“押さえる”よりも“支える”が厚い…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/12/17 10:32

“押さえる”よりも“支える”が厚い…!?

◆“円買い”進行も、“113円”は割らず…

※ご注意:予想期間は12月18日と表示されていますが、本日(12月17日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


先週末は“中国or欧州”の景気悪化懸念が再燃し、幅広い通貨に対して“円買い”が進行しました。
この影響でドル円は、NYタイム終盤に“113.212円”へと値を落とす場面が見られました。
しかしながら対円以外では“ドル買い”も進行しており、直近のレンジ下限として機能している“113円ライン”を割り込むことはありませんでした。


◆“元の水準”に押し戻された…?

切り上げた感のあったレンジが“元の水準(113.00-50円)”に押し戻された印象があるのは事実であり、世界的な景気減速懸念を背景とした“株安の連鎖”も続いています。
このため予断を許さないのは事実ですが、しかし“株安⇒リスク回避”に対する「円の感応度」は鈍っています。
これは“米金利先高観後退”でも同様であり、このため「ズルズルと下値を模索」といった展開は想定しづらいところです。


◆ただし“下値のドル買い”が勝っている印象有

オーダー状況を見ると、前記レンジの両端(113.00円/113.50円)はそれぞれガッチリと固めている印象があります。
しかし“20日線(113.244円)/50日線(113.003円)/日足一目均衡表先行スパン上限(113.086円)/基準線(113.218円)/転換線(112.970円)”が固まって展開していることもあり、より“下値のドル買いが勝っている”印象があります。
そして「割り込むと崩れる」という可能性は否めませんが、今週最大のイベント(FOMC:18-19日)…。
ある程度織り込まれているとはいえ、このタイミングでの仕掛けは“手控えられる”可能性が高い…?

まずは「先週末のポジション調整(買い戻し)」、その後は「同レンジ内での揺れ動き」を想定しつつ、しかし「上or下抜けた際の対応」にはしっかりと備えておきたいところです。


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:114.033(11/28高値、大台、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:113.818(12/3高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.705(12/13-14高値)
上値2:113.625(ピボット1sレジスタンス)
上値1:113.517(12/13~12/14の61.8%戻し)
前営業日終値:113.373(50月移動平均線)
下値1:113.200(12/13-14安値、20日移動平均線、日足・一目均衡表基準線)
下値2:113.141(12/12安値、12/10~12/13の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値3:113.009(12/11安値、50日移動平均線、日足・一目均衡表先行スパン上限/転換線、12/10~12/13の50%押し、大台、ピボット2ndサポート)
下値4:112.800(12/10~12/13の61.8%押し、200週移動平均線、週足・一目均衡表転換線)
下値5:112.709(ピボットローブレイクアウト)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:46 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想