■1月28日(月)■よほど事態が悪化しない限り、日経平均の浮上は確実視されるだろう

著者:堀篤
投稿:2019/01/28 08:48

2月中の安い局面は、積極的に仕込んでいく時期

NYでは、トランプ大統領が3週間の資金手当てをするつなぎ予算案に署名すると発表した。ひとまず、トランプ側が折れた形だ。
 3月までの二つの課題(予算・債務上限問題と、米中通商摩擦)のうち、一つが一歩、進展したことになる。もちろん、米国予算問題は、まだこれで解決したわけではないが、トランプ氏が、ねじれ国会によって全てがこれまで通りにはいかなくなる、という現実を受け止め、柔軟な姿勢を見せることができる、という安ど感は生まれた。
もう一つの課題である米中通商摩擦問題は、株式市場にとって、より重要だ。先週末に、ロス商務長官が交渉の進展が無い旨の発言をしたらしいが、3月1日までの間に、まだまだいろんな動きがあるだろう。しかし、最終的に、中国側の事情によって、この問題は解決に向かうだろう、と思われる。中国は、この問題の長期化が自国経済に致命的な影響を与える可能性に気が付いているだろうからだ。米中通商摩擦問題が解消に向かえば、株価は上昇するだろうが、問題は、今の水準から上昇するのか、一度下落してから上昇するのか、ということだ。
2月の1か月間は、そういう意味では投資家にとって、胃が痛い展開をするだろう。ただし、結果的には、日経平均で言えば21000円までに仕込んだ銘柄は、それほど心配をする必要はないだろう。たとえ一度沈んだとしても、よほど事態が悪化しない限り、浮上は確実視されるだろう。
ただし、株式市場にとって最悪な展開は、トランプ氏が「為替」を主たる交渉の武器にしようとした時だ。日本の投資家は、プラザ合意後のバブル崩壊で、20年にわたる低迷を余儀なくされたことを、まだ忘れてはいない。
その動きさえなければ、やはり2月中の安い局面は、積極的に仕込んでいく時期だと言えるだろう。念のため、ポートフォリオの中には、ドル安円高に対するメリットが生じる銘柄を核にしておきたい。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想