/01/24 10:21

日足・複合チャート観測では、米ドル/円は下値しっかりか

米ドル/円・日足・複合チャート
【注目ポイント】「逆ペナント型保ち合い」
【見通し】「109.374円」割れなら、下降モメンタムが強まる可能性も
【下値メド】「107円台ミドル」付近までの下押しもあり得そう

今月半ばに、昨年5月以来となる110円台前半まで上昇した米ドル/円ですが、足もとではやや失速気味の相場展開となっています。

上図チャートでは、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、3) ローソク足が21日MAおよび先行1スパン付近にあること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方にあること、そして、5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(別図赤色点線丸印)ことから、米ドル/円・日足・複合チャートでは、上下圧力が拮抗するレンジ相場となっていることが視認できます。

24日時点では、上記3)で記載した通り、ローソク足が約1ヵ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(≒109.374円)付近で推移し、その下方には比較的分厚い青色の雲(=サポート帯、先行スパン)があることから、ある程度下値がしっかりとした相場展開となりそうです。

「逆ペナント型保ち合い」は下押しのサイン?

米ドル/円・日足チャート+トレンドライン
そんな中、米ドル/円・日足チャートを別のテクニカル視座で見てみると、もう一段の下押しを示唆するチャート形状となっている点には注意が必要でしょう。以下、「逆ペナント型保ち合い(もちあい)」のチャート形状につき、ご覧ください。

当該チャート形状は、「逆三角形型」や「ブロードニング・フォーメーション」といった呼び方もし、上値切り上げと下値切り下げが同時に進行することで、末広がりのメガホンのような形となっていることが特徴です。チャートのアナロジー(類比)分析上では、相場の天井(=マーケット・トップ)付近で形成されることが多いと言われています。

「逆ペナント型保ち合い」の傾向やパターンとともに、上述した日足・複合チャートを基に考察すると、これからの時間にかけて、ローソク足が21日MA(≒109.374円)を終値ベースで下抜けブレークした場合は、米ドル/円の下降モメンタムが強まる可能性も。

その場合は、「逆ペナント型保ち合い」の下値支持線をメドとする「107円台ミドル」(24日時点、別図黄色矢印)付近まで下押しする可能性について、事前に想定すべきでしょう。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想