楽観に転じた投資家たち
◆週後半まで勢いを維持した日経平均株価
先週の日経平均株価は、調整を待っていた投資家たちの期待を裏切り、1週間の間、堅調に推移した。米中通商摩擦の進展が相場前半を盛り上げるだろう、という予測はあったものの、米国雇用統計の発表を待つ週後半までその勢いが続いたのは、一つのサプライズであり、市場の期待感は思いのほか強い、という見方をせざるを得ないだろう。
株式市場が、それほど調整をせずに週末を終えたのは、主に2つの原因がある。
一つは、英国のEU離脱問題において、英国側が再度、期限延長を申請する動きを見せ、EU側がこれを検討する姿勢を見せたこと、そしてもう一つは、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が過去最高値を更新し、注目を集めたことだ。
◆楽観に転じた投資家たち
英国のEU離脱問題は、今週も事態が変化する可能性は十分にある。英国が申請した再延期に対し、フランスのマクロン大統領らは不快感をあらわにしており、否定的な動きもある一方で、いっそのこと1年程度の期間を与えるべき、という意見もある。しかし、この問題に対する投資家の考えは、先週、少し変化してきた。それは、「この問題は人為的な問題に帰結しており、政治家たちが欧州景気に危機感をもっている以上、いずれにしても自殺行為的な結論は出せないだろう」という楽観論だ。
もう一つ、投資家たちを安心させたのが、原油価格や半導体関連株の動きだ。中国PMI(創造業購買担当者指数)が堅調であることは、事前にほぼ予測ができたことだったが、これによって、原油価格やSOX指数といった、市場環境を支える関連指標がそろって堅調に動き、ここに至って、投資家は改めて強気に転じた。米国雇用統計も予想よりも強い数値に落ち着き、世界景気の減速懸念はひとまず落ち着いてきたと考えるべきだろう。
◆日経平均株価は、年初来高値に挑戦
問題は逆に、これだけの材料がそろっているにも関わらず、日経平均株価が、3月4日の高値21860円を突破しなかったことにある。今週、この水準をきれいに抜けば何も問題は無いが、再度押し返されるようだと、再度懸念が表面化する。米中通商問題の緩和は織り込み積みとなり、あらたに生じる日米通商摩擦に対する懸念に、市場の注目が移る可能性があるからだ。週初に簡単にこの年初来高値を抜くことに期待がかかる。
茂木経済再生相は、5日に、米国で今月中に行われる第1回日米通商交渉に関する発言をしているが、大阪G20までにこの問題がトップ同士で片が付く、と考える投資家たちの考えが変わらないかどうかに注目しておきたい。
先週の日経平均株価は、調整を待っていた投資家たちの期待を裏切り、1週間の間、堅調に推移した。米中通商摩擦の進展が相場前半を盛り上げるだろう、という予測はあったものの、米国雇用統計の発表を待つ週後半までその勢いが続いたのは、一つのサプライズであり、市場の期待感は思いのほか強い、という見方をせざるを得ないだろう。
株式市場が、それほど調整をせずに週末を終えたのは、主に2つの原因がある。
一つは、英国のEU離脱問題において、英国側が再度、期限延長を申請する動きを見せ、EU側がこれを検討する姿勢を見せたこと、そしてもう一つは、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が過去最高値を更新し、注目を集めたことだ。
◆楽観に転じた投資家たち
英国のEU離脱問題は、今週も事態が変化する可能性は十分にある。英国が申請した再延期に対し、フランスのマクロン大統領らは不快感をあらわにしており、否定的な動きもある一方で、いっそのこと1年程度の期間を与えるべき、という意見もある。しかし、この問題に対する投資家の考えは、先週、少し変化してきた。それは、「この問題は人為的な問題に帰結しており、政治家たちが欧州景気に危機感をもっている以上、いずれにしても自殺行為的な結論は出せないだろう」という楽観論だ。
もう一つ、投資家たちを安心させたのが、原油価格や半導体関連株の動きだ。中国PMI(創造業購買担当者指数)が堅調であることは、事前にほぼ予測ができたことだったが、これによって、原油価格やSOX指数といった、市場環境を支える関連指標がそろって堅調に動き、ここに至って、投資家は改めて強気に転じた。米国雇用統計も予想よりも強い数値に落ち着き、世界景気の減速懸念はひとまず落ち着いてきたと考えるべきだろう。
◆日経平均株価は、年初来高値に挑戦
問題は逆に、これだけの材料がそろっているにも関わらず、日経平均株価が、3月4日の高値21860円を突破しなかったことにある。今週、この水準をきれいに抜けば何も問題は無いが、再度押し返されるようだと、再度懸念が表面化する。米中通商問題の緩和は織り込み積みとなり、あらたに生じる日米通商摩擦に対する懸念に、市場の注目が移る可能性があるからだ。週初に簡単にこの年初来高値を抜くことに期待がかかる。
茂木経済再生相は、5日に、米国で今月中に行われる第1回日米通商交渉に関する発言をしているが、大阪G20までにこの問題がトップ同士で片が付く、と考える投資家たちの考えが変わらないかどうかに注目しておきたい。