システム ディ Research Memo(4):2018年10月期は一時的要因で減収ながら競争力の高さは不変

投稿:2019/02/13 15:25
■事業部門別動向

1. 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業は祖業であると同時にシステム ディ<3804>の売上高の3分の1超を占める主力事業だ。事業の内容は国公立大学と私立学校法人(大学・短期大学・高校・専門学校等)向けに、学園運営全般に対する様々な業務支援ソフトによるトータルソリューションを提供している。主力商品ブランドは『キャンパスプラン』で、学務系(対学生・生徒業務)と法人系(学校法人の内部管理業務)の双方で幅広くソフトウェアがラインナップされているのが特長となっている。現在では全国の国公私立大学約1,100校中約380校に同社の校務支援ソフトが導入されるなど、業界トップシェアとデファクトスタンダードの地位を確立している。

2018年10月期の売上高は前期比20.7%(324百万円)減少の1,243百万円となった。前期に大規模総合大学からの大型案件の売上計上があったことの反動による。しかしながら利益面では、主力のパッケージソフトの開発・製造プロセスの効率化や、バージョンアップを通じて採算性を高めることに取り組み、利益率向上を実現し、全社ベースでの過去最高益更新につなげた。2018年10月末の導入学校数は970校と、2017年10月末の961校から増加した。

2018年10月期は大型案件の反動減で一時的に減収となったが、競争力の高さは不変だ。学園ソリューション事業の成長戦略は、これまで同様、新規開拓による導入学園数の増加と、更新需要の2つの軸で展開されていくと考えられる。導入学園数については、大学の領域は全国約1,100校中380校にまで導入が進んだことから、今後の伸びは一段緩やかなものとなるとみられる。代わって期待されるのが私立高校だ。私立高校は全国に1,300校以上あり、学校数では大学を上回る。大学に比べて1校当たりの生徒数が少ないため、パッケージソフトとクラウドサービスでの展開が中心になるとみられるが、これらは、利益率の点ではむしろプラスに働くと期待される。

“更新需要”にはいくつかの要素が含まれている。1つは既存顧客における大型特需への期待がある。大学の会計制度変更によって2015年前後にシステム改修・更新の特需が発生し、同社の業績を押し上げた。この部分の更新需要が2021年~2022年頃に発生してくる見通しだ。既存顧客におけるこの大型特需を着実に取り込むことができれば、セグメント売上高が過去最高を更新することも可能だと弊社では考えている。

更新需要のもう1つのポイントは更新に際しての他社ソフトユーザー(同社にとっては新規顧客)の取り込みだ。約1,100大学中380校で導入されている実績が物語るように、同社の『キャンパスプラン』への評価は高い。他社ソフトユーザーがソフトウェアの更新に際して同社ソフトに切り替える動きは継続的にあり、同社はこの流れをより太くしていく方針とみられる。

更新需要については新製品もポイントになるだろう。同社は2018年10月期の決算短信の中で「将来を見据えた新システムの開発も計画通り進展しております」と述べている。これが『キャンパスプラン』の後継製品なのか、サービス領域拡大を狙った新製品なのか、詳細は不明だが、前述した私立高校の新規開拓や大学の他社ソフトユーザーの取り込みに際しても、新製品の存在はプラスに働くものと期待される。


スポーツ施設向け『Hello EX』とテーマパーク・文化施設向け新製品『Hello Fun』の2本柱体制で着実な成長が続く見通し
2. ウェルネスソリューション事業
ウェルネスソリューション事業の製品は会員管理を中心とした施設運営支援システムだ。フィットネスクラブや公共体育施設などのスポーツ施設の運営を支援する『Hello EX』から事業がスタートし、これまで成長を続けてきた。2017年後半に新製品としてテーマパークや文化施設などの運営支援システム『Hello Fun』をリリースし、今後はこの2本柱体制で成長を狙う方針だ。また、BtoBtoC型のサービスとして介護予防・健康増進を目的としたアンチエイジングサービスの『Weldy Cloud』もリリースしている。

2018年10月期の売上高は前期比4.2%(38百万円)減少の878百万円となった。減収となった理由は、2017年10月期に大手フィットネスジム企業向けに特殊な大型案件の売上があったことの反動だ。しかしながら新規顧客の獲得は順調に進捗し、大手企業や、大手コンビニエンスストアが新規参入したフィットネス施設向けにシステムを納入した。これらの結果、2018年10月末の導入顧客数(施設数ベース)は1,064か所となった。また、新製品『Hello Fun』でも西武レクリエーション(株)などに導入実績を上げ、大型案件を除いた実質ベースで着実に売上げの伸長を果たした。

『Hello EX』と『Hello Fun』の2本柱体制となり、ウェルネスソリューション事業は今後も順調な拡大が続くと期待される。スポーツ施設市場は、若年層向けは東京オリンピックでピークを打つという見方も出ているが、高齢化社会の進行と健康寿命の長命化ニーズの高まりで高齢者向けは今後も成長が続く見通しだ。新製品の『Hello Fun』は遊園地などのテーマパークのほかに、美術館や博物館、動物園等の文化施設を対象としている。これらの中には公立のものも多く、運営支援システム導入による業務効率化・経費節減の潜在的ニーズは強いと考えられる。

アンチエイジングサービスの『Weldy Cloud』は製品自体への評価は高いが利用者数の伸びは緩やかで収益貢献という点では限定的な状況だ。一方で、ビッグデータの蓄積は着実に進んでおり、将来の新製品・サービスの開発につながることも期待される。後述するように、中期経営計画における具体的取り組みの1項目としてAIやIoTと並んでビッグデータの活用が謳われており、『Weldy Cloud』はその重要な一角を占める可能性もある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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配信元: フィスコ

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