■日本モーゲージサービス<7192>の業績動向
1. 新規住宅取得者のフラット35融資実行件数は過去最高
2019年3月期の営業収益が6,267百万円(前期比0.4%減)、営業利益1,159百万円(同40.7%増)、経常利益1,154百万円(同39.7%増)、親会社株主に帰属する純利益802百万円(同37.5%増)となった。営業収益は0.4%減となったが、この要因としては計上基準の変更に伴うものであり、ネット表示に変更したことによるもの。特に住宅瑕疵保険等事業とアカデメイア事業における保証プログラム商品においては、売上から原価を差し引いた粗利の部分のみを計上するべきとの監査法人の見解に沿ったものであり、実質は10%程度の伸びとなる。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益の各利益については、昨年11月に上方修正した計画を超過しての着地となっている。
自己資本比率については26.6%となり、前期の14.3%から改善しているが、つなぎ融資債権等の契約変更によるオフバランス化で対応している。これにより、資産では営業未収入金減少、営業貸付金減少、負債では短期借入金減少となる。
2. 住宅瑕疵保険等事業では、その他サービスの収益比率が拡大
セグメント別では、住宅金融事業の営業収益が2,168百万円(前期比19.6%増)、営業利益585百万円(同44.8%増)と全体の利益をけん引した。前年度に新規開設した20店舗(直営店及び代理店店舗を含む)が本格稼動したほか、新規住宅取得者の住宅ローン需要においては堅調な動きが見られ、新規住宅取得者のフラット35融資実行件数は過去最高となった。また2018年6月より新たに取扱いを開始したフラット併用プロパー住宅ローン「ベストミックス」の融資実行件数も順調に推移している。
住宅瑕疵保険等事業の営業収益は一部を営業原価と純額表示した影響もあり3,536百万円(同2.0%減)、営業利益490百万円(同16.8%増)となっている。戸建住宅の住宅瑕疵保険販売の拡大と強化を推進するため、地盤保証との同時提案を行うなど、他社との差別化を前面に打ち出し、積極的な営業展開による新規顧客の獲得、かつ主要取次店との連携強化にも注力した事業活動を継続して行っている。
ただし、住宅瑕疵保険は住宅瑕疵保険等事業の利益構造の半分程度しか占めていない。一方で住宅瑕疵保険以外のその他サービス(地盤保証のほか、住宅性能評価、フラット35適合証明、品質管理検査など)が成長してきており、これらが上振れていることが増益につながっている。今後はその他サービスの収益比率が拡大してくる可能性がある。
3. 住宅アカデメイア事業は営業黒字に転換
住宅アカデメイア事業の営業収益は562百万円(同35.5%減)、一部を営業原価と純額表示した影響から減収であるが、営業利益は83百万円(前期は営業損失584千円)と黒字に転換している。主要業務の1つである住宅フルフィルメント業務(受注から決済に至るまでの業務全般)は安定的に推移。また、クラウドシステム「HP統合システム」を住宅関連事業者へ提供するプラットフォーム業務の強化とこれに連動した住宅メンテナンス保証プログラム等の展開、住宅保証プログラム業務の事業・収益基盤の構築等の取り組みにより成長がみられている。また、大手デベロッパー中心に受注しているが、これまでの大手デベロッパーが1社から2社に増えたことにより、利益増につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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1. 新規住宅取得者のフラット35融資実行件数は過去最高
2019年3月期の営業収益が6,267百万円(前期比0.4%減)、営業利益1,159百万円(同40.7%増)、経常利益1,154百万円(同39.7%増)、親会社株主に帰属する純利益802百万円(同37.5%増)となった。営業収益は0.4%減となったが、この要因としては計上基準の変更に伴うものであり、ネット表示に変更したことによるもの。特に住宅瑕疵保険等事業とアカデメイア事業における保証プログラム商品においては、売上から原価を差し引いた粗利の部分のみを計上するべきとの監査法人の見解に沿ったものであり、実質は10%程度の伸びとなる。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益の各利益については、昨年11月に上方修正した計画を超過しての着地となっている。
自己資本比率については26.6%となり、前期の14.3%から改善しているが、つなぎ融資債権等の契約変更によるオフバランス化で対応している。これにより、資産では営業未収入金減少、営業貸付金減少、負債では短期借入金減少となる。
2. 住宅瑕疵保険等事業では、その他サービスの収益比率が拡大
セグメント別では、住宅金融事業の営業収益が2,168百万円(前期比19.6%増)、営業利益585百万円(同44.8%増)と全体の利益をけん引した。前年度に新規開設した20店舗(直営店及び代理店店舗を含む)が本格稼動したほか、新規住宅取得者の住宅ローン需要においては堅調な動きが見られ、新規住宅取得者のフラット35融資実行件数は過去最高となった。また2018年6月より新たに取扱いを開始したフラット併用プロパー住宅ローン「ベストミックス」の融資実行件数も順調に推移している。
住宅瑕疵保険等事業の営業収益は一部を営業原価と純額表示した影響もあり3,536百万円(同2.0%減)、営業利益490百万円(同16.8%増)となっている。戸建住宅の住宅瑕疵保険販売の拡大と強化を推進するため、地盤保証との同時提案を行うなど、他社との差別化を前面に打ち出し、積極的な営業展開による新規顧客の獲得、かつ主要取次店との連携強化にも注力した事業活動を継続して行っている。
ただし、住宅瑕疵保険は住宅瑕疵保険等事業の利益構造の半分程度しか占めていない。一方で住宅瑕疵保険以外のその他サービス(地盤保証のほか、住宅性能評価、フラット35適合証明、品質管理検査など)が成長してきており、これらが上振れていることが増益につながっている。今後はその他サービスの収益比率が拡大してくる可能性がある。
3. 住宅アカデメイア事業は営業黒字に転換
住宅アカデメイア事業の営業収益は562百万円(同35.5%減)、一部を営業原価と純額表示した影響から減収であるが、営業利益は83百万円(前期は営業損失584千円)と黒字に転換している。主要業務の1つである住宅フルフィルメント業務(受注から決済に至るまでの業務全般)は安定的に推移。また、クラウドシステム「HP統合システム」を住宅関連事業者へ提供するプラットフォーム業務の強化とこれに連動した住宅メンテナンス保証プログラム等の展開、住宅保証プログラム業務の事業・収益基盤の構築等の取り組みにより成長がみられている。また、大手デベロッパー中心に受注しているが、これまでの大手デベロッパーが1社から2社に増えたことにより、利益増につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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