■ワールドホールディングス<2429>の業績動向
(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比6.0%増の52,011百万円、セグメント利益は同1.0%減の4,589百万円となった。リノベーション関連が好調に推移したほか、デベロップメント関連も各営業エリアでの新築分譲マンションと事業用地の販売が順調に推移し増収となった。利益面では前期に収益性の高い不動産物件を売上計上した反動で若干の減益となったものの、計画比では15.5%上回って着地した。
分野別の売上高を見ると、デベロップメント(自社開発物件)関連は前期比1.2%増の26,464百万円となった。マンションの引渡し戸数は前期の170戸に対して187戸と堅調に推移したほか、事業用地10物件の引渡しにより増収を維持した。
リノベーション関連は前期比37.3%増の13,408百万円と大幅増収となった。営業所を新たに埼玉、奈良に開設し全国12拠点にするなどエリア拡大を進めたことや、各拠点での仕入が順調に進んだことにより、引渡し戸数が前期の508戸から688戸と大きく伸張したことが増収要因となった。また、2018年12月期は今後の成長に向けて優秀な人材の確保につなげるため、「ReColor」等の新たなブランド戦略を展開した。
戸建住宅関連は前期比6.3%減の7,735百万円となった。注文住宅の引渡し戸数が前期の343戸から321戸と若干減少したことが要因となっている。戸建住宅を展開する豊栄建設(株)の本拠地である北海道で、2018年9月に地震が発生した影響もあったと見られる。また、新たに進出した仙台エリアについては、認知度がまだ低いこともありマーケティングも含めて戦略の見直しを行っている状況にある。また、ユニットハウス関連についても受注が低調に推移したことで同11.7%減の1,864百万円となり、戦略の再構築を進めている。
なお、同事業をビジネスモデル別にフロー型ビジネス(デベロップメント・戸建住宅関連)と、ストック型ビジネス(リノベーション・ユニットハウス、販売受託他)に分けて業績を見ると、フロー型ビジネスは売上高で前期比0.6%減の34,199百万円、セグメント利益で同12.3%減の3,651百万円となり、ストック型ビジネスは売上高で同21.2%増の17,812百万円、セグメント利益で同99.2%増の938百万円となった。同社は不動産事業の収益の安定性向上を図るため、ストック型ビジネスの拡大をより一段と進めていく方針となっている。
(3) 情報通信事業
情報通信事業は売上高が前期比35.0%増の12,376百万円、セグメント利益が同85.1%減の3百万円となった。会社計画比で見ると、2017年12月期に増店した携帯電話ショップ16店舗を中心に販売台数が拡大したことにより、売上高は7.2%上回ったものの、新規店舗に関してはストック収益の積み上がり過程にあり先行投資段階であること、また、スクラップ&ビルドを継続したことでセグメント利益は計画を下回る結果となった。
売上高の内訳について見ると、主力のモバイルショップ運営事業は前期比37.7%増、法人向けソリューション事業は同18.4%増とそれぞれ2ケタ増収となった。法人向けソリューション事業では新規エリアへの進出やLED照明等の省エネ商材の拡充を進めたことが増収要因につながった。利益面では、モバイルショップ運営事業が前期比で数千万円程度の損失拡大となったのに対して、法人向けソリューション事業は数千万円程度の増益となった。
(4) その他
その他事業の売上高は前期比21.4%増の3,467百万円、セグメント損失は270百万円(前期は272百万円の損失)となった。売上高の大半を占めるファームが展開する農業公園施設の運営管理事業については、繁忙期での天候不順や自然災害等があったものの、施設の再整備や様々な施策が奏効して入園者数が前年の93.4万人から94.8万人に拡大し、売上高が前期比11.2%増※となった。特に、「茨城こもれび森のイバライド」(茨城県稲敷市)については、2018年6月末にオープンした「シルバニアパーク」が好評で入園者数も大幅増、2019年についても滋賀農業公園「ブルーメの丘」に西日本最大級となる巨大アスレチック施設「アルプスジム」(ドイツ製)を3月にオープンしており、地元客を中心に好評を博しているようだ。
※2017年12月期第2四半期から連結対象となっている。
