■昭和産業<2004>の業績動向
1. 2020年3月期第2四半期業績
同社グループは、創立90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向けた1st Stage「中期経営計画17-19」も最終年度を迎え、5つの基本戦略「基盤事業の強化」「事業領域の拡大」「社会的課題解決への貢献」「プラットフォームの再構築」「ステークホルダーエンゲージメントの強化」の各種施策を推進している。
この結果、2020年3月期第2四半期(4月-9月)の業績は、売上高128,151百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益5,056百万円(同6.3%増)、経常利益5,905百万円(同6.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,503百万円(同17.0%増)と増収増益での着地だった。2020年3月期通期計画に対する第2四半期営業利益の進捗率は57.5%であり、順調な進捗となる。
2. 事業分野別業績
(1) 製粉事業
製粉事業の売上高は42,056百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は1,732百万円(同4.5%減)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が48.8%、営業利益が48.1%となる。マーケット分析力を生かした提案型営業の更なる強化を行っており、業務用小麦粉の販売数量については、日本麺用小麦粉を中心とした拡販により前年同期を上回っている。また、業務用プレミックス(加工用プレミックス)も順調である。一方で、販売価格については、輸入小麦の政府売渡価格が2019年4月に平均1.7%(税込価格)引き下げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施している。
(2) 油脂食品事業
油脂食品事業については、搾油環境が悪化するなか、売上高は39,587百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は2,007百万円(同7.0%減)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が49.5%、営業利益が59.0%となる。業務用では油脂と食材(ミックス・パスタ)のシナジー効果を生かした課題解決型の営業活動を強化し、業務用油脂の販売数量は前年同期を上回ったが、業務用食材の販売数量は若干下回っている。家庭用では、家庭用食用油の販売数量は汎用油の販売数量が伸長するとともに、注力しているオリーブオイルが大きく伸長した。家庭用プレミックスの販売数量についても、天ぷら粉類、ホットケーキ類、お好み焼粉類と全般的に伸長した。特にお好み焼粉類はTVCM投入効果等により大幅な伸長となった。家庭用向けは全売上高の約1割ではあるが、この分野への広告費投入については、少なからず業務用への訴求効果がみられている。
(3) 糖質事業
糖質事業の売上高は17,971百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は841百万円(同126.3%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が51.3%、営業利益が84.1%となる。コーンスターチの販売数量は、食品用途、工業用途ともに堅調だった。一方で、天候不順等により糖化品が飲料用途、加工でん粉は食品用途の販売が落ち込んだ。ただし、全体の販売数量としては前年同期を下回っているが、価格改定に努めたことで、売上高、営業利益ともに前年同期を上回っている。
(4) 飼料事業
飼料事業の売上高は25,867百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益は249百万円(同7.3%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が47.5%、営業利益が35.6%となる。鶏卵を中心とした畜産物の販売支援による生産者との取り組みと、高利益商材の販売強化を方針として、営業活動を展開した。配合飼料の販売数量は、前年同期を下回ったが、鶏卵の販売数量は、前年同期を上回っている。
(5) 倉庫事業
倉庫事業の売上高は1,484百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は381百万円(同1.1%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が53.0%、営業利益が54.4%となる。貨物獲得競争が激化するなか、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めたことによる。
(6) 不動産事業
不動産事業の売上高は1,033百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は612百万円(同8.6%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が51.7%、営業利益が55.6%となる。オフィス用賃貸ビル、商業用土地建物の賃料収入は、新規に獲得したテナント賃料収入により、前年同期を上回った。ビル管理費用の低減及び大規模修繕が一巡したことにより、賃貸事業原価は前年同期よりも改善している。
(7) その他
保険代理業、自動車等リース業、運輸業等を合わせたその他事業の売上高は150百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は38百万円(同71.1%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が75.0%、営業利益は超過(計画0百万円)となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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1. 2020年3月期第2四半期業績
同社グループは、創立90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向けた1st Stage「中期経営計画17-19」も最終年度を迎え、5つの基本戦略「基盤事業の強化」「事業領域の拡大」「社会的課題解決への貢献」「プラットフォームの再構築」「ステークホルダーエンゲージメントの強化」の各種施策を推進している。
この結果、2020年3月期第2四半期(4月-9月)の業績は、売上高128,151百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益5,056百万円(同6.3%増)、経常利益5,905百万円(同6.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,503百万円(同17.0%増)と増収増益での着地だった。2020年3月期通期計画に対する第2四半期営業利益の進捗率は57.5%であり、順調な進捗となる。
2. 事業分野別業績
(1) 製粉事業
製粉事業の売上高は42,056百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は1,732百万円(同4.5%減)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が48.8%、営業利益が48.1%となる。マーケット分析力を生かした提案型営業の更なる強化を行っており、業務用小麦粉の販売数量については、日本麺用小麦粉を中心とした拡販により前年同期を上回っている。また、業務用プレミックス(加工用プレミックス)も順調である。一方で、販売価格については、輸入小麦の政府売渡価格が2019年4月に平均1.7%(税込価格)引き下げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施している。
(2) 油脂食品事業
油脂食品事業については、搾油環境が悪化するなか、売上高は39,587百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は2,007百万円(同7.0%減)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が49.5%、営業利益が59.0%となる。業務用では油脂と食材(ミックス・パスタ)のシナジー効果を生かした課題解決型の営業活動を強化し、業務用油脂の販売数量は前年同期を上回ったが、業務用食材の販売数量は若干下回っている。家庭用では、家庭用食用油の販売数量は汎用油の販売数量が伸長するとともに、注力しているオリーブオイルが大きく伸長した。家庭用プレミックスの販売数量についても、天ぷら粉類、ホットケーキ類、お好み焼粉類と全般的に伸長した。特にお好み焼粉類はTVCM投入効果等により大幅な伸長となった。家庭用向けは全売上高の約1割ではあるが、この分野への広告費投入については、少なからず業務用への訴求効果がみられている。
(3) 糖質事業
糖質事業の売上高は17,971百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は841百万円(同126.3%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が51.3%、営業利益が84.1%となる。コーンスターチの販売数量は、食品用途、工業用途ともに堅調だった。一方で、天候不順等により糖化品が飲料用途、加工でん粉は食品用途の販売が落ち込んだ。ただし、全体の販売数量としては前年同期を下回っているが、価格改定に努めたことで、売上高、営業利益ともに前年同期を上回っている。
(4) 飼料事業
飼料事業の売上高は25,867百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益は249百万円(同7.3%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が47.5%、営業利益が35.6%となる。鶏卵を中心とした畜産物の販売支援による生産者との取り組みと、高利益商材の販売強化を方針として、営業活動を展開した。配合飼料の販売数量は、前年同期を下回ったが、鶏卵の販売数量は、前年同期を上回っている。
(5) 倉庫事業
倉庫事業の売上高は1,484百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は381百万円(同1.1%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が53.0%、営業利益が54.4%となる。貨物獲得競争が激化するなか、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めたことによる。
(6) 不動産事業
不動産事業の売上高は1,033百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は612百万円(同8.6%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が51.7%、営業利益が55.6%となる。オフィス用賃貸ビル、商業用土地建物の賃料収入は、新規に獲得したテナント賃料収入により、前年同期を上回った。ビル管理費用の低減及び大規模修繕が一巡したことにより、賃貸事業原価は前年同期よりも改善している。
(7) その他
保険代理業、自動車等リース業、運輸業等を合わせたその他事業の売上高は150百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は38百万円(同71.1%増)だった。通期計画に対する進捗率は、売上高が75.0%、営業利益は超過(計画0百万円)となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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