「仕掛け的な動き」に警戒必要も、「悲観する必要はない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/07/03 10:30

◆米ではなく、英利下げ観測受けて、108円割れ…

※ご注意:予想期間は7月4日と表示されていますが、本日(7月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


次なる材料は「米利下げ観測の行方」と見ていましたが、昨日のマーケットを動かしたのは「英利下げ観測」でした。

 『景気減速に対し、若干の政策対応が必要』
 『市場が英利下げを予想しても、驚きではない』

カーニーBOE総裁のこの発言を、マーケットは「英早期利下げ示唆」と捉えました。
英10年国債利回りは“2016年10月来の0.71%台”へ急低下し、つれて米10年国債利回りも“2.00%割れ”へと最低下しました。
「豪利下げ(1.25%⇒1.00%)」「ECB次期総裁にラガルドIMF専務理事」との報道も「世界的に金融緩和」との見方を後押しした印象があり、たいして“ドル売り”は強まらなかったものの、ドル円は“108円割れ”へと押し戻されていきました。

◆窓は埋まり、さらなる下値余地も意識されるが…?

こうして「週初に空けた窓(下限は107.902円)」は埋まり、「戻りは一服」「さらなる下値余地」も意識されそうな展開へと回帰した格好といえます。
ただ明日(4日)には「米国市場休場(独立記念日)」が控えており、昨日からのドル円下落をけん引している米債券市場は「本日から短縮取引」となります。
流動性低下から「(利回りの)振れ幅は拡大しやすい」と見られる反面、「一方向への動きは限定的」「往って来いになりやすい」と見ることは可能です。

“6/28安値(107.560円)”を割り込むと「下に走りそう」なチャート形状なだけに、「仕掛け的な動き」には警戒が必要ですが、「悲観する必要はない」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:108.614(6/19高値)
上値4:108.531(7/1-2高値、+1σ)
上値3:108.349(日足・一目均衡表基準線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:108.238(7/1~7/2の61.8%戻し)
上値1:108.027(20日移動平均線、大台)
前営業日終値:107.911
下値1:107.764(7/2安値)
下値2:107.653(6/25~7/1の50%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:107.560(6/28安値、-1σ)
下値4:107.445(6/25~7/1の61.8%押し)
下値4:107.342(ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:49 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想