リスクイベント終了 - 『嵐は過ぎ去った』…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/12/20 10:53

◆『思ったほど“ハト派”ではない』 - FOMC後に反発

※ご注意:予想期間は12月21日と表示されていますが、本日(12月20日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“株安の連鎖”を背景にしたドル円は、注目のFOMC前に“112.088円”まで売り込まれました。
しかし欧州株反発/米10年国債利回りのプラ転を背景に下げ止まり、そしてFOMC後に持ち直しました。

 「25bp(0.25%)利上げ」「GDP/インフレ見通しは下方修正」「ドットチャート(金利見通し)は3回⇒2回」。

これまでよりも“弱め(ハト派寄り)”の内容といえますが、マーケットは『思ったほど“ハト派”ではない』と捉えました。
事前に“ハト派”を囃してきただけに、あるいみで当然といえるかもしれません。
必然的に“買い戻し圧力”が高まり、ドル円は“112.660円”へと値を戻していきました。
ただし“株式(NYダウ)にとってはネガティブ”として機能するのも事実ですので、そこからさらに上値を伸ばすには至りませんでした。

◆テクニカル的なサポートが支え続ける中、リスクイベントは終了

終値ベース(昨日終値は112.435円)では前日に続き、“100日移動平均線(同112.410円)”に支えられた格好になります。
そして若干割り込んではいるものの、“日足・一目均衡表先行スパン下限(同112.463円)”でも支えられていると考えることも可能な水準といえます。
そしてテクニカル的なサポートに支えられる最中、大きなリスクイベントは終了しました。
『傾斜した思惑は巻き戻されやすい』と考えるのが自然…、そしてFOMC後の反応(幅広いドル買い)を考えれば“一定のタカ派スタンス維持をマーケットは好感”と考えることも可能…。

“株安の連鎖⇒リスク回避”への思惑は根強く、明確に割り込むと“見方を変える”必要も生じるところですが、『嵐は過ぎ去った』と見て対峙したいところです。
目先のポイント(上値メド)となるのは、“昨日高値(112.660円)”とほぼ重なる“12/13~12/19の38.2%戻し(112.706円)/同50%戻し(112.896円)”辺りか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.183(日足・一目均衡表先行スパン上限、20日移動平均線)
上値4:113.087(12/13~12/19の61.8%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値3:112.992(50日移動平均線、日足・一目均衡表転換線、大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:112.853(12/18高値、200週移動平均線、週足・一目均衡表転換線、12/13~12/19の50%戻し)
上値1:112.660(12/19高値、12/13~12/19の38.2%戻し、ピボット1sレジスタンス)
前営業日終値:112.435(日足・一目均衡表先行スパン下限、100日移動平均線、20週移動平均線)
下値1:112.307(12/19安値後の61.8%押し)
下値2:112.223(12/19安値後の76.4%押し)
下値3:112.088(12/19安値、ピボット1stサポート)
下値4:111.957(週足・一目均衡表基準線、大台)
下値5:111.776(10/29安値、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:12 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想