■業績動向
1. 2019年3月期連結決算
2019年5月9日に発表したハマキョウレックス<9037>の2019年3月期連結決算は、営業収益で前期比12.0%増の115,919百万円、営業利益で同9.8%増の9,913百万円、経常利益で同8.9%増の10,362百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.9%増の5,905百万円と増収増益となり、いずれも創業来最高を更新している。
増収の背景にあるのは、物流センター事業で新規のセンターが増加するとともに、子会社数が前年に続いて増えるなどスケールメリットを享受したほか、貨物自動車運送事業において、同社の営業収益の約3分の1を占める近物レックスの運賃値上げが浸透していることが大きい。
物流センターは2018年3月期末時点で103センターだったものが2019年3月期末時点で115センターまで増加。新規受注は14件で、このうち13件が新たに稼動し、残りの1件も2019年4月以降に稼動する予定という。解約も発生しながらも、新規案件の増加で十分カバーしており、収益を押し上げている。
一方、貨物自動車運送事業に関しては、一昨年10月から着手した近物レックスの運賃単価の是正が浸透し、その効果が利益アップにつながった。半面、燃料費の上昇やドライバー不足に伴う外注費の増加といったコストアップ要因があるものの、これらは価格是正効果で十分吸収している。ちなみに、軽油価格については、リッター1円の上下で年間36百万円の利益変動要因となるという。
財務面では、有利子負債が前年の24,086百万円から22,285百万円に圧縮。3期連続の減少となっている。そのほとんどが、近物レックスに関るものだが、近物レックスの利益は借入れ返済に充当する考えで、当面、有利子負債は減らす方向にあるという。2019年3月期末時点の自己資本比率は47.4%と前年の45.8%から改善した。
2. 2020年3月期業績予想
2020年3月通期連結の業績予想は、営業収益で121,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益で10,500百万円(同5.9%増)、経常利益で10,800百万円(同4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で6,200百万円(同5.0%増)と連続で増収増益決算となる見込みである。
セグメント別に見ると、物流センター事業は、営業収益が前年より4,549百万円増加し66,000百万円、貨物自動車運送事業は同じく531百万円増加し55,000百万円とそれぞれ伸長する見通しだ。営業利益は、物流が7,000百万円(前期比6.4%増)、貨物が3,500百万円(同5.2%増)を想定している。
物流センター事業は、年間で15件以上の新規顧客獲得を想定しており、引き続きスケールメリットで増益を確保する。
一方、貨物自動車運送事業は、運賃単価是正効果が今期も寄与しそうだ。引き続き外注費のアップが懸念されるものの、それらは十分カバーできる見込み。さらに、物流量そのものも増加が期待できるものの、駆け込み需要とその反動による消費増税の影響がどこまであるか見極めたいと言う。
値上げ分の一部をドライバーの給与改定の原資に充て、業界で問題になっているドライバー不足に対処するとしている。
設備投資額については、前期の4,714百万円に対して9,000百万円と大幅に増額させる。主として物流センター関連で6,000百万円、トラックの更新費用などに3,000百万円を充当すると言う。金額がかさばるものの、2016年3月期には15,631百万円投じた経緯もあるだけに、突出したイメージはない。また、期末の現預金が14,800百万円とキャッシュリッチな企業であるだけに、余裕さえ感じられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<MH>
1. 2019年3月期連結決算
2019年5月9日に発表したハマキョウレックス<9037>の2019年3月期連結決算は、営業収益で前期比12.0%増の115,919百万円、営業利益で同9.8%増の9,913百万円、経常利益で同8.9%増の10,362百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.9%増の5,905百万円と増収増益となり、いずれも創業来最高を更新している。
増収の背景にあるのは、物流センター事業で新規のセンターが増加するとともに、子会社数が前年に続いて増えるなどスケールメリットを享受したほか、貨物自動車運送事業において、同社の営業収益の約3分の1を占める近物レックスの運賃値上げが浸透していることが大きい。
物流センターは2018年3月期末時点で103センターだったものが2019年3月期末時点で115センターまで増加。新規受注は14件で、このうち13件が新たに稼動し、残りの1件も2019年4月以降に稼動する予定という。解約も発生しながらも、新規案件の増加で十分カバーしており、収益を押し上げている。
一方、貨物自動車運送事業に関しては、一昨年10月から着手した近物レックスの運賃単価の是正が浸透し、その効果が利益アップにつながった。半面、燃料費の上昇やドライバー不足に伴う外注費の増加といったコストアップ要因があるものの、これらは価格是正効果で十分吸収している。ちなみに、軽油価格については、リッター1円の上下で年間36百万円の利益変動要因となるという。
財務面では、有利子負債が前年の24,086百万円から22,285百万円に圧縮。3期連続の減少となっている。そのほとんどが、近物レックスに関るものだが、近物レックスの利益は借入れ返済に充当する考えで、当面、有利子負債は減らす方向にあるという。2019年3月期末時点の自己資本比率は47.4%と前年の45.8%から改善した。
2. 2020年3月期業績予想
2020年3月通期連結の業績予想は、営業収益で121,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益で10,500百万円(同5.9%増)、経常利益で10,800百万円(同4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で6,200百万円(同5.0%増)と連続で増収増益決算となる見込みである。
セグメント別に見ると、物流センター事業は、営業収益が前年より4,549百万円増加し66,000百万円、貨物自動車運送事業は同じく531百万円増加し55,000百万円とそれぞれ伸長する見通しだ。営業利益は、物流が7,000百万円(前期比6.4%増)、貨物が3,500百万円(同5.2%増)を想定している。
物流センター事業は、年間で15件以上の新規顧客獲得を想定しており、引き続きスケールメリットで増益を確保する。
一方、貨物自動車運送事業は、運賃単価是正効果が今期も寄与しそうだ。引き続き外注費のアップが懸念されるものの、それらは十分カバーできる見込み。さらに、物流量そのものも増加が期待できるものの、駆け込み需要とその反動による消費増税の影響がどこまであるか見極めたいと言う。
値上げ分の一部をドライバーの給与改定の原資に充て、業界で問題になっているドライバー不足に対処するとしている。
設備投資額については、前期の4,714百万円に対して9,000百万円と大幅に増額させる。主として物流センター関連で6,000百万円、トラックの更新費用などに3,000百万円を充当すると言う。金額がかさばるものの、2016年3月期には15,631百万円投じた経緯もあるだけに、突出したイメージはない。また、期末の現預金が14,800百万円とキャッシュリッチな企業であるだけに、余裕さえ感じられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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