■会社概要
2. IT系及び業務系資格
(1) 資格保有者数
エンジニアは、単なるIT系資格のみならず、金融、産業・流通、医療などの業務系資格を積極取得している。2019年3月末現在、IT系資格と業務系資格の保有者数は延べ1,521人(内訳はIT系資格保有者数:1,266人、業務系資格保有者数:255人)に達した。5年前に比べると、延べ資格所有者は42.1%伸び、1人当たりの平均資格保有数は同2.34から3.04へと増加した。
業務系資格取得の積極推進により、ランドコンピュータ<3924>のエンジニアが顧客と同じ視点からシステムソリューションサービスを提供できるため、結果として顧客満足度の向上、強固な信頼関係構築の原動力となっている。
(2) 新入社員研修
新入社員教育にも力を入れており、入社後3ヶ月を集合研修に充てている。内容は、最新の技術修得研修、マネジメント研修、ヒューマンスキル研修、管理職研修、セキュリティ研修、メンタルヘルス研修などで人財育成プログラムを充実させている。新人教育期間中に、OracleのデータベースとJavaプログラミングに関する2つのベンダ資格にチャレンジさせ、全員合格に導いている。7月以降は、先輩社員がトレーナーとなるOJTを施している。
採用に当たっては、文系/理系、学部卒/院卒を問わない。教育制度が充実しているため、「論理的思考能力」と「学ぶ意欲」「IT業界、SEへの熱意」を重視し、制度を積極的に利用して成長したいという向上心のある人を採用するようにしている。2019年の採用者数は、前年の23名から33名(第二新卒5名含む)に増員した。今後も第二新卒の採用も進める。
(3) 人財管理本部を新設
2019年4月に人財管理本部を新設し、人財開発統括部に「人財開発センター」と「パートナー推進室」を設置した。人財管理本部長兼人財開発統括部長兼人財開発センター長として、金融第一事業本部長であった執行役員をアサインしており、同社の人財開発にかける意気込みが表れている。従来型のスキルアップにとどまらず、アジャイル開発など今後ニーズが高まるであろう新しい技術の習得に組織的に取り組む。コアパートナーとなる協力会社には、新入社員の研修を合同で行っているだけでなく、リーダー研修の機会も提供している。同社との協業意識が高まり、一体感が醸成される。
3. 事業内容
2019年3月期のサービスライン別の売上構成比は、システムインテグレーション・サービス69.7%、インフラソリューション・サービス15.7%、パッケージベースSI・サービス14.6%であった。システムインテグレーション・サービスの売上高構成比の顧客業種別内訳は、金融向けが29.3%(銀行18.4%、保険・証券2.8%、クレジットカード8.1%)、産業・流通が30.1%で続き、公共が2.6%、医療が7.7%を占める。金融機関は、ITサービス業界にとって最大の顧客となる。富士通や日立製作所<6501>などがプライムコントラクターとなり、同社は協力会社の位置付けとなる。メガバンクのミッションクリティカルな基幹システムの開発に従事するには、それにふさわしい実績と開発要員及び開発体制が求められる。同社には、大手システムインテグレータから増員要請が相次いでいる。
顧客基盤では、富士通を筆頭に、日立製作所や(株)日立ソリューションズを中心とする日立グループ、NTTデータ<9613>を中心とするNTTグループ、日鉄ソリューションズ<2327>などメーカー系を中心とした大手システムインテグレータと長年にわたり良好な取引関係を維持している。加えて、直接取引をしている主要なユーザは三菱総研DCS(株)、三井住友トラスト・システム&サービス(株)、出光興産<5019>、(株)オプテージ、野村ホールディングス<8604>などとなっており、増加傾向にある。これらは、同社の技術力と金融、流通などの業務知識、品質面での実績が顧客から評価された結果と言える。
主要顧客は、大手システムインテグレータになる。特に、富士通グループとは設立直後の取引関係から親密で、富士通のコアパートナーとなっている。富士通の2018年度PQI(パートナー品質改善活動)のスキルレベル認定において、同社はファーストステップ(品質記録)、セカンドステップ(品質評価)及びサードステップ(品質計画)の全3ステップにてスキルレベル「ゴールド」認定を取得した。2019年3月期における主要顧客への売上依存度は、富士通グループ向けが41.9%であった。富士通との良好な関係を維持しながら、他のシステムインテグレータとの取引量拡大を図っており、日立グループへの依存度は10.7%と初めて10%を超えた。150社強のエンドユーザとも直接取引しており、そのウエイトは4分の1程度となっている。