また、PCスクールを展開するアドバンについてはWeb制作等が順調に推移したほか、テクノ事業におけるシステムエンジニア研修を拡大するなど、グループ内での人材育成においてシナジー効果を発揮し、売上高は前期比6.3%増となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比6.0%増の52,011百万円、セグメント利益は同1.0%減の4,589百万円となった。リノベーション関連が好調に推移したほか、デベロップメント関連も各営業エリアでの新築分譲マンションと事業用地の販売が順調に推移し増収となった。利益面では前期に収益性の高い不動産物件を売上計上した反動で若干の減益となったものの、計画比では15.5%上回って着地した。
分野別の売上高を見ると、デベロップメント(自社開発物件)関連は前期比1.2%増の26,464百万円となった。マンションの引渡し戸数は前期の170戸に対して187戸と堅調に推移したほか、事業用地10物件の引渡しにより増収を維持した。
リノベーション関連は前期比37.3%増の13,408百万円と大幅増収となった。営業所を新たに埼玉、奈良に開設し全国12拠点にするなどエリア拡大を進めたことや、各拠点での仕入が順調に進んだことにより、引渡し戸数が前期の508戸から688戸と大きく伸張したことが増収要因となった。また、2018年12月期は今後の成長に向けて優秀な人材の確保につなげるため、「ReColor」等の新たなブランド戦略を展開した。
戸建住宅関連は前期比6.3%減の7,735百万円となった。注文住宅の引渡し戸数が前期の343戸から321戸と若干減少したことが要因となっている。戸建住宅を展開する豊栄建設(株)の本拠地である北海道で、2018年9月に地震が発生した影響もあったと見られる。また、新たに進出した仙台エリアについては、認知度がまだ低いこともありマーケティングも含めて戦略の見直しを行っている状況にある。また、ユニットハウス関連についても受注が低調に推移したことで同11.7%減の1,864百万円となり、戦略の再構築を進めている。
なお、同事業をビジネスモデル別にフロー型ビジネス(デベロップメント・戸建住宅関連)と、ストック型ビジネス(リノベーション・ユニットハウス、販売受託他)に分けて業績を見ると、フロー型ビジネスは売上高で前期比0.6%減の34,199百万円、セグメント利益で同12.3%減の3,651百万円となり、ストック型ビジネスは売上高で同21.2%増の17,812百万円、セグメント利益で同99.2%増の938百万円となった。同社は不動産事業の収益の安定性向上を図るため、ストック型ビジネスの拡大をより一段と進めていく方針となっている。
(3) 情報通信事業
情報通信事業は売上高が前期比35.0%増の12,376百万円、セグメント利益が同85.1%減の3百万円となった。会社計画比で見ると、2017年12月期に増店した携帯電話ショップ16店舗を中心に販売台数が拡大したことにより、売上高は7.2%上回ったものの、新規店舗に関してはストック収益の積み上がり過程にあり先行投資段階であること、また、スクラップ&ビルドを継続したことでセグメント利益は計画を下回る結果となった。
売上高の内訳について見ると、主力のモバイルショップ運営事業は前期比37.7%増、法人向けソリューション事業は同18.4%増とそれぞれ2ケタ増収となった。法人向けソリューション事業では新規エリアへの進出やLED照明等の省エネ商材の拡充を進めたことが増収要因につながった。利益面では、モバイルショップ運営事業が前期比で数千万円程度の損失拡大となったのに対して、法人向けソリューション事業は数千万円程度の増益となった。
(4) その他
その他事業の売上高は前期比21.4%増の3,467百万円、セグメント損失は270百万円(前期は272百万円の損失)となった。売上高の大半を占めるファームが展開する農業公園施設の運営管理事業については、繁忙期での天候不順や自然災害等があったものの、施設の再整備や様々な施策が奏効して入園者数が前年の93.4万人から94.8万人に拡大し、売上高が前期比11.2%増※となった。特に、「茨城こもれび森のイバライド」(茨城県稲敷市)については、2018年6月末にオープンした「シルバニアパーク」が好評で入園者数も大幅増、2019年についても滋賀農業公園「ブルーメの丘」に西日本最大級となる巨大アスレチック施設「アルプスジム」(ドイツ製)を3月にオープンしており、地元客を中心に好評を博しているようだ。
※2017年12月期第2四半期から連結対象となっている。
また、PCスクールを展開するアドバンについてはWeb制作等が順調に推移したほか、テクノ事業におけるシステムエンジニア研修を拡大するなど、グループ内での人材育成においてシナジー効果を発揮し、売上高は前期比6.3%増となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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