■業績動向
1. 2019年3月期通期の業績概要
三栄コーポレーション<8119>の2019年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比4.9%減の42,513百万円、営業利益が同55.3%減の752百万円、経常利益が同54.9%減の827百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同76.5%減の195百万円となり、減収減益となった。
売上高に関しては、欧米向けのOEM事業(家具・家庭用品)の販売が大幅に減少したことが減収の大きな要因となった。北米向けは、顧客である量販店がアマゾン(アマゾン・ドット・コム)に代表されるeコマース企業に市場を侵食されるなかで、同社の採算が取りにくくなり販売縮小を余儀なくされたものだ。米中貿易摩擦が顕在化する前のタイミングでの一時撤退であり、結果としてリスク回避ができた形だ。また欧州向け取引は、既存取引先の株主変更に伴う買付方針の変更や大型入札案件を失注したことによるものである。服飾雑貨事業及び家電事業の売上高は堅調に推移した。
利益面おいて大幅な減益となった理由は海外OEM事業減益、ブランド事業減益、管理基盤強化、の3点に分類できる。海外OEM事業に関しては、欧米向け家庭用品-OEM事業の売上が大幅に減少したことが減益に直結した。ブランド事業に関しては、1)ベネクシー(主にビルケンシュトック小売)減収と経費増による赤字決算、2)家具eコマース事業における物流費等コスト増、3)新規ブランドを中心に赤字幅拡大、などが減益要因となった。主力のビルケンシュトックに関しては、数年前から始まった北米発のブームが減退した影響が残る。また、グローバルの価格政策の中で日本市場では価格引き上げが行われたことによる減収、原価及び経費の増加が減益につながった。管理基盤強化に関しては、新基幹システム導入による経費の増加があった。
安全性の高い財務内容。前期末から大きな変化なし
2. 財務状況と経営指標
2019年3月末の総資産残高は前期末比488百万円減の25,231百万円と資産規模は微減となった。そのうち流動資産は同63百万円増の18,341百万円であり、商品及び製品664百万円増や現金及び預金142百万円増などが主な要因である。固定資産は同552百万円減の6,890百万円であり、投資有価証券657百万円減が主な要因である。
負債合計は前期末比480百万円増の12,763百万円となった。そのうち流動負債は1,583百万円増であり、短期借入金910百万円増などが主な要因である。純資産は前期末比968百万円減の12,468百万円となった。これは、その他有価証券評価差額金や利益剰余金の減少、自社株買いが影響したものだ。
経営指標では、流動比率157.4%(前期末181.5%)、自己資本比率48.9%(同51.8%)と安全性に懸念はない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<MH>
1. 2019年3月期通期の業績概要
三栄コーポレーション<8119>の2019年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比4.9%減の42,513百万円、営業利益が同55.3%減の752百万円、経常利益が同54.9%減の827百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同76.5%減の195百万円となり、減収減益となった。
売上高に関しては、欧米向けのOEM事業(家具・家庭用品)の販売が大幅に減少したことが減収の大きな要因となった。北米向けは、顧客である量販店がアマゾン(アマゾン・ドット・コム
利益面おいて大幅な減益となった理由は海外OEM事業減益、ブランド事業減益、管理基盤強化、の3点に分類できる。海外OEM事業に関しては、欧米向け家庭用品-OEM事業の売上が大幅に減少したことが減益に直結した。ブランド事業に関しては、1)ベネクシー(主にビルケンシュトック小売)減収と経費増による赤字決算、2)家具eコマース事業における物流費等コスト増、3)新規ブランドを中心に赤字幅拡大、などが減益要因となった。主力のビルケンシュトックに関しては、数年前から始まった北米発のブームが減退した影響が残る。また、グローバルの価格政策の中で日本市場では価格引き上げが行われたことによる減収、原価及び経費の増加が減益につながった。管理基盤強化に関しては、新基幹システム導入による経費の増加があった。
安全性の高い財務内容。前期末から大きな変化なし
2. 財務状況と経営指標
2019年3月末の総資産残高は前期末比488百万円減の25,231百万円と資産規模は微減となった。そのうち流動資産は同63百万円増の18,341百万円であり、商品及び製品664百万円増や現金及び預金142百万円増などが主な要因である。固定資産は同552百万円減の6,890百万円であり、投資有価証券657百万円減が主な要因である。
負債合計は前期末比480百万円増の12,763百万円となった。そのうち流動負債は1,583百万円増であり、短期借入金910百万円増などが主な要因である。純資産は前期末比968百万円減の12,468百万円となった。これは、その他有価証券評価差額金や利益剰余金の減少、自社株買いが影響したものだ。
経営指標では、流動比率157.4%(前期末181.5%)、自己資本比率48.9%(同51.8%)と安全性に懸念はない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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