「期待感」はあるが、「にわか上値期待」も台頭中…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/07/09 10:33

◆反落も、切り返し、そして続伸…

※ご注意:予想期間は7月10日と表示されていますが、本日(7月9日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「過度な米金利先安観の後退」を背景に、昨日のアジア株は“全面安”の様相を見せました。
上海株は“3%強の急落”、日経平均も“200円超の大幅反落”を演じる中、マーケットイメージは“戻り売り”に傾斜した印象があります。

しかし現在の状況は、あくまで「過度な米金利先安観の後退」であり、決して「米金利先安観の後退」ではありません。
このため株価下落は“限定され”やすく、“リスク回避”に振れる事態も避けられています。
米10年国債利回りの低下にも“歯止め”がかかりやすく(昨日は2.00%⇒2.05%に持ち直し)、これに引っ張られる形でドル円は“108.278円”へと下落した後、NYタイムには“先週末高値(108.636)”を上回る“108.802円”へと続伸しています。

◆「109円台回復」もあり得る状況だが…?

「過度な部分を巻き戻す流れ」が続けば、“4/24~6/25の38.2%戻し(108.922円)”を経て、“50日移動平均線(108.975円)”とほぼ合致する「109円台回復」もあり得る状況ではあります。
しかし昨日も記したように、ここから先は「一筋縄ではいかない」と見るのが自然です。
特に昨日の“反落⇒切り返し⇒続伸”を見て、筆者が警戒する要因の一つ「にわか上値期待」も台頭しつつあるように見えます。

「期待感」はありますが、本日の基本は「イベントを控えた小動き(動きづらい)」と見られます。
「株価動向」を睨み、「リスク回避の度合い」を確認しながら、明日・明後日と行われる「今週のメインイベント(パウエル議会証言)」に備えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.435(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:109.141(月足・一目均衡表先行スパン下限、+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:109.000(大台、50日移動平均線し)
上値2:108.922(4/24~6/25の38.2%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:108.802(7/8高値)
前営業日終値:108.731(週足・一目均衡表転換線)
下値1:108.588(+1σ)
下値2:108.405(ピボット1stサポート)
下値3:108.278(7/8安値、7/3~7/8の38.2%押し)
下値4:108.167(7/3~7/8の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
下値5:108.027(6/25~7/8の38.2%押し、7/3~7/8の61.8%押し、20日移動平均線、大台、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:46 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想