(1) システムインテグレーション・サービス
主力のシステムインテグレーション・サービスは、金融業(銀行・保険・証券・クレジットカード)、産業・流通業、公共分野、医療分野等の幅広い分野において、顧客であるエンドユーザや国内メーカー、大手システムインテグレータからの受託開発を中心に行う。企画立案、システム構築、システム運用の工程をすべて手掛けており、トータルでサービスを提供できる体制を整えている。
銀行は、省力・省人化のためIT投資を進めているため、中長期的に高水準な需要が期待される。また、ネットバンクや流通系の金融子会社の案件も多い。同社が金融業界と並んでターゲットとする公共部門は、電子政府など行政部門における生産性改革や利便性の向上並びにセキュリティ強化などIT投資案件は多い。
(2) インフラソリューション・サービス
インフラソリューション・サービスは、顧客のITシステム基盤となるサーバ等ハードウェアの導入やネットワークの構築、データベース、アプリケーション基盤等のシステムインフラを構築するとともに、その後の運用や保守までの一連のサービスを提供するほか、システム基盤の有効活用の観点から、仮想化技術にも対応したサービスも提供する。
一般企業、大学等の教育機関、病院、官公庁など様々な顧客のそれぞれのITシステムインフラ環境を調査・分析した上で、顧客のニーズに適したインフラソリューション・サービスを提供する。ネットワーク構築等のインフラソリューション・サービスに加えて、システムインテグレーション・サービスを組み合わせたトータルサービスをエンドユーザや国内メーカー、大手システムインテグレータのニーズに応じて提供するワンストップ・ソリューションも展開する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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2. IT系及び業務系資格
(1) 資格保有者数
エンジニアは、単なるIT系資格のみならず、金融、産業・流通、医療などの業務系資格を積極取得している。2019年3月末現在、IT系資格と業務系資格の保有者数は延べ1,521人(内訳はIT系資格保有者数:1,266人、業務系資格保有者数:255人)に達した。5年前に比べると、延べ資格所有者は42.1%伸び、1人当たりの平均資格保有数は同2.34から3.04へと増加した。
業務系資格取得の積極推進により、ランドコンピュータ<3924>のエンジニアが顧客と同じ視点からシステムソリューションサービスを提供できるため、結果として顧客満足度の向上、強固な信頼関係構築の原動力となっている。
(2) 新入社員研修
新入社員教育にも力を入れており、入社後3ヶ月を集合研修に充てている。内容は、最新の技術修得研修、マネジメント研修、ヒューマンスキル研修、管理職研修、セキュリティ研修、メンタルヘルス研修などで人財育成プログラムを充実させている。新人教育期間中に、OracleのデータベースとJavaプログラミングに関する2つのベンダ資格にチャレンジさせ、全員合格に導いている。7月以降は、先輩社員がトレーナーとなるOJTを施している。
採用に当たっては、文系/理系、学部卒/院卒を問わない。教育制度が充実しているため、「論理的思考能力」と「学ぶ意欲」「IT業界、SEへの熱意」を重視し、制度を積極的に利用して成長したいという向上心のある人を採用するようにしている。2019年の採用者数は、前年の23名から33名(第二新卒5名含む)に増員した。今後も第二新卒の採用も進める。
(3) 人財管理本部を新設
2019年4月に人財管理本部を新設し、人財開発統括部に「人財開発センター」と「パートナー推進室」を設置した。人財管理本部長兼人財開発統括部長兼人財開発センター長として、金融第一事業本部長であった執行役員をアサインしており、同社の人財開発にかける意気込みが表れている。従来型のスキルアップにとどまらず、アジャイル開発など今後ニーズが高まるであろう新しい技術の習得に組織的に取り組む。コアパートナーとなる協力会社には、新入社員の研修を合同で行っているだけでなく、リーダー研修の機会も提供している。同社との協業意識が高まり、一体感が醸成される。
