アトラエ Research Memo(1):高い組織力をベースに独自性の高いPeople Tech事業で成長持続

配信元:フィスコ
投稿:2018/12/20 15:51
■要約

アトラエ<6194>は、インターネットを活用した求人メディアの運営を行っている会社であり、人工知能やビッグデータ解析技術などを使い、求職者と求人企業のマッチングを行っている、人材サービスとテクノロジー(Human Resources※×Technology、HR Tech)のリーディングカンパニーである。2018年9月期に、“テクノロジーによって人の可能性を拡げる事業を創造していく”という想いを込め、「People Tech Company」 として自社を再定義している。主力事業である求人メディア「Green」の好調に加えて、組織改善プラットフォーム「wevox」のマネタイズが本格化し、さらにはビジネスマッチングアプリ「yenta」のマネタイズも始まるなどの結果、2018年9月期は上場後3期連続で増収増益を達成した。

※Human Resources(HR)とは企業の人的資源に関わる人材サービスの領域を指す。人材サービスには人材派遣、人材紹介、業務請負、求人メディアの運営、採用支援、教育研修等がある。


なお、同社は2018年6月に東証1部に市場変更を行い、新株式発行及び株式売出しを行っている。知名度向上と事業拡大のための資金獲得により、更なる成長を図る。

1. 事業概要
同社の主力サービスはIT業界に強みを持つマッチングプラットフォーム「Green」である。広告型求人メディアが主流の中、成功報酬型と言う同社独自のサービス内容が好評で、業績が右肩上がりで拡大し、高成長を続けている。「Green」に続くサービスとして、2016年1月にビジネスパーソン向けマッチングアプリ「yenta」を、2017年5月に組織改善プラットフォーム「wevox」をリリースしている。

2. 2018年9月期業績
2018年9月期の業績は、売上高が2,306百万円(前期比26.0%増、計画比2.6%増)、営業利益が691百万円(前期比23.4%増、計画比4.0%増)、経常利益が659百万円(前期比18.7%増)、当期純利益が464百万円(前期比17.4%増)と2ケタ増収増益を達成した。

主力サービスである「Green」については、求人企業と求職者のマッチング効率向上のためのコンテンツの拡充、ビッグデータ解析によるレコメンド精度の向上を始め、登録者数の増加施策としてWebマーケティングの強化、求人企業管理画面の改善等、様々な取り組みを行い、当事業年度の入社人数は2,373人(前期比21.9%増)と増加した。「wevox」については、幅広い業種・業界の企業にサービス提供が始まっており、導入企業数が500社を超えるなど、大幅に増加している。なお、「yenta」については利用者の増加と既存顧客の満足度向上に注力し顧客基盤を強固なものにした後、2019年9月期以降に本格的なマネタイズを計画している。

3. 今後の見通し
2019年9月期は売上高3,000百万円(前期比30.1%増)、営業利益700百万円(前期比1.3%増)、経常利益690百万円(前期比4.6%増)、当期純利益476百万円(前期比2.7%増)を見込む。同社の成長戦略は、確固たる競争優位を持つ「Green」の伸びをベースに、「wevox」、「yenta」のマネタイズを本格化させ、右肩上がりの成長を実現しようと言うものである。「Green」は確固たる競争優位性とターゲット市場の拡大から2019年9月期も成長が持続する見込みである。SaaS型サービスである「wevox」については、利用者が増加傾向にある上に、2%以下の低い解約率であることから更なる収益貢献を見込んでいる。「yenta」については法人向けマネタイズの実証実験は済んでおり、世界観を十分に浸透させ安定的な顧客基盤を整えたのち、2019年9月期以降のマネタイズを計画している。加えてPeopleTech領域で新規事業への着手も計画しており、更なる成長戦略についても手を打っている。年間平均離職者数1.6人、平均29.5歳という若くて活気にあふれエンゲージメント※(組織貢献力)が高い同社組織の特性を生かし、勢いをさらに加速させる。

※エンゲージメント:社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」のこと。この高さが、個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係を実現する。


■Key Points
・「Green」の高成長に加え、新サービス「wevox」のマネタイズも順調、2018年9月期は計画どおり2ケタ増収増益を達成
・2019年9月期は「Green」の成長を維持させつつも、新規事業の拡大により事業ポートフォリオの強化を図る
・組織力の強さを生かし、成長市場であるHR市場でPeoleTech事業を展開させ、右肩上がりの成長を持続させる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)

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配信元: フィスコ

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