関心はFOMCから日銀へ
昨日のドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ決定後に一時109.28円前後まで上昇したが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見中に108.72円前後まで反落する「往って来い」の展開。FOMCは、声明から「景気拡大の維持に向けて『適切に行動』する」の文言を削除し、ひとまず利下げ打ち止めの姿勢を示した。パウエル議長も「現行の政策スタンスは適切であり続ける可能性が高い」として中立スタンスへの転換を示唆。一時上昇したドル/円が結局は声明発表前の値位置に収まった点からも、概ね市場の想定に沿った結果であったと言えるだろう。市場の関心は本日の日銀金融政策発表に移る事になりそうだ。マイナス金利の深堀りを予想するエコノミストも散見されるが、大勢は現状維持の予想で、日銀は追加緩和を温存するとの見方が多い。黒田日銀総裁も「必要な状況になれば『躊躇なく』追加緩和」の構えを示す公算が大きい。FOMCと同様に、市場の想定に沿った結果であれば、(瞬間的な反応はともかく)ドル/円相場への影響は限られそうだ。