3. 事業内容
2019年3月期のサービスライン別の売上構成比は、システムインテグレーション・サービス69.7%、インフラソリューション・サービス15.7%、パッケージベースSI・サービス14.6%であった。システムインテグレーション・サービスの売上高構成比の顧客業種別内訳は、金融向けが29.3%(銀行18.4%、保険・証券2.8%、クレジットカード8.1%)、産業・流通が30.1%で続き、公共が2.6%、医療が7.7%を占める。金融機関は、ITサービス業界にとって最大の顧客となる。富士通や日立製作所<6501>などがプライムコントラクターとなり、同社は協力会社の位置付けとなる。メガバンクのミッションクリティカルな基幹システムの開発に従事するには、それにふさわしい実績と開発要員及び開発体制が求められる。同社には、大手システムインテグレータから増員要請が相次いでいる。
顧客基盤では、富士通を筆頭に、日立製作所や(株)日立ソリューションズを中心とする日立グループ、NTTデータ<9613>を中心とするNTTグループ、日鉄ソリューションズ<2327>などメーカー系を中心とした大手システムインテグレータと長年にわたり良好な取引関係を維持している。加えて、直接取引をしている主要なユーザは三菱総研DCS(株)、三井住友トラスト・システム&サービス(株)、出光興産<5019>、(株)オプテージ、野村ホールディングス<8604>などとなっており、増加傾向にある。これらは、同社の技術力と金融、流通などの業務知識、品質面での実績が顧客から評価された結果と言える。
主要顧客は、大手システムインテグレータになる。特に、富士通グループとは設立直後の取引関係から親密で、富士通のコアパートナーとなっている。富士通の2018年度PQI(パートナー品質改善活動)のスキルレベル認定において、同社はファーストステップ(品質記録)、セカンドステップ(品質評価)及びサードステップ(品質計画)の全3ステップにてスキルレベル「ゴールド」認定を取得した。2019年3月期における主要顧客への売上依存度は、富士通グループ向けが41.9%であった。富士通との良好な関係を維持しながら、他のシステムインテグレータとの取引量拡大を図っており、日立グループへの依存度は10.7%と初めて10%を超えた。150社強のエンドユーザとも直接取引しており、そのウエイトは4分の1程度となっている。
(1) システムインテグレーション・サービス
主力のシステムインテグレーション・サービスは、金融業(銀行・保険・証券・クレジットカード)、産業・流通業、公共分野、医療分野等の幅広い分野において、顧客であるエンドユーザや国内メーカー、大手システムインテグレータからの受託開発を中心に行う。企画立案、システム構築、システム運用の工程をすべて手掛けており、トータルでサービスを提供できる体制を整えている。
銀行は、省力・省人化のためIT投資を進めているため、中長期的に高水準な需要が期待される。また、ネットバンクや流通系の金融子会社の案件も多い。同社が金融業界と並んでターゲットとする公共部門は、電子政府など行政部門における生産性改革や利便性の向上並びにセキュリティ強化などIT投資案件は多い。
(2) インフラソリューション・サービス
インフラソリューション・サービスは、顧客のITシステム基盤となるサーバ等ハードウェアの導入やネットワークの構築、データベース、アプリケーション基盤等のシステムインフラを構築するとともに、その後の運用や保守までの一連のサービスを提供するほか、システム基盤の有効活用の観点から、仮想化技術にも対応したサービスも提供する。
一般企業、大学等の教育機関、病院、官公庁など様々な顧客のそれぞれのITシステムインフラ環境を調査・分析した上で、顧客のニーズに適したインフラソリューション・サービスを提供する。ネットワーク構築等のインフラソリューション・サービスに加えて、システムインテグレーション・サービスを組み合わせたトータルサービスをエンドユーザや国内メーカー、大手システムインテグレータのニーズに応じて提供するワンストップ・ソリューションも展開する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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