日本モーゲジS Research Memo(4):20年3月期は増収増益を見込む、住宅瑕疵保険等事業の縦積み提供を推進

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/10 15:44
■今後の見通し

1.グループの顧客ネットワークを活かした拠点・チャネルの拡大
日本モーゲージサービス<7192>の2020年3月期の業績予想については、営業収益6,615百万円(前期比5.6%増)、営業利益1,200百万円(同3.6%増)、経常利益1,201百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益818百万円(同1.9%増)を見込んでいる。住宅ローンの拠点数を拡大し、住宅金融事業の拡大を図るほか、国内の18,800社以上もの住宅関連事業者からなる、同社グループの顧客ネットワークを活かしたチャネルの拡大と深掘を行い、ONEマーケティングにより、住宅瑕疵保険等事業を始めとした商品の縦積み提供を推進し、安定した収益力の確保に努める計画である。

2.フラット35不正利用問題に係わる過度な警戒は不要
なお、経営経営環境の変化として懸念されているフラット35不正利用問題については、審査の厳格化、競合関係の変化などを既に予測しており、計画に織り込まれている。もっとも、同社グループについては、元々投資用マンション要件は扱っていない、あるいは持っておらず、現時点で個別の調査は入っていない。また、本社で最終意思決定者が必ず目を通して決済する仕組みを審査システムとして持っているため、不正が起こり難い業務執行形態になっている。今後、審査が難化し、時間がかかるといったチャンスロス影響を想定し保守的にみているが、過度な警戒は不要と考えられる。

3.利益を縦積みできる収益モデル「ONEマーケティング」
住宅関連事業者の事業支援や販売支援のための商品を幅広くラインナップすることを追求。住宅関連事業者1社に対し、「ONEマーケティング」による営業手法を取ることで販促費をかけずに、グループ4法人分の商品を提供することができる。売上向上により、利益を縦積みできる収益モデルも、同社グループの強みの一つとなっている。

住宅ローン→つなぎ融資→住宅瑕疵保険→地盤保証→長期優良住宅に係る技術的審査やHP統合システム→住宅メンテナンス保証などの利益の縦積みにより、利益が向上する。

住宅関連事業者の業態は、住宅フランチャイズ会社、住宅建設事業者、宅建事業者、住宅建材会社、各種保険代理店、設計事務所と様々である。代理店・取次店・アライアンスパートナーとしてネットワーク化し、これらのチャネルを通じて、住宅ローンなどの商品を消費者へ提供。BtoBを主な取引とする同社グループにとって、重要なKPI(重要業績評価指標)となるのが、このチャネルネットワークの数となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)

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