今週の米ドル/円予想 CPIと小売売上高に注目(6/10週)

著者:山口哲也
投稿:2019/06/10 12:46

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円は小幅に続落。週初108.240で寄り付いた米ドル/円は、トランプ大統領が示したメキシコへの関税賦課を嫌気して軟調に推移。更に米国の利下げ懸念が高まったことで108円を割れる展開となりました。安値は6月5日の107.80。
6月6日にはメキシコへの関税引上げが見送られるのではという報道を受け、一時108円台後半まで値を戻しましたが、弱い雇用統計を受けて再度108円割れまで下落。その後は米国株の上昇を受けて値を戻し108.180で引けました。

なお、米国のメキシコへの関税賦課については、7日にトランプ大統領が見送りを示唆しています。
また、7日に発表された米5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比7.5万人増と市場予想の同17.5万人増、平均時給の前月比が+0.2%(市場予想:同+0.3%)、前年比が3.1%(市場予想:同+3.2%)と弱い結果でした。なお、非農業部門雇用者数は前回分が26.3万人増から22.4万人増に下方修正されました。失業率は3.6%と予想と変わらず。

今週発表予定の主要経済指標は以下とおりです。日本時間で来週6月20日AM3時にFOMCの結果が発表されますが、マーケットは米国の利下げを意識しており、、FOMCのゆくえを占う上でも、先週の雇用統計に加え今週発表される消費者物価指数と小売売上高に注目です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
米ドル/円は先週お伝えした108円へのトライ後にこれをブレイクし、その後、108円台に回復する展開となりました。
週足の移動平均線はそれぞれ下向きとなっており、価格は各移動平均線の下側に位置。下落基調で推移していたストキャスティクスは、ここにきて反転しつつありますが、トレンドは下向きですので、基本的にはスピード調整と見て、戻り売りを考えたいところです。
レジスタンスは109円と109.70前後にあり、サポートは再度108円と見ています。
週足終値ベースで108円を下回るようであれば、ダブルトップからの倍返しとなる107円台前半が目標値となります。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
先週の米ドル/円は、108.20から上下40銭、107.80から108.60までの間で推移しております。
ストキャスティクスは下降基調から反転しつつありますが、一目の基準線は下向きで価格の上側には転換線(108.868)が位置しているため、トレンド自体は下向きで当面はスピード調整となりそうです。売買戦略としては、目先は107.80から108.60のレンジ相場を想定した戻り売りを考えたいところです。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想