昨日の動きで「次なる方向性が定まった訳ではない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/03/08 10:57

◆ユーロ売りから“ドル買い”も、リスク回避にて“円買い”に…

※ご注意:予想期間は3月9日と表示されていますが、本日(3月8日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目のECB理事会は“波乱(フォワードガイダンス変更&量的緩和実施)”となりました。
長らく下値を支えた“1.12ドル半ば”をユーロドルは明確に割り込み、ユーロ円の下落幅は“実に1.7円(170pips)”に達しました。

「ドルにとって悪い話ではない(ユーロ売り⇒ドル買い)」というのは、ある意味“想定通り”だったといえます。
しかし誤算だったのは、量的緩和実施を打ち出したにもかかわらず「金利低下のみならず、欧株式も下落」したことです。
この影響から“金利低下⇒ユーロ売り”と共に“リスク回避⇒円買い”も加わっており、ドル円の上値を重くしている印象があります。

◆こうなると「もう一段の下値追い」も想定せざるを得ないが…?

“上値が重い”が囃されやすい中での“リスク回避⇒円買い”は、「もう一段の下値追い」を覚悟せざるを得ないのかもしれません。
しかし昨日テーマとなった「金融政策」に最も遅れた存在は、やはり“日銀”で疑いようがありません(正常化に向けた道筋すら立っていませんので…)。
そんな中で“リスク回避⇒円買い”へと振れても、おのずと「下値は限定的」…?

“リスク回避姿勢に振れたばかり”という点を鑑みれば、「もう一段の下値追い」も想定せざるを得ないところはあります。
それでも「まだ次なる方向性は定まっていない」と見て、米雇用統計控える週末のマーケットと対峙したいところです。
引き続き「戻り売りではなく、押し目買い」を基本としながら…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段よりラインを拡大しています。
112.853(18/12/18高値、50月移動平均線)
112.660(18/12/19-20高値)
112.311(200週移動平均線)
上値5:112.134(3/5高値、+2σ、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:112.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.918(3/6高値)
上値2:111.855(3/7高値、3/5~3/7の61.8%戻し)
上値1:111.794(ピボット1sレジスタンス)
前営業日終値:111.576(+1σ)
下値1:111.454(2/27~3/5の38.2%押し、3/7安値、ピボット1stサポート)
下値2:111.390(200/100日移動平均線)
下値3:111.322(3/1安値、20週移動平均線)
下値4:111.245(2/27~3/5の50%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート)
下値5:111.035(2/27~3/5の61.8%押し、20日移動平均線、大台、ピボットローブレイクアウト)
110.834(20月移動平均線)
110.745(1/31~3/5の38.2%押し、100/50週移動平均線)
110.661(2/28安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:24 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想